和食STYLE

菅原佳己のGOTO GoTo-chi ④【発酵文化を知って・食べて・免疫力アップを目指したい!Part1】

ライター M子
ライター M子

醤油、味噌など基本の調味料はもちろん、日本にはご当地の数だけ発酵食品があるっていうじゃない?! 今は空前の腸活ブーム、私たち日本人の腸の環境には日本伝来の発酵食品が最適といわれていますよね。 まだ全国的に知られていない発酵食品を発掘したい~♡

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スーパーマーケット 研究家 菅原佳己
スーパーマーケット 研究家 菅原佳己

自分が住んでいる地域の菌が最も体に合っているという話を聞いたことがあります。日本人には日本の菌。そして、もっと地域を狭めていって行き着くのは、「自分の家に住んでいる酵母」。 自分の家の味噌が美味しい秘密かもしれません。日本各地に伝わる発酵食は、そうやって各地域で守られてきた伝統の味。ご当地の保存食や健康食として今も大切にされています。その知恵をちょっと拝借してパワーチャージしちゃいましょう。

From 栃木 GOTO-CHI Supermarket
From 栃木
GOTO-CHI Supermarket

「ちょっと勇気がいる見た目」とか「閲覧注意!」などと県内外で騒がれるしもつかれ。初牛(2月の最初の牛の日)に稲荷神社にお供えする郷土食で、おろした大根・人参と煎り大豆、鮭の頭などの残り物を酒粕で煮込んだ家庭料理。方言の「しみつかる(冷たい料理)」が名前の由来で、唯一大関商店さんが伝統の作り方を守り毎日休みなく製造、県内のスーパーなどに卸しています。塩分もそんなに強くなくとても滋味深いのでぜひ栃木県にいったら出会ってみてくださいね。 残り物を利用する点やご近所で分け合うなどまさにサスティナブルな精神の伝統発酵食品。見た目と発酵食品独特の匂いで若者離れが懸念されるなか、しもつかれの未来を考えた「しもつかれブランド会議」なるムーブメントも!(次回に続く)

しもつかれ¥380(参考価格)大関商店

From 高知 GOTO-CHI Supermarket
From 高知
GOTO-CHI Supermarket

お茶文化の品でも、ほかに類を見ない発酵茶。収穫した茶葉を蒸し、榁に敷いたむしろの上に寝かせカビつけすること1週間。それを茶葉の蒸し汁と一緒に桶に入れ重しをして数週間の乳酸発酵。ここまではまるでお漬物のような工程。漬けあがった茶葉を3センチ角に切り分けたら碁石のように並べて天日干し。この風景から碁石茶と名づけられました。実は昭和50年代に生産者が激減し存続の危機に。 新たな意思を持った生産者に元生産者が長年使っていた伝来の乳酸菌やカビがついたむしろを伝承することで400年の歴史をいまだに引き継いているのだとか。プーアール茶のような香りで後味にさわやかな甘酸っぱさが感じられとても清涼感のある味。この酸味は乳酸発酵によるもので中国・雲南省周辺の“後発酵茶〟の製造法が伝わったそうです。この伝統があり希少なお茶をイノベーティブに現代に引き継ぐその秘策とは?!(次回に続く)

碁石茶(20g)¥1,296 大豊町碁石茶協同組合
http://514.or.jp/

From 山形 GOTO-CHI Supermarket
From 山形
GOTO-CHI Supermarket

通常の納豆の賞味期限は7日~10日といわれていますが、この雪割納豆はなんと3か月。納豆に糀と塩を加えて発酵させているので保存性が高いのです。この発酵製法の由来には山形の厳しい冬の寒さが必要不可欠。凍てつく寒さを乗り越えて春を迎えて美味しくなるそんなストーリーから山形のスーパーでは受験シーズンに「合格祈願」のシールが張られ、まさに「粘り勝ち!」のメッセージで応援をされています。 通常の納豆とは違いすでに味がついているのでそのまま少量をごはんに乗せて、またおにぎりにしても時間がたって味がなじんで美味なんです。また家庭ではこの雪割納豆を包丁で叩いてお味噌汁としても愛されています。伝統の家庭の味を気軽にできる納豆汁の素や同じく発酵食品のかんずりとのダブル発酵商品など伝統を今に引き継ぐバリエーションも楽しいんです♪ 納豆好きなら全制覇をしてみては!(次回に続く)

雪割納豆150g ¥302 ゆきんこ
http://yukinco.jp/

From 沖縄 GOTO-CHI Supermarket
From 沖縄
GOTO-CHI Supermarket

宮古島や石垣島などの沖縄諸島や奄美地方の各家庭で昔から作られていたお米から作る発酵飲料。とろりとした舌ざわり、やさしい甘さでなんだかホッとする味わいです。この伝統の発酵飲料を30年以上前に初めて缶入りにしたのが宮古島のマルマサファミリー商社さんです。米や玄米、砂糖、黒糖を水で煮て発酵させるその造りはお酒造りと似ています。そう、まさにミキの名前の由来は「お神酒」なのです。 元来の日本酒の姿に近いどろっとして白濁したミキは島んちゅたちのエナジードリンクとして今も愛され続けています。「ここ一番がんばらなきゃ」、ファイト一発!的な栄養ドリンクとして、また食が細くなったお年寄りや病中病後の人には栄養補助食として飲まれてきました。しかも、ほっこり安心する味わいに、お米の腹持ちのよさもあって、忙しい現代人にこそ飲んで欲しい伝統飲料です。

ミキ・黒糖玄米 ¥120 マルマサファミリー商社

スーパーマーケット 研究家 菅原佳己
菅原佳己
(すがわらよしみ)

スーパーマーケット研究家。一般社団法人「全国ご当地スーパー協会」代表理事。 大学卒業後、放送作家としてバブル時代を彩る伝説のバラエティ番組を数多く担当。結婚後ご主人の転勤先の地方スーパーに出会い、その土地の日常食はほかの地域では非日常の魅惑の味であることを発見。持ち前の探求心と好奇心で、お土産屋さんでは出会えない魅力あふれるご当地スーパーの逸品を日々研究。執筆やテレビ出演、講演活動など広いフィールドでご当地スーパーの魅力を伝えている。
菅原佳己オフィシャルサイト
https://www.gotouchisuper.online/
「全国ご当地スーパー協会」
https://www.go-to-chi-supermarkets.com/