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食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第90回

新型コロナウィルスが及ぼす、食の接点崩し。

4月もまもなく終わるが、こうした「2020年」を迎えるとは思わなかった、と思う人が多く存在していると思う。まさに新型コロナウィルス感染拡大について、世界各地で、多くの感染者と死亡者の数が増加、商業施設や飲食店を始め、まもなく始まるゴールデンウィークがおおきな境目になるのでは、と考えている。

正直、かなり厳しい状況である。目先の部分でいえば、人件費、家賃といった「固定費(一部変動費だが)」が重い。というより、食に付加価値をのせて提供するサービスや業務においては、その固定費は大変辛い。飲食店の悲鳴をきけばきくほど、どういう形でサポートするべきかを至難して対応するタイミングであることは間違いない。かなりの国、行政のサポートが5月から随時始まっていくが、どのくらいの事業者が頑張っていけるか。まさに人類が「飲食業」をはじめ、食をビジネスとみた場合の、スキーム、成り立ちが崩されつつある。

一方、少し長い目で見ると、ちまたで『オンライン飲食(参考記事:https://telewo-rk.com/restaurant/1/)』の反響が凄まじい。つまり飲食店での食の提供ではなく、テイクアウト、UberEATSなどのデリバリー、食のビジネスをサポートするアプリ、サービスの隆盛が一気に目立つ格好になっている。

いずれにせよ「これまでの『食の接点』が崩されている」状況は見過ごせない。つまり、食の接点こそ付加価値のネタであり、そこをどのように深めていくのかがポイントであった。すくなくとも僕が経営しているoiseauは、まさにその接点作りこそが、腕の見せ所と感じている。

特にその付加価値のポイントは、「『場』のメディア化」だ。それはオンラインでも同様に「場のメディア化」が付加価値をもたらす。例えば「オンライン飲み会」についても、離れた場所で乾杯するにしても、その場が情報発信のネタであり、人が、物理的に集まらずとも、場が盛り上がり、付加価値を提供できる。またオフラインにおいても、最前線で戦う医療従事者に、シェフがお弁当を無償で提供する「Smile Food Project」のように、食が『生きる』ということを演出する企画を作り上げている。こうした意義深いことに、メディアも反応し、多くの病院に少しずつお弁当を提供することを進めているのだ。だれもがすごいことを、し出すのではなく、ふと「原点に立ち返る」ことを、僕らはこのコロナウィルスと付き合っていく(=with COVID-19)ことで見えてきているのは確かだ。情報発信されたコトは、かならずどれと限らず、特別で価値を持ち始める。むしろ、むりに付加価値をつけたものが、いま崩壊のタイミングを生み出しているのではないか。

あえて、この状況から脱するタイミングを見つけるのではなく、「どのように付き合っていく」かだ。この状況下で、原稿の中身を検討していたが、この話題に触れざるを得ない。だからこそ、5月の原稿は楽しみにしてて欲しい。どんな食の接点をプロデュースするか、僕もネタを検討する。

松田龍太郎

松田龍太郎

2010年より株式会社oiseau(オアゾ)を設立。主に食にまつわる事業開発・店舗開発では、これまで50店舗以上を手掛け、一方企画・プロデュースの分野では、元テレビ局カメラマンとして、食に限らずメディア、PRコンテンツの発信、企画展開を得意としている。2020年4月より「奈良蔦屋書店」2階に「ブラッスリーアンド カフェ ウグイス」として新たなポップアップレストランを、そして同じく同月、青森県弘前市に開館予定「弘前れんが倉庫美術館」に付帯するカフェ「CAFE & RESTAURANT BRICK」を、それぞれ立ち上げ、運営・事業を作り上げている。
http://www.oiseau.co.jp