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魚が苦手な子供や若者にすすめたい 魚介料理1位は“アジなめろう”

日本人の魚食普及に向けて広く魚への関心や知識を深めてもらおうという狙いのもと、「日本さかな検定(愛称:ととけん)」を2010 年から開催している一般社団法人日本さかな検定協会が、今年第7回を迎えた同検定の受検者たちに「魚が苦手な子どもたちや若者にすすめたい魚介料理」を自由回答形式で聞きました。

その結果、魚介料理と魚介種の上位ランキングは、“魚好き・魚通”を自認する検定受検者ならではの、ひと味違った結果となっています。以下、それらの主なポイントをご報告します。

■魚食経験の豊富さの現れ? 魚好きのおすすめトップは“アジなめろう”。


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※新鮮なアジをおろして、みそや香味野菜と一緒にたたき合わせる「鯵なめろう」

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■■魚が苦手な子どもや若者にすすめたい魚介料理■■

全回答者1422名から名前の上がってきた魚介料理の総数は637料理。その中で、2位の“タイ飯(めし)”を倍以上引き離し、ダントツのトップとなったのは“アジなめろう”でした。

アジのなめろうというと、千葉や伊豆をはじめ関東近県の魚通に好まれる酒肴という印象が強いのですが、北海道(函館会場)から九州(福岡会場)にいたる全国11会場の検定参加者からまんべんなく支持を集める結果となっていました。また、支持した年代も60~70代から小学生まで偏りがなく、いまや、“アジなめろう”人気は居酒屋、家庭料理を問わず全国区になっているといえるようです。
アジ料理はこのほか、アジフライ(7位)、南蛮漬(10位)、刺身(18位)、たたき(24位)、さんが焼き(26位)などが上位にランクインしています。


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※愛媛県南予地方の「鯛めし」 提供:宇和島市水産課


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※「鯖みそ煮」


2位にランクインしたタイ飯(鯛めし)は、炊き込みごはんタイプの他、タイの切り身を卵入りの醤油だれに漬け、ごはんにかける愛媛県南予地方のもの双方が含まれていると想像されますが、鯛めしのおいしさを知っている魚通ならではおすすめ料理とみられます。

サバみそ煮やサンマ塩焼き、アジフライなど家庭料理の定番とならんで、アジなめろう、タイ飯、キス天ぷら、サワラ西京焼き、アユ塩焼きなどが上位にランクインしている背景に、「一度試しに食べてごらん、おいしいから」という検定受験者の声が聞こえてきそうです。

■おすすめ料理に選ばれた魚介種、トップ3はアジ、サバ、イワシ。

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■■魚が苦手な子どもや若者にすすめたい魚介料理に登場する魚種■■

137種が登場したデータの上位魚種をみると、なめろう、フライ、南蛮漬などが支持を集めたアジを筆頭に、サバ、イワシと上位3種までを青魚が占めています。
ほかには、白身魚のタイがマグロの2倍近くの支持を得たのが注目に値します。以下、料理種類の豊富な魚介が上位を占めるということも言えそうです。





















【調査概要】
「日本さかな検定」受検者(47 都道府県から最年少6 歳から最高齢81歳の方々が参加)
*対象者:全国11 会場での検定受検者2,840名から1,422名の回答を回収
*方 法:会場にてアンケート用紙を配布、自記入式で回答
*時 期:2016 年6月26日/第7回「日本さかな検定」実施日

日本さかな検定(愛称:ととけん)とは

近年低迷が続く日本の魚食の魅力再発見と、地域に根ざす豊かな魚食文化の継承を目的として2010年から検定開催を通し、思わず誰かに伝えたくなる魚介情報を発信する取り組みです。
この四半世紀に街の魚屋さんが7割近くも姿を消し、またいまや地方にも及ぶ核家族化により、魚の種類・産地・季節・調理の情報や、祖父母に教えられた季節の節目に登場する魚の由来や郷土の味が伝わらなくなっています。

魚ほどそれをとりまく情報や薀蓄が価値を生む食材は他にないのに、語るべき、伝えるべき魅力が消費者に届かなくなっているところに、「魚離れ」や特定魚種への好みの偏りの一因があると捉え、愉しくおいしい情報を発信する手段として日本さかな検定が誕生しました。
2010年の第1回を東京・大阪でスタート、今年の第7回(6月26日(日))では函館・八戸・石巻・東京・静岡・富山射水・若狭小浜・大阪・宇和島・福岡の全国11会場で開催、小学生から80歳代まで世代性別を超え、累計2万名を越える受検者を47都道府県から輩出しています。


日本さかな検定ホームページ