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食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第95回

本当は”山登り”したくなる夏。今日は都会、海苔弁で山登り

7月。ようやくコロナ禍も治りつつ、徐々に小規模イベント、飲食店営業が再開となっている矢先、200人を超える感染者が増えてきている状況だ。Go Toキャンペーンもさることながら、「東京で暮らす人たち」が、東京以外で活動し始めていることも影響、また逆に東京に来られた人が地方に戻ってコロナを発症ということも少なくない。依然withコロナは続く一方だ。

弊社も、引き続き東京での活動を続けている。正直、オフィスを構えることについても、「オフィスは必要なのか?」という自問はあったが、結果、オフィスを持つこと、また会社組織として5年、10年継続することの楽しさ、難しさを経験していなければ、乗り越えられなかったことも多く、そしてオフィスでの作業、仕事が、以前よりも質を持って、無駄な時間を作らず過ごすことが大切だと改めて感じ、「オフィスで過ごす時間をできるだけ効率よくしたい」と考えるようになった。その中で、コロナ禍の間、弊社スタッフと、オフィスでの楽しみが「お弁当」のテイクアウトだ。

弊社のオフィスは「築地」にある。すでに市場は豊洲に移転しているのだが、寿司屋やラーメン屋のほかに、「お弁当屋」もいまもなお数多く残っている。その中で、最近気になっているのが「海苔弁 山登り」だ。さて「海苔弁」は、大手チェーン弁当屋で気軽に安価で購入できるお弁当ではあるが、「海苔弁は安くて美味しい」という概念を打ち破る風変わりなお弁当屋がこのお店だ。価格は1,080円となかなかのお値段。それでも「GINZA SIX店」では連日行列ができ、多い日で1日600個も売れる人気店なのだ。

その人気の秘密は、海苔弁の主役の「海苔」にある。『刷毛じょうゆ 海苔弁山登り』では、潮の干満さが大きく、流入河川が多いことで海苔の飼育の最適な環境の有明海で収穫される海苔を使用。その中でもその年の一番摘みの海苔を使用している。いわゆる新芽だけで作られているため、やわらかくて口どけが良いことが最大の魅力だ。さらにこの新芽は、自然に青のりが付着した天然海苔の「青混ぜ」という海苔だ。「青混ぜ海苔」とは、黒海苔の中に青海苔が混じるもののことで、1年のうちにわずかな期間しか生産されず、海苔全体の1%しか取れないというとても貴重なもの。その上質な海苔を使い、溶けるような口どけの最高級の海苔弁、そんな海苔弁を食べて欲しい。

まず、弁当箱からはみ出るほど大きい「鮭」が入った海苔弁。大きな鮭、ちくわの磯辺揚げ、玉子焼きと海苔弁の定番おかずが満載の「海」。鮭は皮まで美味しく食べられるようにとしっかりと焼かれている。焦げ目のついた甘い玉子焼き、ほうれん草のおひたしと思いきやほうれん草のナムルなど、ちょっとしたうれしい変化球の副菜も海苔弁とよく合う。それでいて、この海苔弁、ご飯の量が少なくて嬉しい!たまに、ご飯が多くて、どっちを食べているのかわからなくなるのだが、ご飯と惣菜のバランスが絶妙。

そして、そのご飯は、なんと「二段重ね」になっており、「海苔—ご飯—海苔—ご飯」がこれまた絶妙。。そのとき感じたのは、爽やかでフレッシュな海苔の風味だ。そして意外だったのは、海苔特有の強い磯の味がしないこと。あくまでも爽やかで、スッと香るような風味になっている。「これが新芽の味か」と大いに納得。知っている海苔弁の味とは全く違う味わいに驚きました。そして何よりも海苔が箸でスッと切れる箸切れの良さがとても食べやすく、口の中で海苔が溶けるような滑らかな食感が味わい深く感じます。

そのほか、野菜中心のおかずがのった優しい味わいの海苔弁「畑」、生姜香る塩麹の鶏の照り焼きと山の幸の海苔弁「山」もなかなかの味わいだった。包装は、シンプルでデザインセンスも抜群。お持たせにしたい素敵なパッケージです。それぞれに、海、畑、山と弁当の内容が記載されています。お土産にもぴったりです。

有明海の恵み、一番摘みの新芽の海苔弁。箸切れがよく新鮮で柔らかな海苔は、新芽だけが持つ爽やかな香りが楽しめる。そもそも、弁当の開発のコンセプトは「冷たいけど温かい」、作り手の温もりが伝わるような「家庭料理の最上級」を目指したのだとか。有明海の最高級の海苔に、自家製の割醤油をはけで一枚一枚丁寧に塗って作られる手作りの海苔弁は、今まで食べてきた海苔弁とは一味違います。夕方には売り切れてしまうことも多いので、早めに出かけてみてください。

店名:刷毛じょうゆ 海苔弁山登り 築地直売所

住所: 東京都中央区築地2‐8‐8
TEL:03-6264-3584
営:11:30~17:00(※商品がなくなり次第終了)
定休日/日曜・祝日
http://www.bento-smiles.com

松田龍太郎

松田龍太郎

2010年より株式会社oiseau(オアゾ)を設立。主に食にまつわる事業開発・店舗開発では、これまで50店舗以上を手掛け、一方企画・プロデュースの分野では、元テレビ局カメラマンとして、食に限らずメディア、PRコンテンツの発信、企画展開を得意としている。2020年4月より「奈良蔦屋書店」2階に「ブラッスリーアンド カフェ ウグイス」として新たなポップアップレストランを、そして同じく同月、青森県弘前市に開館予定「弘前れんが倉庫美術館」に付帯するカフェ「CAFE & RESTAURANT BRICK」を、それぞれ立ち上げ、運営・事業を作り上げている。
http://www.oiseau.co.jp