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光文社厳選!和食情報ナビ

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〝三種の神肴〟を求めて●煮込みの巻 居酒屋の一流

「そろそろ旨い酒でも飲みに行こうか」と、気の置けない仲間を誘う時。行きたいのは決まって、いい居酒屋だ。
そこには、間違いのない肴と美酒が進む静かな時間があるのだ。
そんな店の名物料理3品を、ここでは”三種の神肴”と銘打って、巡っていこうと思う。
初となる今回は「モツ、またはスジ煮込み」を肴の軸にご案内する。

入口近くにカウンター席、奥にゆったりとしつらえたテーブル席が。男性客に支持される息の長い店だ。

人形町 釉月

  • 住所:東京都中央区日本橋富沢町6-6
  • 電話:03-5640-0773
  • 営業時間:18:00~22:30LO / 休み:第1・3・5土曜、日曜、祝日
  • 席数:カウンター9席、テーブル14席 ※全席喫煙可
  • サービス料:お通し¥500
  • 最寄駅:東京メトロ日比谷線「人形町駅」より徒歩約4分
  • オープン年月:2008年9月
  • 酒の種類:日本酒約20種類のほか、焼酎約20種類。
    コクと切れのある日本ワインも15種類と幅広い。
  • 客層:近隣のビジネスマンが主体で、大半が男性客。大手町や茅場町に勤める金融関係者も多い。
日本酒
〈左から〉日本酒の「巖」、本格焼酎の「青一髪」、
ワインは「千野甲州産」。
料理同様、酒のラインナップも幅広い。
盃もつい余計に傾けたくなる。

風格を備えた居酒屋遺産。
酒と肴に惹かれ、惹かれて

人形町という通なロケーション。ビル地下1階にひっそりと、それでいて連夜客で賑わう居酒屋がある。店主の金子祐二氏がホテルのシェフを経て同店をオープンしたのが2008年のこと。「自由度の高い」居酒屋に惚れ込み、あの手この手の美味づくしで虜にさせる。さて、腰を落ち着けたら、即座にオーダーすべきは「ポテトサラダ」。ジャガイモにゆで卵、マヨネーズは少なめに、バターが香るしっかりとした味は男心を鷲摑みにする。
刺身は盛り合わせがいい。「鮨のようにシャリがない分、ひと手間もふた手間もかけてます」と言うように、ヅケや藁のタタキを織り交ぜ、脂がのった魚にはカラシを添えて5~6種類の旬魚を供する構え。
煮込みはカツオ出汁をベースに、牛スネの脂は冷ましてから極力取り除き、味と食感のあるゴボウを別炊きしてから加えて、あっさりと軽やかな味わいに仕立てる。皿も酒器もすべて作家もの。それをさりげなく使いこなすところがまた、心憎い。酒よし、つまみよし、店のしつらえからもてなしのすべてにおいて申し分ない。これはもう、詣でるしかない名店だ。

カウンター席とテーブル席、そして仕切りのない座敷席がワンフロアにまとまる店内は昭和の空気を色濃く残すくつろぎの空間だ。

代々木 よよぎあん

  • 住所:東京都渋谷区代々木1-34-5 B1
  • 電話:03-3374-4024
  • 営業時間:8:00~23:00LO / 休み:日曜、祝日
  • 席数:カウンター9席、テーブル12席、座敷12席※全席喫煙可 予約/可
  • サービス料:なし
  • 最寄駅:JR山手線ほか「代々木駅」から徒歩約1分
  • オープン年月:1970年
  • 酒の種類:日本酒は約20種類あり、純米系が多い。半合¥340~。
    店主と蔵元が縁戚関係にある青森の「関乃井」は各種揃う。また焼酎は芋を中心に約40種類で、ボトルキープできるものも。110cc ¥420~。
  • 客層:30~60代と幅広く、男女比は5:5。近隣のビジネスマンや学校関係者、ファッション、テレビ業界と利用者は多彩。
日本酒
酒は日本酒と焼酎が中心。いずれも品揃えはよく、
特に日本酒は小さな蔵の珍しい銘柄に出合えることも。
半合からオーダーできるのも嬉しい。

もつ煮の味付けも七変化。
季節感溢れる料理で勝負

居酒屋「代々木庵」として創業した店を関 将伸氏が父から受け継いだのは2006年。青森の郷土料理をメインに据えたメニューを一新し、店名もひらがなに変えてスタートした。居酒屋としてのスタンスは守りつつ、料理で大切にするのが季節感を出すこと。そのために野菜は世田谷や八王子へ、魚は築地へと自ら足を運び、旬を見極めて食材を入手する。
だが、季節感へのこだわりは、食材だけにはとどまらない。その好例が、もつ煮だ。店の定番として通年同じ味付けで提供されるのが一般的なのに、ここでは違う。冬はこってりと赤味噌を纏わせ、春になれば野菜を加えて醤油味に、夏はピリリと辛味を利かせるなど七変化。季節ごとに体が欲する味で仕立て上げる。
やはり居酒屋の定番である「ポテトサラダ」も同様で、「寒い時期は温かいものが食べたくなるから」とグリルで焼いた熱々の一品に。食べる側の気持ちにも寄り添い、常に創意と工夫を凝らす。
その姿勢が良い意味でゲストの期待を裏切るのは必定。次はどんな料理に出合えるのか。通うほどに真価がわかる店である。

店内は浅倉氏を囲むように、カウンターを中心に設計されている。

久我山 器楽亭

  • 住所:東京都杉並区久我山5-7-9 久我山ハウジング1F
  • 電話:03-3332-2919
  • 営業時間:8:00~24:00 ※日によって早仕舞いあり / 休み:水曜 ※春と夏に連休あり
  • 席数:カウンター9席、テーブル16席 ※喫煙16席、禁煙9席 予約 / した方がよい
  • サービス料:お通し¥800~¥1,000
  • 最寄駅:京王井の頭線「久我山駅」から徒歩約2分
  • オープン年月:2007年4月
  • 酒の種類:日本酒は香りの少ないものでキレのあるものを中心に約20種類。
    ワインもフランス、ナパ・ヴァレー、イタリアなどを中心に赤・白5種類ほどを揃える。
  • 客層:30~80代と幅広く、男女比は7:3。
    「うちはメンズファースト、男性に優しい店です(笑)」と冗談交じりに浅倉氏。
日本酒
「料理に寄り添い、飲み疲れしない
お酒をラインナップしています」と浅倉氏。
而今の純米吟醸、宝剣の特別銘柄「呉の土井鉄」、
若波、喜久酔など、銘酒揃い。

「旨みをどう引き出すか?」
酒肴の名店が贈る力作に脱帽

水にさらしてボイルして、また水にさらしてボイルする。
延々と繰り返されること十数回。モツの下処理に驚くほどの時間と手間をかけるのが、久我山の「器楽亭」。
「モツは、要はスポンジのような役割。出汁を吸わせるためなので、臭みは邪魔になりますからね。B級料理を、A級の調理で提供です」
店主・浅倉鼓太郎氏は事もなげにそう語るが、その驚くべき労力はひとえに旨い料理を味わってほしいという一念のみ。京都の西京味噌を使い出汁をたっぷり吸わせたモツは、山椒と一味を利かせることでついつい酒を呼ぶあてに。
さらに能登などから届く魚介こそが名物のこの店。毎回、その時期の旨みを蓄えた魚介も必食。3月ならば、毛ガニの土佐酢寄せに、アワビやノドグロ……。
そのどれもが秀逸なのだが、香りを立たせるカツオ節と、旨みを引き出すカツオ節を使い分けるなど、シンプルなようでいて、どう旨みを引き出すかは入念に研究されている。モツで一献、魚で二献、すべての料理に酒が合う。飲み疲れしない銘酒の品揃えも、すこぶるご機嫌なのがたまらない一軒。

木の温もりを感じさせる、落ち着きのある空間。こちらは地下1階のカウンター席。大切な人と肩を並べて美味な肴と日本酒をぜひ。

広尾 味のなかむら

  • 住所:東京都港区西麻布4-7-10 麻布笄町Aハウス
  • 電話:03-6434-1007
  • 営業時間:17:30~22:30LO / 休み:第3日曜(1・8・12月を除く)
  • 席数:1F /テーブル38席、カウンター8席、B1/カウンター10席、6~10名個室1室、4名個室1室 ※全席禁煙
  • サービス料:なし
  • 最寄駅:東京メトロ日比谷線「広尾駅」から徒歩約8分
  • オープン年月:2014年7月
  • 酒の種類:蔵の顔が見える日本酒ほか、焼酎はそれぞれ12種類。ワインは赤白各12~13種類を揃える。
  • 客層:40代のビジネスマンや地元住人の利用が大半。男女比は半々。会食や接待利用も多い。
日本酒
左から、味のなかむら樽酒大分の鷹来屋(1瓶)¥1,800、
愛媛の石槌 純米吟醸¥1,000、福島の会津娘 純米¥900。
付き合いの長い15蔵を中心に銘酒を幅広くラインナップ。
樽酒はぜひ味わいたい。

旬づくしの誠実な和食と
蔵元の顔が見える日本酒の妙

人気店「並木橋なかむら」の流れを汲み、ランクアップした新店が、昨年7月、広尾の住宅街にオープンした。„モダン民芸„をテーマに、旬を大切にした滋味深い料理と蔵元の顔が見える日本酒で左党を唸らせている。
月替わりの品書きは、大衆的なポテトサラダに蕎麦もあれば、冬はフグにアンコウ、夏は鱧など本格的な日本料理まで幅広く網羅する。自慢の旬味の中でも、特筆すべきは刺身だろう。今の季節なら走りの鹿児島産初ガツオをはじめ、福岡の天然真鯛、網走の水ダコなど。旬の鮮魚にはひと手間かけてひと皿ひと皿ずつ、それぞれに応じた味付けと薬味で食べさせる仕立てもよし。炊き立てで供する土鍋ごはんには、春爛漫のホタルイカに甘味の筍と苦味の菜花が彩りを添える。これもまた旨し。
極め付きは、本命の煮込みだ。トロトロになるまで軟らかく炊き上げた沖縄和牛の牛スジに、食感をあえて残した大根の加減がいい塩梅。ニンニクやショウガは使わずに、食材の味を生かす仕立てに料理人の実力とセンスを感じさせる。
美味を引き立てる日本酒は、蔵元と付き合いのある銘酒揃い。オリジナルの樽酒を味わうのも一興だ。艶っぽくも、しみじみもいける。居酒屋の楽しみを知るには打ってつけだ。

銀座2丁目のビル地下にひっそりと佇む銘酒亭。テーブル席とカウンターが仕切られており、TPOに合わせた利用が可能。

銀座一丁目 佳肴 みを木

  • 住所:東京都中央区銀座 2-2-4 ヒューリック西銀座第2ビル B1
  • 電話:03-3563-6033
  • 営業時間:17:00~24:00LO、日曜・祝日は17:00~22:00LO / 休み:月曜
  • 席数:カウンター8席、テーブル30席 ※喫煙10席、禁煙28席
  • サービス料:お通し¥800(2品)
  • 最寄駅:東京メトロ有楽町線「銀座一丁目駅」から徒歩約1分
  • オープン年月:2010年12月
  • 酒の種類:形にとらわれることなく、自由に美味しいお酒を提供。常時50~60種の日本酒に加え、焼酎やビール、梅酒も。
  • 客層:50歳前後が中心で、日にもよるが男女比は6:4。最近は30~40代の日本酒好き、女性同士のゲストも多く訪れる。
日本酒
「日本酒がじわじわと人気が出ていることが
嬉しいですね」と女将の渡辺さん。
ブーム前から日本酒を下支えし、
燗酒を提供してきた。
銀座一丁目 佳肴 みを木
「アジア風鶏の煮込み」¥1,180(税込)。
別の日には、丹波の黒鶏のムネとモモの煮込みが登場。
生米と一緒に煮ることでとろみを付け、
隠し味にはナンプラーを入れている。(税込)

燗酒に合わせたい煮込みと
ひねりを利かせた佳肴を

日本酒好きの間では燗酒の名人として、つとに知られる「佳肴 みを木」の女将・渡辺 愛さん。銀座界隈で日本酒といえば名の挙がる酒亭の煮込みもまた、左党が喜ぶ逸品である。
「うちの煮込みは、牛スジ、豚バラ、鶏モモなど食材によって内容が変わります。味はスタンダードもあれば、カレー風味、アジアンまでとにかくお酒に合う肴であればよし」なんとも潔く豪快なお答えだが、これがまた人気の秘訣なのだ。毎回、訪れるたびに新たな発見がある。そして、そのどれもが酒との相性が抜群。寒い日には、煮込みだけで何杯もいきたくなるのだ。
だがしかし、気の利いた酒肴の数々は続く。「ピータン豆腐」は、ザーサイとごま油、白ネギがひと口ごとに食欲をそそるし、「白インゲン豆の煮込みからすみがけ」などは、上のカラスミ、下の白インゲン、最後は混ぜてと三段活用で楽しみたいほど。そこに女将お勧めの温度帯で供される日本酒が絶妙な間合いで運ばれるのだから、言うことなし。
まさに店名に冠した„佳肴“が、胸にじんわり沁みる酒亭なのだ。

大型の冷蔵庫には日本酒がずらり。多種多様に富む香りと味わいとを取り揃える。

大塚 麦酒庵 本店

  • 住所:東京都豊島区北大塚 2-27-1 吉松ビル2F
  • 電話:03-3915-4550
  • 営業時間:18:00〜24:00LO、日曜、祝日は15:00〜22:00 / 休み:月曜
    ※月曜が祝日の場合は営業、翌火曜休み
  • 席数:カウンター6席、テーブル24席 ※全席禁煙
  • サービス料:お通し¥400 ※カード使用不可
  • 最寄駅:JR山手線「大塚駅」、都電荒川線「大塚駅前停留所」からそれぞれ徒歩約1分
  • オープン年月:2011年2月
  • 酒の種類:ビールは日本の地ビールを中心に、樽生で10種を用意(大手及び海外のビールは取り扱いなし)。日本酒は全国各地より厳選した約200種類を揃える。
  • 客層:ビジネスマン、夫婦など。大学教授などの理系関係者や出版関係者など、こだわりを持つ男性客も多い。
ナギサビール
雑味が少なくクリアな「ナギサビール(和歌山)」
大グラス¥950は定番。酸化させないよう泡を立てずに
注いだビールはフレッシュな味わい。

誠実な注ぎ手によるフレッシュな
地麦酒と牡蠣と煮込みに心酔

居酒屋の聖地・大塚で予約が取りづらい人気店。地ビールがメインだが、日本酒と牡蠣の三枚看板。「ハイブリッドな環境」を整えた、初心者からマニアまで楽しめる懐ろの深さが魅力だ。
店主の水田善之氏は、大手企業からの脱サラ組。好きが高じてビール消費者団体の理事を務めたという経歴も興味深い。「ビールがメインのお店は落ち着いて飲める店が少ないし、人を誘いづらかった」と2011年にこの店を立ち上げ、幅広い知識と経験を注いでいる。
丁寧に仕込んだ料理は多彩で、どれもリーズナブル。まず味わうべき真牡蠣は「真打ち」と呼ばれる最も新鮮なものを厳選。北海道から九州まで常時10種類前後を揃える。ビールにも日本酒にも打ってつけのもつ煮込みは、佐助豚の生ホルモンを鮮度抜群のまま入荷。
カツオ出汁と醤油のみで調味した直球の味わいで、しっかりした旨みがありながら上品な後味が堪能できる。
樽生で10種類がスタンバイする国産の地ビールは注ぎ上手でフレッシュな味わい。日本酒もレンジを広く、常時200種類前後を扱い、客の厚い期待に応える。ハマったら最後。通うのみである。

関西版

店主の杉中氏は、兵庫県明石市の出身。酒は、兵庫だと灘が有名だが、明石や播州にも銘酒ありと地元の酒を供する。

兵庫・三宮 すぎなか

  • 住所:神戸市中央区中山手通 1-9-8
  • 電話:078-393-5115
  • 営業時間:17:30〜23:30入店 / 休み:火曜
  • 席数:カウンター10席、テーブル4席 ※全席喫煙可
  • サービス料:突出しと食後のフルーツ付き¥500 予約 / した方がよい
  • 最寄駅:各線「三宮駅」から徒歩約5分
  • オープン年月:2008年8月
  • 酒の種類:兵庫県の播州地域の蔵の日本酒を中心に常時約10種類ほど。ワインは赤白各5種類、スパークリングワインも。
  • 客層:20代後半から70代までと幅広い。50代以上の女性客2人連れなども料理を楽しみに多数来店する。深夜は料理人の利用が多い。
ナギサビール
お敷きの挿絵は奥さんの手描きの作。
料理を盛る皿、酒器、花器など、
店内のほとんどの陶器は杉中氏の
お母さんの作品。

微に入り細に入り、
手塩にかけた90品の料理

「居酒屋のような店で、きちんとした料理を出したくて」と語る主の杉中 裕氏。三宮の割烹で修業を積んだ、確かな目利きと腕で織りなす、端正な料理。それがわずか14席の席数に対して、90種類ほどの一品料理が用意されているのだから、品書きを眺め、迷いに迷う。そうした幅広い品揃えゆえに老若男女誰を伴っても、必ず好みの味に出合えるのがいい。
数多ある品の中で、特にオーダー率の高い料理が「造り」と「すじ肉あっさり煮」だという。
造りの盛り合わせは、極上のクオリティーの鮮魚が揃っている。それだけで十分なのだが、魚の繊細な旨みを殺さないようにと、添える醤油やポン酢にまで気を配り、結果、理想の味を自分で調合する。
スジの煮込みも、柔らかくなるまで煮込んだ後に、さらに一度焼いて余分な脂を落とすという一仕事を施す。一切の雑味を失くしてから、鰹と昆布のだしと薄口醤油でさっと煮てある。甘辛くも、ぎとぎともしない上品なスジ煮は年配の客にも評判だ。手間を惜しまぬ丁寧な仕事ぶりが評判を呼ぶ。

店主の奥村浩和氏とスタッフの木戸脇和子さん。修業時代からの同僚で息もぴったり。

京都・五条 Abats 奥村

  • 住所:京都市下京区松原通烏丸東入南側俊成町 445 オークリッチ烏丸
  • 電話:075-352-8125
  • 営業時間:18:00〜23:00LO / 休み:日曜、祝日の月曜
  • 席数:カウンター8席、テーブル16席 ※全席禁煙
  • サービス料:¥300 予約 / した方がよい
  • 最寄駅:市営地下鉄烏丸線「五条駅」から徒歩約3分
  • オープン年月:2006年7月
  • 酒の種類:日本酒は品書きに記載のもの以外にもあり常時約10種類。¥600〜。ワインはハーフボトルもあり¥1,800。
  • 客層:40代から70代くらいまでのビジネスマンが中心で男女比は9:1。

質よし鮮度よし、近江牛の内臓。
造り、焼き、煮込みで味わえる

コックコートを着たフレンチの料理人だった奥村浩和氏。その後居酒屋に転身し修業を重ねて独立した。「アバ(内臓)の煮込み」はフランスビストロ料理では欠かせない食材で、当時から調理するのも食べるのも好きだったという。そこで「アバ」を店名にも掲げ、看板メニューに据えた。
「京都は滋賀県が近いので、いい状態の近江牛の内臓類が手に入るんです」と奥村氏。自ら滋賀県の精肉店まで仕入れに出向く。水のよい滋賀で育つ近江牛の内臓類は、造りでも食べられるほどの鮮度と質のよさ。煮てもアクもほとんど出ない。さっと茹でこぼして、日本酒と水と塩で柔らかくなるまで炊いておき、オーダーが通ったら小鍋仕立てに。モツから出た上品な旨みのスープも味わい尽くしたい。
滋賀まで買い付けに行くのに、精肉は仕入れていない奥村さん。アバを食べてほしいと徹底しているのだ。

和食の修業を経て居酒屋でのキャリアを積んだ島元氏。正統派の和食メニューから創作系まで幅広く揃える。

兵庫・三宮 和心 こざる

  • 住所:神戸市中央区中山手通 2-12-13 太平ビル1F
  • 電話:078-321-5090
  • 営業時間:17:00〜25:00※24:00LO / 休日:月曜(祝日の場合は営業、翌火曜休み)
  • 席数:カウンター8席、テーブル14席 ※全席喫煙可
  • サービス料:突出し¥400 予約 / 週末はした方がよい
  • 最寄駅:JR神戸線「元町駅」・「三ノ宮駅」からそれぞれ徒歩約 7分
  • オープン年月:2014年9月
  • 酒の種類:日本酒は約14種類で銘柄は旬の酒を随時入れ替え。1合¥500〜と割安。今後もっと増やしていく予定。
  • 客層:30代後半から40代のサラリーマンや会社経営者が多い。週末は近所に住む夫婦やカップルも。

新鋭の居酒屋で知る
創意工夫の豊かな新しいすじ煮込み

昨年9月にオープンしたばかり。神戸出身の島元 貢氏が腕を振るう。豊富に揃う一品料理は、若き料理人の意欲を感じる品揃えだ。
自家製のローストビーフでウニを巻く。最初はどんな味かと思ったが、間に挟んだ大葉と柚子のドレッシングが爽やかで巧く濃厚な2つの食材をつないでいる。辛口の冷酒かワインでもいい。
また特に酒飲みに人気があるのが牛すじの煮込み。和牛のスジを煮込む際、赤ワインをベースに煮込んでいる。八丁味噌で土手焼き風に仕上げるが、ワインの風味が染み込んでいるので、甘すぎずキレがあるのがいい。こうしたアイディアに満ち、気の利いた一品料理が大人の酔客を喜ばせている。

撮影/岡本 寿、徳山善行、富澤 元、鈴木拓也、竹中稔彦 取材・文/粂 真美子、大西健俊、三好彩子