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光文社厳選!和食情報ナビ

食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第71回

「はっ」とするおいしさを、「はっ」とする物語とともに。

梅雨という季節を、久しぶりに感じておりますが、昨今の天気は度合いが大きく、一気に雨が降ったり、ずーっと暑いまま晴天だったりと不安定な状況が続きます。

先日、少しだけ「焼きおにぎり」の商品開発のお話をさせていただきましたが、そのお店が、7月9日(火)に東京都台東区谷中「谷中銀座」に無事にオープンしました。その名も、おいしい発酵と出会う店「HAKKODO(はっこうどう)」です。

発酵の「はっ」の字を「もこもこ」「もりもり」のタイポグラフィで形づくり、酵母や細菌たちが醸す様に見立て、マークとなったロゴマークが特徴的です。

日本中から取り寄せた、こだわり抜いて作られた本物の発酵素材、例えば醤油、味噌、塩こうじ、醤油こうじ、鰹節などを使ってお店で焼き上げた焼きむすびと、フルーツビネガーや甘酒、和紅茶などのドリンクを販売しています。

焼きおにぎりの商品名は4つ、「ねこまんま」「バタまんま」「チーまんま」「しおまんま」です。そのうち、「猫の街」と言われるくらい、その界隈で多く暮らしている(?)猫が多い谷中銀座からもじったもので、猫の大好きな「かつおぶし」がどさっとかかり、「醤油」と「みりん」でこんがり焼きあがった「ねこまんま」が、1番の人気です。その他も、すべての商品に発酵素材が使われていて、どの素材も手間ひまかけてつくられたものばかりです。

このお店を弊社が手伝うことになったこととして、多くの友人と仲間たちによって生み出すことができました。

発酵食品は長い時間をかけて、環境と時間を味方にする途方もなく「面倒くさいプロセス」を乗り越えて産まれます。究極の「思考と面倒くささ」です。でもそうすることによって本物のおいしさと、人間の体にいい影響を与えることができる発酵食品ができるのです。そうした「面倒くささ」が日本の料理のど真ん中にあり、多くの日本食の発展に寄与してきました。

また最近では、西洋料理界に新たな旋風を巻き起こしているのも「発酵」です。従来の調理は加熱が中心でしたが、加熱をしなくても食材自体の風味を変えられるのが発酵の画期的なところであり、たとえば「World Best Restaurant 50’s」において、2018年最も注目を浴びた、東京・飯田橋の「INUA(イヌア)」にもいきましたが、出された食事の中で、調理のポイントが「発酵を扱った料理」が多く、非常に勉強になりました。それだけ注目を浴びているのです。

ただ、料理方法や仕込みの仕方、伝統、価値観を懇切丁寧に教え込む「頭でっかちな」発酵屋ではないし、そこを多く伝えようとは思っていません。また友人らが展開している発酵に関するお店には、まだまだ太刀打ちできるお店のスペックではないと思います。今回提案している「焼きむすび」についても、「え、焼きおにぎりを地味に焼くのか」「それって儲からないんじゃないの?」とか、通常であれば考え付きますが、僕らが考える「作り上げる飲食店」は、儲けもさることながら、お勉強の飲食店でもないということは、自明であり、それ以上に、そうした大事な部分を、もっと「手軽に」お渡しできる「情報」にならないかと思っています。

また中国で、2015年→2017年の2年間で、2万軒の日本食レストランが、4万軒、つまり倍増しました。別途僕がJETROと計画している「味噌」に関わるプロジェクトでも、非常に「日本の食材」の、海外での広がりは大きな市場であり、またどのタイミングで変わりつつあるのかも、刻々と変化していきます。

前置きがだいぶ長くなりましたが、この発酵の「初心者飲食物販店」が、どんな「玄人」になっていくのかがポイントだと思っています。みんなで作り上げるお店だからこそ、飲食の専門家だけではなく、「食に興味がある人間」が関わるのが1番のベストだと、僕は思っています。専門家である必要ありません。そこを事業として回す、教え込むのが僕らの仕事です。

ぜひ一度お店に来てくださいませ! 月曜日が定休日です!

●店舗概要

〒110-0001 東京都台東区谷中3-12-1
Open :11時頃〜18時頃(具材がなくなり次第終了)
Close:月曜(祝日の場合翌日)
京成・JR「日暮里駅」徒歩6分
千代田線「千駄木駅」徒歩6分

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp