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日本料理のお品書き難読漢字クイズ 第3回は強肴&止肴編です!



日本料理のお品書き難読漢字クイズ

第3回:強肴&止肴編

会席料理のお品書きに出てきそうな料理の難読漢字クイズを、連載企画で出題しています。第1回の先付&椀物編、第2回の向付&鉢肴編に続いては、強肴&止肴編となります。この回は、煮物、酢の物や和え物が中心となりますので、食材名ばかりでなく調理法なども出題しています。第1回・第2回よりも少しばかり難易度が上がっているかもしれませんが、是非チャレンジしてみてください。

5品目:強肴

「しいざかな」です。強いてもう一品勧める肴という意味があり、2品目の主菜として供される炊き合わせ(焚き合わせ、とも)や煮物などのこと。2種類以上の煮物を同じ器に出すことを炊き合わせと言います。

① お番菜盛り合わせ
京料理ほど手の込んでないものを言いますね。

② 鱈場蟹と冬野菜の小鍋仕立て
名前にカニと付いていますがヤドカリの仲間です。

③ 障泥烏賊の吉野煮
馬具に似ていることからこの名称になったとか。

④ の土佐煮、雲丹玉締め
最初の漢字は植物の若芽のこと。2番目の漢字は寿司ネタとして人気の動物。

⑤ 飯蛸の桜煮、の信田巻き
最初の漢字は、まるごとおでん種にもなるもの。2つ目の漢字は山菜です。

⑥ 山女魚煮浸し
最初の漢字は渓流に生息する淡水魚。2番目の漢字は調理法です。

⑦ 白芋茎の穴子巻き
食用にされるサトイモやハスイモなどの、葉を支える柄の部分のことです。

⑧ 肉の岩石豆腐
小さな卵が市場に出回っている鳥類です。

⑨ 鮭の摘入と茸の西京煮
おでんや鍋料理の食材に使われるもので、「つくね」との違いが分かりますか? 

⑩ と揚げ茄子の煮物、松笠慈姑
最初の漢字は別名「春告魚」です。2番目の漢字は、ある農機具に似ているからこの名になったという説があります。

【解答】

① お番菜盛り合わせ
おばんざいもりあわせ
……おばんざい(お晩菜、お万菜とも)とは、昔より京都の一般家庭で作られてきた惣菜の意味で使われる言葉です。

② 鱈場蟹と冬野菜の小鍋仕立て
たらばがにとふゆやさいのこなべじたて
……タラバガニは「多羅波蟹」とも表記。足を広げると1メートルを超える大型の甲殻類です。生息域がタラの漁場と重なることが多いのでこの名前に。

③ 障泥烏賊の吉野煮
あおりいかのよしのに
……障泥(あおり)とは馬腹の両脇をおおう馬具で、アオリイカの大きなひれをその馬具に見立てたことからという説があります。国内で獲れるアオリイカは料理屋、料亭などに出荷される高級品で、一般に売られているものは昨今では東南アジア方面からの輸入品が多いそうです。

④ の土佐煮、雲丹玉締め
たけのこのとさに、うにたまじめ
……日本で最も代表的なタケノコがモウソウチク(孟宗竹)です。「雲丹」の表記は正確にはウニの加工食品を表わすもので、生物名の漢字は「海胆」「海栗」となります。

⑤ 飯蛸の桜煮、の信田巻き
いいだこのさくらに、ぜんまいのしのだまき
……イイダコは比較的に小型のタコで、子持ちのものを煮たときに、中に詰まっている卵が飯粒に似ているからとされています。ゼンマイは、新芽がゼンマイバネのように渦巻き状になることからこの名がついたという説もあります。佃煮、お浸し、胡麻和え、煮物などで頂く山菜です。

⑥ 山女魚煮浸し
やまめにびたし
……ヤマメは「山女」「山目」とも表記。サクラマスが海に下りずに一生を河川で過ごす河川残留型と呼ばれるものです。煮浸しは野菜や魚を薄い出汁で煮て、そのまま冷まして味を含める料理。

⑦ 白芋茎の穴子巻
●しろずいきのあなごまき
……葉を支える柄の部分ということで、ズイキは「芋苗」とも表記されます。白ズイキは里芋の一種のヤツガシラなどを、日光を当てないように栽培して育てたものです。

⑧ 肉の岩石豆腐
うずらにくのがんせきどうふ
……岩石豆腐は豆腐を崩して作ったたまご炒り豆腐のことも言いますが、この場合の岩石豆腐は、豆腐にウズラの肉を入れてすって丸めてゆでたものです。

⑨ 鮭の摘入と茸の西京煮
●さけのつみれときのこのさいきょうに
……つみれは「抓入」とも。魚のすり身で作ったのが「つみれ」で、鶏肉とか豚肉でつくったものが「つくね」と思われがちですが、食材の違いではなく調理法の違い。「つみれ」は、すり身やひき肉を丸めるのではなく、手やスプーンで一口大の大きさに「摘み取って」煮汁や鍋に「入れる」、「つみいれる」が語源とされています。

⑩ と揚げ茄子の煮物、松笠慈姑
にしんとあげなすのにもの、まつかさくわい
……ニシンは春に北海道沿岸に産卵のために現れる冷水域を好む回遊魚。松笠クワイとは、クワイを松笠(松ぼっくり)に見立てた切り方。クワイは塊茎を食用とする水生植物で、農機具の鍬(くわ)に形が似ているから転じてこの名になったとも。日本では茎の先に芽が出る(めでたい)縁起物として正月料理に使う習慣があります。

6品目:止肴

原則として酢肴(酢の物)、または和え物のことです。この止肴の前に天ぷらなどの油物(揚げ物)が出される場合もありますが、鉢肴、強肴ときて「止め」の肴ということで、次の品目の食事の前に出される、口直しの意味もある小鉢です。

① 蝦蛄の三杯酢
茹でて殻を取り、寿司ダネにするのが一般的な食べ方です。

② 虎魚の葛たたき、三杯酢ジュレ掛け
グロテスクな顔立ちからこんな漢字があてられたのでしょう。

③ の紅白膾、柚子釜盛り
魚編に「枼」。葉っぱのように平たい魚といえば……

④ 楚蟹の金紙巻き
漢字の通り「蟹」の種類で、有名なブランド蟹はこちらの仲間。

⑤ 海鼠と一寸豆の白酢和え、炙り海鼠子 
実は最初の漢字は「向付」の説明でも登場しています。コリコリとした食感の海洋生物。2番目の漢字は、その「子」ですね。

⑥ 蒸し蛸、独活、秋葵
食用される実を刻んだ時に、粘り気が出るのが特徴の植物です。

⑦ 赤貝との芥子酢味噌掛け
クサソテツという山菜の若芽のことを指します。

⑧ 蛸の梅肉薯蕷掛け
こちらはすり下ろされた、粘り気のある、肌に触れるとかゆくなるものです。

⑨ 鯛の松皮造り霙和え酢橘
最初の漢字は料理法ですが「雨かんむり」で想像してみてください。2番目の漢字は果物です。

⑩ 焼き鮎の酢浸し、若芽、海髪
最初の漢字は植物。2番目の漢字は海藻です。

【解答】

① 蝦蛄の三杯酢
しゃこのさんばいず
……シャコは海老のような形をしていますが節足動物の一種で、「青龍蝦」という表記もあります。茹でると殻がシャクナゲの花の色に似ていることからこの名がついたとか。

② 虎魚の葛たたき、三杯酢ジュレ掛け
おこぜのくずたたき、さんばいずじゅれがけ
……オコゼは「鰧」とも表記し、一般的にはオニオコゼのことを指します。刺身や唐揚げ、吸い物に使われる高級魚です。

③ の紅白膾、柚子釜盛り
かれいのこうはくなます、ゆずがまもり
……「平たい魚」といってもヒラメ「鮃」ではありません。目の位置が違う判別法「左ヒラメの右カレイ」ということで、日本料理では多くの場合、魚の頭を左にして盛り付けるのに対して、頭を右にする珍しい魚でもあります。

④ 楚蟹の金紙巻き
ずわいがにのきんしまき
……ブランド蟹とされる松葉ガニや越前ガニはこのズワイ蟹の仲間で、いずれもズワイガニのオスです。金紙巻きは、卵を薄く焼いて紙状にしたもので食材を巻いた料理のことです。

⑤ 海鼠と一寸豆の白酢和え、炙り海鼠子
なまこといっすんまめのしらずあえ、あぶりこのこ
……コノコ(海鼠子)はナマコの卵巣を干した食品で「口子(くちこ)」とも呼ばれます。一寸豆はそら豆の晩生種で、一寸(約3㎝)ある大きいサイズにはこの名があります。

⑥ 蒸し蛸、独活、秋葵
●むしだこ、うど、おくら
……オクラは岡蓮根という別名もあります。原産地はアフリカ北東部で、実は熱帯から温帯にかけて多種多様な料理で食されている食材です。独活(うど)は椀物のところにでも出題しましたね。

⑦ 赤貝との芥子酢味噌掛け
●あかがいとこごみのからしすみそがけ
……コゴミを「屈」と書くのは若芽の先が丸まった形が、人が屈んでいるように見えることからとか。クサソテツはシダの一種で、漢字では草蘇鉄と書き、こごみもこの漢字を当てることがあります。天ぷら、和え物などで頂く山菜の若芽です。

⑧ 蛸の梅肉薯蕷掛け
●たこのばいにくとろろがけ
……とろろは長芋や山芋をすりおろしたもの。本来はマグロのぶつ切りにとろろをかけたものを山かけと言いましたが、山かけ蕎麦に代表されるように、とろろをかけた料理を山かけ○○と言うようにもなりました。

⑨ 鯛の松皮造り霙和え酢橘
●たいのまつかわづくりみぞれあえすだち
……「まつかわづくり」は皮つきのままの魚に湯をかけ、冷やしてから刺身にしたもの。霙和え(みぞれ和え)は、かぶや大根をすりおろして酢などと混ぜて和え衣として使う手法。スダチは徳島県原産の柑橘類。

⑩ 焼き鮎の酢浸し、若芽、海髪
●やきあゆのたですびたし、わかめ、おごのり
……「蓼食う虫も好き好き」のタデです。このことわざの通り、葉は少し辛みがあります。蓼酢(たです・たでず)とは植物の蓼をすりつぶして酢で伸ばしたもので、焼き若鮎には定番的な調味料。海髪(おごのり)はその漢字からイメージできる通り、磯の岩などに生えた海藻。刺身のつまなどにもよく使われます。

いかがでしたか? この和食の難読漢字シリーズはこれ以降
第4回:食事&水菓子編
第5回:番外 珍味&郷土料理編
と続く予定です。引き続きチャレンジしてみてください!
第1回:先付&椀物編
第2回:向付&鉢肴編
も公開されていますので、まだチャレンジしてない方も再チャレンジしてみたい方も、ご覧いただければと思います。