生まれ変わった旧駅舎で楽しむ 江戸の伝統と食文化
荒川より分岐して東京都の東部を流れ、東京湾へと注ぐ隅田川。かつてはこの川を境に武蔵国と下総国という2つの国に分かれていましたが、この川をまたいで両方の国を結ぶ「両国橋」が築かれたことで、この付近は「両国」と呼ばれるようになりました。
両国国技館、相撲部屋、力士御用達の用品店など相撲に関するスポットが点在し、相撲の町としてのイメージが強い両国。相撲の興業は江戸時代に始まり、町には江戸時代からの史跡や町並みが残っています。 また、江戸時代に催された両国花火が隅田川花火大会の起源になっているなど、江戸文化を今に伝える歴史の町でもあります。そんな両国と江戸文化の結びつきを国内外に発信する新たなランドマークが11月25日に誕生しました。JR両国駅の旧駅舎をリニューアルして生まれ変わった、江戸の食文化を堪能できる商業施設「-両国- 江戸NOREN」です。
外装は、1929年に建てられた旧駅舎のアーチ窓や駅時計を活かしたレトロモダンなデザイン。中に入ると、旧駅舎のコンコースを活用して江戸の町屋をイメージした吹き抜け空間が広がっています。吹き抜けの中央には日本相撲協会が監修した土俵が設置されており、それを囲むように12の飲食店が軒を連ねます。
「粋な江戸の食文化を楽しむ」をテーマに集ったお店で味わえるのは、江戸・東京ならではの食材や技法を使った特徴あふれる料理。うま味と歯ごたえが強い東京のブランド鶏「東京しゃも」を使った鶏料理や、ふっくらと炊き上げたあさりの風味と出汁の利いたご飯が絡み合う深川めしのほか、寿司、蕎麦、天ぷらなどジャンルもさまざま。
東京の焼酎や地ビールをはじめ、東京にある全ての酒造の日本酒の味比べができる角打ちや、徳川家康が愛した「本山茶」の抹茶が味わえる甘味処など、小腹が空いた時や手軽にお酒を楽しみたい時にも便利に利用できるお店が揃っています。
11月22日には葛飾北斎の貴重な作品を集めた「すみだ北斎美術館」が開館し、より一層の盛り上がりを見せる両国。「-両国- 江戸NOREN」で腹ごしらえを済ませて、館内に併設された両国観光案内所を観光の拠点に、吉良上野介、勝海舟、芥川龍之介といった偉人の足跡が残る、両国の歴史探訪にチャレンジしてみては。
●-両国- 江戸NOREN
住所 東京都墨田区横綱1-3-20 開館時間 10:00〜23:30(店舗により営業時間異なります) 定休日 1月1日・2日、施設点検日(不定) アクセス JR両国駅西口(両国国技館方面)直結