スズキヤの中村洋子会長。2021年10月に社長から会長に就任されました。

菅原：まずは、今年の「お弁当・お惣菜大賞2022」で、弁当部門優秀賞「湘南の浜だより〜２色のかますフライ弁当〜」（680円）とスイーツ部門優秀賞「アボカドとコーヒーのスイーツ」（198円）での受賞、おめでとうございます。

中村会長：あらー、撮影するの⁉ いやん、今日は写真用の顔じゃないのよ、うふふ♪

菅原：いえいえ何をおっしゃいますか！この広い会場内ですが、中村会長だけピカーっとスポットライト浴びているように輝いていらっしゃいますよ！今日は弁当お惣菜大賞の常連で多くの入賞・受賞の実績を誇る「スズキヤ」さんの商品開発の秘密を教えてもらいにきました。まずは、お弁当部門優秀賞のこちらから。

「湘南の浜だより〜２色のかますフライ弁当〜」（734円）

お弁当部門優秀賞「湘南の浜だより〜２色のかますフライ弁当〜」は、地元鎌倉産のかますフライをメインに、ご飯もかますご飯と、地元の味のお弁当。鎌倉煮と呼ばれる豚の角煮に、卵焼きや揚げだし豆腐、珈琲煮豆など、多彩なおかずが美しく詰められています。M子さん、試食の感想は？

M子：なんといってもかますご飯が美味しかった！干物でもなかなか、かますってなかなか脚光浴びづらかったと思いますが、きれいにほぐしてあって一気にかます愛が目覚めました♪大葉と白ごまが散らしてあって、爽やかですね。

中村会長：そうでしょう？　白いご飯じゃなくて、かますご飯というのがいいでしょう？　原材料のラベルがとても大きくて、売り場では見せたいご飯が隠れちゃうんだけど(笑)。

M子：そして、かますのフライが２色なのがいいですね。スタンダードと青のりの衣で、とくに青のりが香りよくて美味しかった！しかも、かますは地元腰越産！マヨもいい仕事してます。

中村会長：そもそも、この「腰越産かますフライ」はうちの惣菜のメニューなんだけど、それより前に「腰越産いわしフライ」が当たったのね。それを考えたのが、あの大ヒット商品「茶々のり弁」を開発したスタッフ（西鎌倉店のチーフ・中戸川さん）なの。それがこの「湘南の浜だより〜２色のかますフライ弁当〜」につながっているわけ。

菅原：お弁当の数だけ物語がありますねぇ。これは事前に食べたとき、本当に「スズキヤさんらしい地元愛あふれるお弁当だなぁ」って思いました。そしてもうひとつ、レジェンド級のお弁当がこちら！

鮭と彩り野菜の茶々のり弁（537円）

前途の会長の言葉にあった「あの大ヒット商品、茶々のり弁」とは2020年最優秀賞受賞のお弁当「鮭と彩り野菜の茶々のり弁」のこと。鮭など13種のおかずをのせた品のよいお弁当でそれだけで美味しいのですが、半分食べたところで、お吸い物とお湯をかけてお茶漬けにするという、味変アイディアが多くのファンの心を捉えています。現在はあまりの人気で、お一人様５個までの制限があるそうですが、お昼に売り切れてしまうほど。

中村会長：夕方仕事帰りにいらっしゃるお客様に申し訳ないので、なんとか夕方にもう一回「茶々のり弁」を提供できないかと、今、スタッフと相談中なのよ。

菅原：伝説の「茶々のり弁」は２度楽しめるという点でインパクト強いのですが、じつは、「〜湘南の浜だより〜２色のかますフライ弁当〜」は、さらに地元の恵に着目した、逗子・葉山ならではのスーパーらしい味わい。他では食べられない地元の魅力を堪能できるというわけですね。

M子：今度逗子に行ったら絶対に買って湘南新宿ライン乗りますので、会長ぜひ夕方にもう一回転お願いします！そして味変でお吸い物を使って出汁茶漬けになるなんて、エンタメ感あふれるすばらしい発想ですね！

アボカドとコーヒーのスイーツ（213円）

さらに今年の優秀賞受賞は、スイーツ部門でも。「アボカドとコーヒーのスイーツ」は、栄養価の高いアボカドに練乳を混ぜたアボカドクリームを、チョコレートソース、苦味の効いたベトナムコーヒー、ビスケットを一緒に混ぜて食べるメニュー。

M子：甘いだけのおやつじゃなくて、栄養価の高い、苦味も楽しむ、新感覚スイーツ。女子が大好きなアボカドをスイーツにしたなんて着眼点が斬新ですね！

中村会長：これは、新入社員の女の子が考えたのー！　この「アボカドとコーヒーのスイーツ」の作り方をセンターのスイーツ担当スタッフに伝えて、１日に150個つくってもらっているんだけど、アボカドは色が変わっちゃうので大変。時間がたつとグリーンじゃなくなっちゃうから。でもね、不思議な味よ、うふふ。

菅原：じつは、中村会長は社長時代から、各店を自由に自分の好きな時に巡っています。スタッフにやさしく話しかけ、仕事以外の話でもコミュニケーションをとるため、社長とスタッフの仲がよい。普段からのそんな話やすさが、新しいアイディアを提案しやすい環境なのかもしれません。

M子：地元産の原料を使うこともそうですが、地元に根ざした活動もされていらっしゃるんですよね！

中村会長：地元「湘南ビーチFM」のビーチクリーンに協力し、社員も参加して逗子の海岸や川の掃除に参加しています。うちはみんなでお揃いのTシャツを着てね。海は、その年その年で海藻や貝がよかったりダメだったりあるけど、今年は春先のワカメやめかぶがとってもよかったのよ！　

このあと、地元の海藻のしゃぶしゃぶの美味しさ、話し出したら止まらない、中村会長。こうやって、店の中でも外でも、美味しい素材の食べ方を教えてくれるので、みんな一度でファンになってしまうのでした。会長職となった今も、店内の見回りに出かけるそうなので、逗子海岸にお出かけの際は、スズキヤで美味しいお弁当やお惣菜はもちろん、会長の愛溢れるセレクトの食材などを物色されることをおすすめします！

逗子店２階の雑貨店「舶来屋」で商品を手にする中村会長

＜スズキヤとは＞

同社は、120年前に逗子でよろづやとして創業し、現在は地域に11店舗のスーパーのほか雑貨店を展開しています。
中村会長は創業家の生まれで、お兄さん二人はスターバックスにフライングタイガー、さらにシェイクシャックを日本に上陸させたほか、Afternoon Teaのサザビーリーグの創業者、また地元の名店・葉山日影茶屋やレストランのラ・マーレの経営者と、商才に恵まれた一族。そんな兄の仕事を手伝いイギリスに暮らした若き日の中村会長は、「自分で商売したい」と借金して、六本木にうなぎの蒲焼店をだすのですが、これが大当たり。１年で借金を完済します。
しかもその店にアルバイトにした教師志望の若者と恋に落ち、二人はバックパックで世界一周。その旦那様と結婚後は、スズキヤ社長を34年間務め、昨年10月より会長に就任されました。社長時代、スズキヤは逗子・葉山といった地元の「本物を知る人々」から信頼されるスーパーとして成長。とくに近年はお弁当お惣菜の質の高さで日本中に知られる存在になりました。

スーパーマーケット　スズキヤ 逗子駅前店

住所：神奈川県逗子市逗子1-4-1
電話：046-871-3315
営業時間：09：00～23：00
（2F舶来屋と酒は22：00まで）
※逗子店の案内をしていますが、ご紹介した弁当惣菜はスズキヤ全店で取り扱いあります
※感染症対策のため、営業時間は変更になることがあります
※すべて取材時の税込価格で表記
※予告なく内容が変更されたり、販売がないこともあります。ご了承ください