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TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹
  • TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹
  • TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹
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  • TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹

価格、好み、数量など客の求めに応じて
最良の魚を揃えるのが目利きの神髄

仲卸の仕事は、魚の価値を見極める“目利き” 機能がメインであると言われているが、「単にいい魚を選ぶだけなら誰でもできる。その先の世界が大事なのだ」と、多くの仲卸が口を揃える。求める魚は客ごとに違うため、それぞれのお客さんに対する目利きが必要であり、どれだけ客のニーズに合う魚をすばやく用意できるかが重要であり、難しいことなのである。

ある仲卸はこう話している。
「自分がいいと思っても、お客さんがいいと思わなければそれはよくない魚。それを何でわからないんだ!なんて思ったら終わり。魚が買えるのはお客さんがいるからであって、いい魚を買っているからお客さんが来るわけじゃない。全部お客さんと一蓮托生しているから、売れたらまた注文が来るという繰り返し。だから片方だけが儲かることはまずありえない」

一方で、お客である料理人たちも「仲卸との出会いが我々の人生を左右する」「仲卸の選別がなければいい魚は手に入らない」と話しているように、仲卸のきめ細かい対応への評価は高く、信頼も厚い。

「クオリティを追求しているお客さんにはこっちも真剣勝負じゃないと相手にされなくなる。だからこそお互いに切磋琢磨しながらいい物を渡したい」という仲卸の言葉には、損得なしに仕事に取り組む姿勢が表れている。
また、
「明日コハダを50 本用意してほしいと言われていたのに魚が入らないとわかったときなどは、さあ、どうしようと気持ちが悪くなる。でもそれをクリアすると次はそれ以上のものを返してくれるし、だからこそやりがいもある」
というコメントからも、客の要望に応えるために毎日緊張感を持って仕事をしている姿が窺える。

  • TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹
  • TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹
  • TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹
  • TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹

利益を二の次にしていい魚を納める
そのプライドが客との関係を支えている

映画の中では80 人以上の仲卸に取材をしているが、何人もの人が「金勘定ではできない仕事」と答えているのも印象深い。

市場長もインタビューの中で
「卸売会社は産地から荷を預かったり、買い付けたりするから、どちらかと言うとなるべく高く売りたいのに対し、仲卸は小売店や消費者に近い立場で品質のいいものを安く仕入れたいという役割の違いがある。ただ、両者とも水産物をより多く消費してほしい、より良い品質の魚を提供したいという思いは一致している」
「仲卸は築地で長年魚を扱ってきたプライドを持っている。それは必ずしも扱い高、売上高ではなく、きちんといい魚を納めることを一番と考えている人が多い」
と話している。

とくに鮪の競り場で下付け( 下見) するシーンや生鮪の評価について語るシーンでは、やりがいを持って仕事に勤しむ仲卸たちの熱い思いが画面を通して伝わってくる。
「この鮮度感だと1 週間後にはこんな感じになってくるんじゃないかなと勝手なストーリーを頭の中に描く。妄想はすごいよ。築地の人間はほとんどが妄想の中で生きている」
と下付けしながら話す人や、
「高級車1 台分を自分の指ひとつで左右することがあるので、( 競りで)指を出すことをヤリを出すと言うんですが、自信がないとヤリが鈍ります」
と競りの緊張感を語る人、
「どこにこだわるかと言ったらおいしさ。とくに鮪は色と味が比例しなので、色の変わりやすい鮪ほどうまいこともあるんだよね。基本的に気に入らない鮪はお客さんに渡さないので。そのリスクは自分が持たなくちゃいけない」
と目利きの責任の重さを語る人など、皆が真剣勝負の醍醐味を楽しんでいるようにも見える。

  • TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹
  • TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹
  • TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹
  • TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)©2016 松竹

魚の値段で格付が決まるわけではない
値段と関係ない世界がそこには存在する

求める鮪について問われると、
「色味、肉質、脂の乗り具合を見るけれど、見た目よりも自分は柔らかさ、脂のきめ細かさを重視する。融点の低さと脂にざらつきのないものだね。ちょっと触ったときにホワ~っとする鮪を切って、“これを握ったらうまいだろうな” と思ったときすごく幸せを感じる」
と答えた後に、
「テンションを高くしてやっているけど、本当はいい鮪があまりないのでテンションが低い」
と、思いがけない本音も漏らす。そして、
「いつも思うことは、俺は鮪屋なのだということ。ビジネスマンではないのだと。常に自分にも従業員にも言い聞かせている。国産の鮪に関しては、ビジネスで考えたら絶対成り立たない。国産の鮪に限って言えば、金勘定で物を買ってはいけない」
という言葉も印象的だ。

また別の鮪仲卸は次のように語っている。
「なぜ魚を追いかけているかというと、自分の思い入れだけではなくて、お客さんがあってお前から買いたいというそこの思いだけで競り場に入って魚を買っている。買った後で“あれ高いよね” とか、“この魚がいくらだったら、あれはいくらでしょう” なんて同業者同士で話すこともあるけれど、実際それは違うんだよね。その人が狙う1 本はお客さんのために狙っている1 本だから、端から見たら値段が逆転していても全然関係ない」
「勝手に魚を格付けする世界はわからないかもしれないけど、逆に言えば、そこまでの魚をお客さんから求められて、それを血眼になって探すという値段と関係のない世界に於いて、魚は格付けではなく、あくまでお客さんの欲しいものを目利きで選び出すことなんだよね」
といった奥深い話も。儲けることよりプロとしての意地を貫く人々の、情熱に満ちた生き様は胸に迫るものがある。

特典ディスクの「仲卸探訪」にも市場を彩るさまざまな海産物についての情報や、目利きのポイントなどがたくさん紹介されていて、こちらも見逃せません。その“ワンダー” な世界をDVD& ブルーレイでご堪能ください。

TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)
『TSUKIJI WONDERLAND( 築地ワンダーランド)』

好評発売中
ブルーレイ(2枚組):6,300 円+税
DVD(2枚組):5,400 円+税
発売・販売元:松竹
©2016 松竹
映画公式サイト http://tsukiji-wonderland.jp

【海外映画祭状況】

  • サンセバスチャン国際映画祭 キュリナリー・シネマ部門正式出品 クロージング作品(2016.9)
  • シアトル国際映画祭 キュリナリー・シネマ部門正式出品(2016.5)
  • モントリオール世界映画祭 ドキュメンタリー部門正式出品(2016.8-9)
  • レインダンス国際映画祭(英ロンドン)ドキュメンタリー部門正式出品(2016.9-10)
  • ベイルート国際映画祭(レバノン) Culinary/Environment 部門正式出品(2016.10)
  • 高雄映画祭(台湾)Food Feast 部門正式出品(2016.10)
  • ハワイ国際映画祭 Eat. Drink. Film. 部門正式出品(2016.11)
  • トロントリール アジア国際映画祭 ドキュメンタリー部門正式出品(2016.11)