山梨県と栃木県 海無し県ならではの絶品海の幸
古くは縄文時代の遺跡から貝殻が出土し、神話の時代には献上品として用いられ、万葉集にもその名が度々登場する鮑。贈り物にかける「のし」が、元々は鮑を薄く伸ばしたものであったり、室町時代の武士がアワビなどを肴に士気を鼓舞した「三献の儀」が、神前式で行われる「三三九度」の原点となっているなど、縁起のいい食べ物として古くから日本の食文化と関わってきました。
北海道南部から九州まで海に面した様々な県で穫れる鮑ですが、「鮑の煮貝」が海無し県、山梨の名産品だということはご存知でしたか? かつて駿河の海で獲れた鮑を加工して馬に乗せて運んでいたとき、馬の背中で揺られている間に適度に味が染み込み、甲府へ着く頃には最高の味に。甲府で売られているものが特別美味しいと評判になり、折り紙付きの贈呈品になったそう。
そんな海無し県・山梨県の鮑の煮貝とコラボレーションしたのが、同じく海無し県である栃木県の「片山酒造」。日光連山から流れる大谷川の伏流水で仕込んだ日本酒造りを続け、平成28年新酒鑑評会では「大吟醸 素顔」が金賞を受賞した、明治13年の創業の老舗酒蔵です。
片山酒造の豊富な日本酒ラインナップから、鮑との味の相性を考えて選んだのが純米吟醸酒。やや辛口で、すっきりとした飲み口と穏やかな香りが特徴の「純米吟醸 日光路」をたっぷりと使い「純米吟醸日光路使用 鮑の日本酒浸し」を作り上げました。鮑を薄切りにして煮汁を絡めて口に運べば、鮑と日本酒の2つのうま味が渾然一体に。歯を立てればぷつっと弾けるように噛み切れる、絶妙な柔らかさに煮上げられています。
パッケージ殻とセットになっていて見栄えがよく、贈答品にも最適。同じ蔵生まれだからこそ、格別に相性が良い片山酒造の日本酒と合わせて送るもよし、自分で味わうもよし。海と山。2つの恵みを一度に味わえる至福の煮貝です。
純米吟醸日光路使用 鮑の日本酒浸し¥2,100(税込)
●片山酒造
0288-21-0039 http://www.kashiwazakari.com