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食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第52回

6つの粉の違い。パイの奥深さ。

今日は僕が共同代表をしております、「日本パイ倶楽部」の話をします。

2015年5月に立ち上がった一般社団法人日本パイ倶楽部。組織も4年目を迎え、百貨店催事やイベントの他に、もっとファンの皆さんに、パイのことを深く知ってもらおうと、法人様、個人様向けに特別イベントを開くようになりました。そのイベントは「パイミーティング」と言います。2018年4月に大阪で、この9月に東京で開催されました。

そのミーティングでは、理事を含めて、様々なプレゼンテーション、試食会をさせていただいておりますが、今回東京で行われたミーティングで、法人会員としてサポートいただいている日本製粉さんのプレゼンテーションが興味深かったので、ぜひご紹介させてください。

さてパイを作るには、当たり前に「小麦粉」が必要です。そこに水とバター、塩を用いて練りこみ、それを焼き上げて、いろんなパイが仕上がります。その小麦粉ですが、日本製粉さんが作っている商品の一つです。

もともと原材料の小麦は、90%弱が海外からの輸入。それらは「パン」や「麺」に使う硬質小麦と、「お菓子」や「天ぷら」に使う軟質小麦に二分されます。また、硬質小麦はタンパク質が多いので「強力粉」、タンパク質が少ない軟質小麦は「薄力粉」というように、小麦粉に含まれるタンパク質の量の違いが、強力・中力・薄力粉の違いを生み出し、用途の違いを生み出すことが特徴的です。

そこで今回、日本製粉さんが、小麦粉の違いを参加者にわかってもらうために、特別に、6つのパイ生地を食べ比べてもらう試食会を開催されました。さっそく①〜⑥まで順番にいただきます。

まず、①は「イーグル」と「ハート」をそれぞれ50:50の比率で、イーグルは「強力粉」、ハートは「薄力粉」を混ぜ合わせたもの。かなりベーシックです。

②は「クラシック」というもので、これは日本・北海道産100%の小麦。味わいも非常に日本受けするもので、参加者にも人気でした!

③は「メルベイユ」。クラシックとは逆に、フランス産100%。北海道産とは違い、香りがたち、フランスのお菓子屋さんから料理屋まで「なんでも使える万能パイ生地」と言われる素材です。これは美味しい!

④は、一番パイの膨らみが薄いのですが、薄力粉100%、「ハート」です。

⑤は、その逆、ふっくらと膨らんでいるのが強力粉100%「イーグル」です。

この④⑤は、まさに太陽と月。正反対の生地です。特にイーグルは「水に負けない」パイ生地であるので、料理に強いパイ生地だそうです。実は僕は⑤のイーグルが一番好きでした!まさにサクサクフワフワが特徴です。

最後に⑥は、そのイーグルに「マルコポーロ」と呼ばれるパスタなどに使う小麦が入っており、他の5つとは、食感が違い、少しモチモチ感がありました。

こうして食べると「小麦粉の違い」でパイの味わいが全く異なる。そして、その小麦の調合の仕方で各社さんがしのぎを削って、お客様に提供しているという話を聞くにつれて、僕たちが「見過ごしてしまいそうな部分」で、実は「美味しさにたどり着くコツ」を届けてくれるのだなと、感じます。

もちろんパイには役割があります。「器」として、「料理の一部」として、「温度や香りを閉じ込める」ものとして、私たちの食環境に大きく関わってきています。そして一つのテーマを彫り始めると、その一つ一つの素材から情報が入り、一つの商材が生まれていきます。この旨さにたどり着くコツを知り始めていくと、私たちの食の接点が増えて、環境が広がっていくのです。

新しいパイの可能性は、新しい風景を見せてくれます。

やっぱり、パイは面白い、いや美味しい、楽しいんだ。

6つの小麦の違いでパイの奥深さを知る。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp