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食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第61回

「食べるモノ」と「食べるコト」のつながり。

第48回のFoodnia Japan blogで、2018年度青森県との取り組みとして、あおもり健康志向スイーツプロジェクトが発足したことをお伝えしましたが、ようやく形が見えてきましたので、ご報告です!

これまでのあおもり健康志向スイーツプロジェクトは、「からだにやさしい、ごほうびスイーツ(以下ごほうびスイーツ)」というネーミングに生まれ変わりました。

私たちは、本プロジェクトに参加した事業者とともに、「お菓子は幸せなひと時を与えてくれるもの」「笑顔にしてくれるもの」だということを共有してまいりました。そのため、甘いものが好きだが「病気を抱え、甘いものを諦めなければならない人」、「ダイエットが気になって、甘いものを我慢している人」をプロジェクトからできるだけ排除せず、その人たちのニーズにもどのように応えていくかを課題として取り組みました。

お菓子が与える幸せを、多くの人に届けたい。そのため、ごほうびスイーツは、「健康を意識したお菓子」に特化し、原材料や作り方を変えたり、素材の良さを活かす工夫を凝らし、お菓子を我慢していた人にも、お菓子が大好きな人同様に満足していただけるようなお菓子を提供することをポイントにしました。それが、僕らの考える「最大限の、体に与えるごほうびスイーツ」なのです。製造工場のメンバーやパティシエたちのノウハウやスキルを元に、それぞれの社風や特徴を活かしたスイーツを提供することにしました。

スイーツを作るキーワードは4つ。「いつでも」「だれでも」「おいしく笑顔」「あおもりらしく」です。

「いつでも」は、毎日食べてもOK、さまざまな生活シーンや用途で、時間帯を問わず楽しんでいただけること。例えば、間食や深夜に、罪悪感なく甘いひとときを楽しめるよう、カロリーや糖質を従来の商品から見直してみる。いかに手軽に食べていただくかがポイント。次に、「だれでも」は、食事制限がある方、ダイエットや美容が気になる方、アレルギー体質の方などに対して「安全・安心」を意識したもの。従来よりも糖質やカロリーを控えた商品づくりや、素材を意識した商品づくりに取り組み、食物アレルギー特定原材料を含まない商品づくりにスポットを当てます。そして「おいしく笑顔」は、年代にこだわらず、自分の舌に馴染んできた味をずっと楽しんでいただけるような工夫や、お菓子が大好きな人たちが満足する商品づくりに取り組み、食べた方に笑顔を作る想いを持つこと。小さい頃に食べたお菓子が、いまもなお現代に残り、人々に懐かしさを醸し出し、「また食べたい」と思う気持ちを、作り手に持ってもらいたい。最後に「あおもりらしく」は、青森県にある食材や伝統的な食文化を特長として活かし、自分たちの商品に自信を持って誇らしく「青森らしさ」を表現してほしいというメッセージを込めて、今の商品に取り組んでほしいし、食べた人にも是非、他の都道府県にはない「青森らしさを食べて」感じてほしいと願うものです。

実はこの4つのキーワードに込められた想いの中心は「食べるモノ」と「食べるコト」をどう繋げていくかを「言葉化」した、ということです。みなさん、次の写真は、なんの写真でしょうか?

通常であれば「いちご」の写真です。けれど、商品を買う人は「いちご」以上に「どんなブランドか」という商品が発する「情報」を見ています。「あまおう」なのか「とちおとめ」なのか。「いちご」と表現するより、「ブランド名」がはっきりしたものを、お客様は選びます。今回のごほうびスイーツも、「低カロリーシュークリーム」よりは「ごほうび 糖質ゼロシュークリーム」の方が、「ごほうびスイーツ」を冠とした商品としてより明確となり、お客様も「これがごほうびスイーツのラインナップなんだな」ということがわかります。ものすごく単純なことなのですが、この「小さなヒント」を見逃す事業者が少なくありません。お客さまが見ているのは「低カロリー」ではなく「糖質ゼロ」という言葉です。

今回、このプロジェクトに賛同して、事業に参加するのは10社の事業者さんたちです。自営業のお菓子屋さんから、海外に展開するお菓子業者まで、非常に示唆に富んだ提案が多く、僕らも勉強になりました。そしてその事業さんに伝えたことは「情報の伝わり方のデザイン」です。事業者さんにはノウハウとスキルはある。けれど、消費者に伝える情報のデザインの仕方に、ヒントを与えてあげることで、これまでよりも商品が販売しやすくなるはずです。

「ぜひ食べてみてください!」ではなく「お、ほしい!!」という気持ちにさせなければならない。「おいしさ」「品質」「うまみ」ではなく、その商品と合わせて食べるもの、その商品を使うレシピ、その商品に合わせる調味料を思いうかべるようにする。ここに商いの基本があると思います。もっというと「食べるシーン」を思い浮かべられるか。ここが「食べるコト」の基本です。

さて、ごほうびスイーツは、2月24日に、青森県知事とともに発表会を青森で実施します。発表してからもさらに事業者同士で切磋琢磨し、より「ごほうび」に近づけるように、皆様の食卓に届くように、引き続きプロデュースしていきたいと思います!

 

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp