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光文社厳選!和食情報ナビ

食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第100回

100回。果たしていま、FoodniaJapanなのか。

僕が第1回に書きつらねた文章の一部を掲載させていただきます。

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わたしたち日本には誇れる土地と風景があります。

その土地を巡り、そこで出合う人、

食材や食べものを紹介していく連載を始めることになりました。

 

私の仕事は、「食業プロデューサー」です。

 

食生活に関わること、それは、農産物や料理だけではなく、

そこにまつわる、例えば食器や家具、プロモーションから製造工程まで幅広く

見つけ、育て、伝えていく仕事をしています。

 

こうした活動をすることになったのは、

私が、過去に報道カメラマンの仕事をしていたことがきっかけです。

 

まだまだ知らない土地や人、食材、食べ物の情報があります。

一方で、バレンタインやお歳暮のように、毎年たくさんの情報が世間に溢れかえります。

けれども、本当にみなさんが欲しい情報が必ずしも届いているでしょうか?

安心、安全、誰が作っていて、どんな商品になるのか。

そうした情報を扱い、ただ伝えるのではなく、共感として「伝わっていく」ことを私は大切にしています。

 

なにより食は、私たちの体や健康を作る源ですから、

切っても切れない関係です。

 

だからこそもっと知りたいし、専門的な知識はなくとも、

すこしでも知ることで、世の中の食のことがもっと身近になり、

少なくとも、自分の口に入るものが変わってくるはずです。

***

4年前に書かせていただいた気持ちに変わりはありません。

「4年」は、おおよそ1400日ほど経っていて、35000時間ほど時間を費やしました。2016年、地方創生というキーワードが日本を駆け巡り、日本という風土の良さを体感し、その体感した経験を共有しようとする催しがたくさん行われました。そしてその催しから、例えば国産ワインづくり、地域食材の世界への発信と、特に、食に関する情報発信、地方創生が多くなったと感じました。また、都会〜地方という図式の中でUターン、Iターン、移住、ワーケーションといった、働き方の変化、ビジネスシーンの変化が増え、高齢化がすすむ現代社会においては、「人々の移動」こそが、新たな変化を作るものとして、より加速度的に時代が変化してきた。「だれでも、どこでも地方創生」ができるようになるくらい、簡素化したという事実が出来上がりつつあった。だが、2020年、オリンピックの年に、新型コロナウィルスが蔓延し、世の中の動きを止めたのである。つまり、この4年間が培ってきた「人々の移動」「密なるコミュニケーション」を隔てたわけだ。その落差をもろに受けたのが「食の接点」である。新型コロナウィルスは、人々が移動し、そこで食事をし、コミュニケーションを作る構造自体にNGを出したのだ。

そうした社会状況において、僕らは食における情報発信、つまり「伝え方」に戸惑いを覚えたからこそ、次の4年、いや10年、30年先の、食の姿に、新たな「着物」が必要だと感じている。このFoodniaJapanもしかり、和食スタイルというコンテンツもそうかもしれない。テキスト、音声、映像、この4年で圧倒的に変化した。長く続け、時代に逆らったとしても自分を見失わないようにするものと、常に変化を恐れず、時代に追いつこうとするものは相反ではあるが、その表裏一体の形こそ、人間が求めるべき、時代の変化だと感じている。

FoodniaJapanブログは100回目の本日をもって、いったん、この場での更新は終了する。私が経営する株式会社オアゾについても、10年が経ち、この状況下で「変化」を求めるために、新たに旅立つ準備を整えている。

長く続けるものと、絶えず変化していくもの。

生物であればこそ、この状況は見逃せない。だから人生は楽しいと感じる。

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ひさしぶりに、100回分を読み直してみたのだが、「どこを切っても、同じことは起きない」ということ、そして「自分でしか歩けない道を歩いている」という感覚を覚えた。「食の接点」を通じて、様々な人の接点を感じている。その接点こそが、ゴールであり、スタートでもある。

まずは100回、ありがとうございました。

株式会社oiseau 松田 龍太郎

松田龍太郎

松田龍太郎

2010年より株式会社oiseau(オアゾ)を設立。主に食にまつわる事業開発・店舗開発では、これまで50店舗以上を手掛け、一方企画・プロデュースの分野では、元テレビ局カメラマンとして、食に限らずメディア、PRコンテンツの発信、企画展開を得意としている。2020年4月より「奈良蔦屋書店」2階に「ブラッスリーアンド カフェ ウグイス」として新たなポップアップレストランを、そして同じく同月、青森県弘前市に開館予定「弘前れんが倉庫美術館」に付帯するカフェ「CAFE & RESTAURANT BRICK」を、それぞれ立ち上げ、運営・事業を作り上げている。
http://www.oiseau.co.jp