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日々是和食

さかな歳時記「二十四節気・寒露」 魅力全開 秋の味覚

二十四節気●寒露●10月8日

草花に冷たい露が結びはじめるこの頃、秋の長雨がようやく終わり、稲などの収穫が本格的に。栗や柘榴(ざくろ)といった果実や木の実、そしていま漁の最盛期にあるこの青魚も旬を迎えています。
昨今缶詰ブームがブレイクしている、この秋の味覚を選びなさい。


①アジ
②イワシ
③サバ
④サワラ

【解説】

一年中見かけるサバながら、日本近海にはマサバとゴマサバがあり、南日本に多い春から夏のゴマサバに対し、マサバは“秋さば、寒さば”の言葉があるように、秋から厳寒にかけておいしい時季を迎える。
「嫁に食わすな」といわれる秋サバは北海道沖から八戸沖、三陸沖、常磐沖、銚子沖へと南下する太平洋側が産地。一方、寒サバは東シナ海の最北端にあたる済州島沖漁場のもので九州産。同じマサバだが、漁獲時期だけでなく産地も異なる。サバ料理といえば、塩焼きや味噌煮、しめさばなど和食が定番。 ところが近頃、サバの食べ方が多彩になってきた。
サバの缶詰を使ったレシピ本の発売が相次ぎ、サバのメニューが豊富な専門店も人気を集めている。大衆魚として親しまれてきたサバの魅力がいま、再発見されている。



サバ缶は生サバを高圧調理したもの。そのため、1日に必要な栄養素を生から調理したものより効率よく摂取できる。数ある魚介系缶詰のなかでもサバ缶は特に栄養価が高く、DHAやEPAなら1/2缶で1日分の補給ができる。


良質な栄養分とうまみが溶け出た缶汁はだしがわりに。骨まで柔らかく調理されているので、カルシウムも効果的に摂取できる。

サバにはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれる。サバ缶は健康食品としてテレビの情報番組などでたびたび取り上げられ、一昨年から売り上げが急上昇。とくに水煮のサバ缶は料理の素材に適しているため、そぼろカレーや和え物にしたり、鍋やパスタの具にしたりと用途が広がっている。



左:水煮サバをそぼろにしたキーマ風カレー(提供:ニッスイ) 右:水煮サバとトマトのパスタ

「女子栄養大学栄養クリニックのさば水煮缶健康レシピ」など料理レシピ本の発売も相次ぎ、大衆魚としてすっかり和の食材化していたサバが、サバ缶ブームで幅を広げているのだ。

サバ料理専門店もにぎわっている。「鯖や」(大阪府)が大阪市に開いた「SABAR+(サバープラス)大阪京橋店」。
サバのひつまぶし、リゾット、ユッケ、アヒージョ、チリマヨネーズ、チーズグラタンなど、オリジナルメニューをそろえる。いずれも重さが550㌘以上ある天然の「とろさば」を使ったメニューで、女性客を中心にリピーターが多いという。



「かまど炊きご飯のサバのひつまぶし」 提供:鯖や


ゴルゴンゾーラチーズがアクセント「金のいぶき玄米とさばのリゾット」提供:鯖や

サバ缶や新作メニューと並びサバ人気を支えるのが、日本各地のブランドサバ。先駆けは大分市佐賀関の「関さば」。その後も佐賀県唐津市の「唐津Qサバ」、鳥取県岩美町の「お嬢サバ」など養殖のブランドサバが続々登場。天然、養殖あわせその数、約20にまで増えている。
各地のブランドサバを味わってもらおうと、サバ愛好者の団体「全日本さば連合会」はサバ産地と共同で2014年から「鯖サミット」を開催。昨年は約3万人の来場者を集め、今年は10月27・28日の両日、長崎県松浦市で開く。同市のブランドサバ「旬(とき)さば」や「長崎ハーブ鯖」などを楽しめる。


トルコ風サバサンドとはまた違った味わいの「サバーガー」など日本型サバサンドも登場している。

魚の脂は人間の体に必要な不飽和脂肪酸が多く含まれていて、脂がのっているものほど体にいいといわれる。サバは魚のなかでもEPAの含有量が最高レベル。このEPA、成人病を予防するためのさまざまな働きをもつ重要な成分であることに加え、実はダイエットに効果があるといわれている。EPAが「GLP-1」という消化管ホルモンの分泌を促すからだ。GLP-1は食後の血糖値をコントロールし、食欲を抑える作用があるといわれるホルモン。
うまみ成分が強く、肉に近い食感も備えているため、料理の範囲が広く味が安定しているサバ。とかく体のラインが気になる食欲の秋にダイエットの強い味方、サバを取り入れて脱メタボの食生活に。


 

日本さかな検定協会 代表理事 尾山 雅一

【解答】③サバ    
 

日本さかな検定(愛称:ととけん)とは

近年低迷が続く日本の魚食の魅力再発見と、地域に根ざす豊かな魚食文化の継承を目的として2010年から検定開催を通し、思わず誰かに伝えたくなる魚介情報を発信する取り組みです。
この四半世紀に街の魚屋さんが7割近くも姿を消し、またいまや地方にも及ぶ核家族化により、魚の種類・産地・季節・調理の情報や、祖父母に教えられた季節の節目に登場する魚の由来や郷土の味が伝わらなくなっています。
魚ほどそれをとりまく情報や薀蓄が価値を生む食材は他にないのに、語るべき、伝えるべき魅力が消費者に届かなくなっているところに、「魚離れ」や特定魚種への好みの偏りの一因があると捉え、愉しくおいしい情報を発信する手段として日本さかな検定が誕生しました。
2010年の第1回を東京・大阪で開催、2015年の第6回では八戸から福岡の12会場、昨年の第7回では函館から福岡にいたる11会場へと広がり、小学生から80歳代まで累計2万名を超える受検者を47都道府県から輩出しています。
平成29年は、6月25日(日)に札幌(初)・石巻・東京・静岡・名古屋・大阪・兵庫香美(かみ・初)・宇和島・福岡の全国9会場で、6歳から88歳まで2800余名を集めて開催しました。
また今年行われる第9回の日本さかな検定は「2018年6月24日(日) 札幌 酒田(初)石巻 東京 静岡 名古屋 大阪 兵庫香美 下関(初)――5月21日申込み締切り(5名以上のグループ受検は5月14日締切り」となっております。
詳しくは、「ととけん」で検索、日本さかな検定協会の公式サイトをご覧ください。

日本さかな検定協会 http://www.totoken.com/