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光文社厳選!和食情報ナビ

食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第13回

あけましておめでとうございます。

2017年がスタートしました。皆様はどんなお正月を過ごしましたでしょうか。

私は毎年、自分の実家のある青森県弘前市と、妻の実家がある栃木県真岡市を行き来しております。

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真岡には、「大前(おおさき)神社」といい、恵比寿様が祀られた神社があり、縁起もよく、毎年多くの参拝客で賑わう。私も毎年ここで恵比寿様にすがりながら?正月を過ごしている。

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しかし、妻の実家の正月はそれだけではない。義理の父は、退職後に調理師専門学校に通うツワモノで、調理師免許をとり、そば職人に。それで毎年「年越しそば」と、次の日の元旦のうどんと、麺ものがめっぽう旨いのだ。

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そして義理の母は、こちらもめっぽう料理好き。自宅の畑で採れた無農薬の野菜を使った漬物をはじめ、毎年年越し用の「おせち」を作り、皆に振る舞うのだ。こうした母の味、実家の味を守っている。

日本にはこうした正月ならでは、地域ならではの伝統食が多い。お雑煮だけでも、毎年この時期、「この地域の食べ方はこう、あの地域はこう」といった話題が多い。

所変われば品が変わる。

出汁や使う食材、文化、風土も含めて、一つの料理でも全く異なるものが生まれるのである。

そうした地域の食の情報を拾い、その土地ならではの食材、料理に光をあて、地域を守っていくことである。

弊社の会社名の「oiseau」はフランス語で「鳥」である。

今年の干支は「酉(とり)」。

鳥がもつ自由闊達な行動力を軸に、今年も全国を飛び回ろうと思う。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第12回

日本のプロヴァンス?岐阜、中山道のパティスリーに出会う。

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さて、2016年も残り10日をすぎ、いよいよカウントダウンである。

先日、講演会に出演するために訪れたのが岐阜県可児郡御嵩町(かにぐん・みたけちょう)である。岐阜県は、東京—京都を群馬、長野ルートでつなぐ「中山道(なかせんどう)」が横断し、その宿場町として、御嵩町も存在している。

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街の雰囲気は、その中山道に旧市街地があり、趣深い街並みである。日本有数の道ではあるが、いまの中山道は、小径のような風情で、場所によっては、アスファルトではなく、砂利道が今もなお残っている。

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そんな中山道をたどって、御嵩町役場の方にぜひ案内したいと連れて行ってもらったのが、こちらの「La Province(ラ・プロヴァンス)」である。

http://www.la-province.com/

小さな丘の上に佇んでいるこの家屋が、まさにフランスの片田舎のようなパティスリーだ。

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このお店を経営しているのが、オーナーパティシエ渡辺さん。元々はお父様がこの山を切り開き、ラベンダーをはじめとするハーブ畑をはじめたことがきっかけだ。自身は名古屋で洋菓子を学び、この土地に戻り、ハーブ畑の横に小さなお菓子屋を開いた。

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いただいたのはプチフール、これもまた小さな洋菓子の数々。一つ一つどれを取っても丁寧に作られていて、このお店の雰囲気にぴったりだ。お客様も、僕らのような県外のお客様もわざわざドライブがてらくることもあれば、地元でも唯一と呼べる、お菓子の楽園にきては、会話を弾ませ、過ぎゆく時間を楽しんでいる。

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お店の調度品も、すべて渡辺さんのセレクトで、BGMまで世界観がきっちりしていて、その「ズレ」が全くないことに、違和感なく、むしろ心地よい空間に仕上がっている。

「よく最初から狙って作ったのでは?と聞かれると、そんなことはないのです。本当に小さなお菓子屋さんからはじめて、すこしずつ増築したり、スタッフを雇ったりして、ここまで来ました。最近では、隣に小さな小屋を建てて、小さなショップを作りました。ここも地元の人が商品を並べて、商売を始めようとしていますよ」

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地元がある人間は強い、と常々思うことがあります。

僕自身も青森に生まれ育ち、その「先天性」によって、かなりの恩恵を受けることが多いです。もちろん都会と比べると不便かもしれませんが、年を重ねるとその先天性に導かれて、今の人生に厚みが出ていると感じることがあります。

渡辺さんのお父様が開いたこの土地に、自分を重ねて、さらに熟成させることが素晴らしく、そこに根付いた大きな根っこは、いまより大きな木に、実になりはじめているという印象を受けました。

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この世界観こそ、ファンを作り、そしてこのお店を成立させている。地方にあるべきお店、見習うべきお店の一つだと思います。

ぜひ名古屋で時間がありましたら、そこから電車で1時間、さらに車に乗り換えて20分。ぜひ日本のプロヴァンスのパティスリーに足を運んでみてはいかがでしょうか。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第11回

地域は最適化の時代へ。里山の風景を残すために。

すっかり師走も半分を過ぎた。あっという間に街はクリスマス。

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今年は暖冬なのか寒いのか、毎日ころころ気候が変わる。

恵まれた晴天が多く、乾燥した冬は、インフルエンザも流行りはじめが早い。

今年は早々に、予防接種を済ませ、まだまだ年内日本を走り回る覚悟だ。

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そんな中、兵庫の奥、丹波篠山へ出向くことに。

最近、地方で元気にしている企業との波長が合っている感じがする。その極め付けが、一般社団法人NOTEだ。

小さな集落の里山の風景を残すため、集落の古民家を買い付け、それをリノベーションし、ホテルや旅館にコンバージョン。それを、なんと集落の住民が運営するという画期的な手法を編み出し、移住定住を促進している、面白い会社なのである。その代表を務める金野氏と、彼らの事案を巡るツアーを先日開催した。

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特に彼らの本拠地である丹波篠山は、街中にホテルの機能を点在させ、その点在した場所の古民家を再生し、ホテルやレストラン、お店に変えて、そこに若い人たちが住み、営業をしているのだ。もちろんホテルのプロも入っていて、サービスの純度を上げている。最近では海外からのお客様も多く、インバウンド効果も望める。

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そのプロジェクトの中でも「集落丸山」は是非見てもらいたい。

篠山の街中から車で5分。山あいの小さな集落で、家屋は7軒のみ。元は2軒の地主しかおらず、空き家だったその地域をNOTEは2軒をホテルにコンバージョン。そしてレストランを運営させて、その運営者たちも住み込み、さらに住宅をリノベーション。

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そしたら、耕作放棄地も徐々に減り、いつのまにか耕作放棄地もゼロとなり、丹波篠山の名産「黒豆」を育てる農家が生まれてしまった。名産地としては、後継者不足で悩み、耕作放棄地も増えていたこともあったので、これはうれしい悲鳴だろう。

集落は、里山の風景を継続させ、住む人が再び根を下ろし始めようとしている。また森林の間伐をすることで、動物もまた、自分たちの領域を認識し、人間との距離感を取ろうとしている。最近では、シカやイノシシ、クマといった「ジビエ」と持てはやされている実態もまた、人間と動物の境界線の変化だけではなく、そうした環境を維持できないことにもつながった結果だ。少しずつ「あるべき生態系」を取り戻しつつも、「最適化される地域」は、人口減少する日本にとっては急務の課題である。

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その地域のめぐみを最適化し、提供されるのが「郷土料理」であろう。丹波篠山の大手食堂でいただいた、猪肉(シシ)と、「山の芋」と呼ばれる自然薯のトロロがかかった「シシ肉とろろ丼」は絶品だった。いつか「ぼたん鍋」も挑戦したいものだ。

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食べ物もそうだが、こうした過疎地域を育て、運営することの大変さもまたある。けれどNOTEの仕組みは卓越している。積極的に専門的な企業や組織、メンバーを入れながら、「地域に必要なものを最適化して届ける」ことに特化している。きちんと賑わいづくりも始まっていて、そこを目掛けてわざわざ遠方から集客、、、と思いきや、集まってくるのは地元の人たち。小さな顔が見えるコミュニティが自生し始めている。これが町のあるべき姿で、まさに最適化された効果が出ている。インバウンド、アウトバウンドではなく、まずは地元、近所、両隣、街中だ。

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また街中のホテルは、サービスを充実させ、宿泊業や飲食業に長けたチームで構成されているので、他と遜色がない。だから、質を落とすことなく、最適な金額を満足して払うことができる。一方で集落は、そこに住む人たちが、その場所を運営している。街中とは違い、ホッとした空気感と距離感が、都会暮らしや海外生活が長い人たちや外国人にとっては、安らぎを与えている。

地域にはいま「最適化」が必要なのかもしれない。そして、そこに必要とされる人もまた必ずいる。地域へ飛び込むチャンスは、居場所探しではなく、明確な意志であることを確認する。まだまだ意志がある人がいる限り、地域は衰退することはない。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第10回

今年の新物は「新あずき」で決まり!

師走とともに、秋の収穫を祝う事柄も多くなります。

その最もたるものが「ボジョレー・ヌーボー」。フランスで始まったこの新酒を飲む習慣は、瞬く間に世界に広がり、11月の第3木曜日の解禁日になると、今年も美味しいワインを飲もうと、マーケットは華やぐ。一時期の賑わいよりも熱は下がったが、新物といえばこの話です。その他、「新米」「新(日本)酒」など、日本も穀物や果物に由来する、こうした催しや歳時記を目にする機会が増えました。

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そんな師走の中、福島・郡山で始まったのが、「新あずきをつかったお饅頭」の販売だ。嘉永3年創業、今年165周年、郡山の銘菓「柏屋」の「薄皮饅頭」がそれにあたる。

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柏屋の薄皮饅頭が、「新あずき」を銘打ったのが2015年の昨年12月。それまでも、もちろん北海道十勝産の新物あずきを使っていたが、「新あずきを使った新物まんじゅう」をお客さんに明確にアピールすることはなかった。いつもこの時期になれば、小豆が変わり、胴鉢で煮込まれる小豆が、アンコとなり、代々伝わる「薄皮饅頭」としてお客さんの口に届けていた。

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しかし、お饅頭は、ケーキと違って、歳時記があるわけではないし、旬ものとはまた異なる。あくまでもお土産として考えられていたが、ふと「新あずき」をアピールしようと考えた、5代目本名善兵衛社長は、パッケージから何から、12月の新あずきが出た時からガラッと変更して販売を開始。それまで同じ時期に販売していた「薄皮饅頭」の売り上げが前年比を大きく超える成果をだしたのだ。

広い和菓子業界でも、なかなか「新あずき」と銘打ってアピールすることはほとんどない。むしろ「当たり前」ということで見過ごすところを、原点回帰し、価値につなげた好例といえるだろう。

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柏屋はさらに、「日本三大まんじゅう」の一つであり、東京の塩瀬総本家の「志ほせ饅頭」、岡山の大手饅頭伊部屋の「大手まんぢゅう」と並び称され、最近注目のお饅頭屋さんである。先日も日本橋三越本店で行われた催事では、3社が勢揃いし、お客様を楽しませたのは他でもない。

足下を掘れ、そこには泉がある。

その昔、ニーチェが言ったその言葉にまさにあたることではあるが、お饅頭の価値を見出そうという企業の志もさることながら、「当たり前の中に気づく本当の価値」が、これからの地方の食における究極のヒントである。

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僕はもともと、こし餡のファンだが、この「新あずき」の時だけは、「つぶ餡」ファンになろうと心に決めた。

●柏屋 薄皮饅頭

http://www.usukawa.co.jp/

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第9回

情熱の赤、白河のルバーブ

師走に入った。今月も多くの土地を巡る旅を続けています。

おかげさまでこの連載を始めてから、多くの土地に呼ばれるかのように、出向くことができ、その全てが新しい出会いばかりで、僕自身非常に勉強になっています。

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師走なのに、非常に真っ青な青空に恵まれた、東北、福島は西郷(にしごう)村に足を運ぶ。

訪れたのは、「ルバーブの島田農園」だ。40年前からルバーブの株を、ひょんなことから受け継ぎ、畑で育て始めて、7年前からは、とあるECショップの販売をきっかけに、かれこれ300坪の広さまで耕し、生育をしている。その頃から本格的に、完全無農薬、鶏糞を使った肥料をつかって育てているのも特徴的だ。

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土の肥沃さも確かで、手の行き届いた状況。これを、島田弘美さんと、お父様の廣行さんの二人でやっているということが驚きだ。いまでは年に3トンほど生育し、そのうち1トンの生果は、東京・表参道「ファーマーズ・マーケット@UNU」で販売されるというからにはすごい。

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そんな島田さんの思いは、「40年自宅で育てられたルバーブを、たくさんの人に食べてもらって、広めたいこと」である。

僕らの仕事で多いのは「認知を広げること」。先日ご紹介した「日本パイ倶楽部」も、それを体現する一つの活動でもある。とはいえ、広告のような認知を取るのではなく、あくまでも「価値を共感、共有できる」というところに重きを置いている。

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だから島田さんの思いは、「ルバーブ好きが転じて認知につなげる活動」にして始めて広がる。販売はその後付いてくるはずだ。どうしても小規模事業の場合、予算が限られて、商品開発に予算を回しがちだが、小規模の場合は特に、「認知をいかに取るか」ということが大事になってくる。

島田さんは、ルバーブを愛する人だからこそ、ルバーブを広げる活動ができる。これはルバーブを愛する人でなくてはできないこと。この思いが、島田さんの情熱を示す赤色のルバーブとして伝わるはずだ。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第8回

ミニ庄内柿×ミニャルディーズ 小さい秋、見つけました。

「小さい秋、小さい秋、小さい秋みーつけた・・」という童謡を歌うかの様に、小さい秋を見つけました。

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それがこの「庄内柿」のミニです。手のひらに4個も乗るくらい小さい。

こんなミニ庄内柿を扱っているのが、山形が産んだ「柿オタク」金三郎18代目、五十嵐大輔さんだ。
まさに柿のために生まれてきたんじゃないかと思えるくらいの柿オタク。柿について語らせたら、2時間でも3時間でもずっと話をしている。

そもそも柿自体は、幾千もの種類があり、だれが親で子なのかということも分かり難いくらい。一般的なものとして「富有柿」「平核無柿」がある。
また柿は、日本原産の果物で、「KAKI(カキ)」の名前で世界に流通している。なにより栄養価が高く、他の果物には少ないビタミンAや、みかんの2倍と言われているビタミンCも豊富。ただ、「渋柿」と評されるほど、渋みも多く、この渋を抜いて食べるのがポイントだ。

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そんな五十嵐さんがこのミニ庄内柿と出会ったきっかけは、まさに「偶然の産物」。

主に、商売用に柿を生産している五十嵐さんは、柿の木を増やすために、「接木」と呼ばれる方法を取っている。その「突然変異」で生まれたのがこのミニ庄内柿だ。

普段の柿であれば、摘果(わざと果実を間引く手法)して、調整するのだが、このミニ庄内柿は、まさに鈴なりにたくさん育てる。そして丹念に渋を、ヘタに焼酎をつけて変化させることで、あの甘い柿に転化させるのだ。(どうやら「渋を抜く」という表現は異なるらしい)

そんな「ミニ庄内柿」に興味を持ってくれたのが、これまた「一粒のお菓子」で、2016年スイーツ業界に旋風を起こした「UNGRAIN(アングラン)」の若きシェフ、金井史章(かないふみゆき)だ。「ミニャルディーズ」という一つまみサイズのお菓子を展開しており、お土産、お持たせで大変人気のパティスリーである。

http://www.ungrain.tokyo/

そのUNGRAIN(アングラン)が月に3日だけ実施する「シェフズテーブル」という催しで、これまた金井シェフの右腕、スーシェフの昆布氏(こんぶさん、というのはこれまた珍しいが)が、ミニ庄内柿を、これまた凝縮されたお菓子の世界に封じ込めた。

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砂糖を一切使わず、少しのコアントローというリキュールと、真空冷凍したミニ庄内柿を、解凍してソースにしたものに、さらにオレンジ果汁とオレンジの果皮に一晩マリネした柿をいれたものを合わせたスイーツにした。

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※左から金井シェフ、五十嵐さん、昆布スーシェフ

残念ながら、このシェフズテーブルが人気すぎて、予約叶わず食べることができなかったが、ちょうど東京に訪れていた五十嵐さんと、金井シェフ、昆布スーシェフを引き合わせることができた。

ぼくの仕事は、日本全国津々浦々見てきたものを、さらに付加価値をつけて世に送る、料理人やパティシエの存在を大事にしていくことである。食に関わる仕事は本当に多い。ぼくがやっていることは微々たることかもしれない。けれど、小さな商いほど、飽きないし、継続ができる。それを少しでも多く活動を広げたり、回したりすることで成り立つものが生まれる。

そうした「小さな商い」がいま、食周辺で必要な活動である。作ることも大切だが、まず食べること。そしてそれをつなげて、やがていろんな人に食べてもらうこと。

そうした「食物連鎖」を生み出すのがFoodnia Japanだ。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第7回

鯉こがれて六十里。米沢鯉を食す。

「僕らは感じたことはないんですけどね」と岩倉社長。そう、店内に入ると、ふわっと甘い醤油の香りが、かおる。

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この古民家は、山形県米沢市にある老舗「米沢鯉六十里」。

昭和23年に市内に鯉屋を創業、その後、鯉の養魚場を設けて、現在のお店が経営されている。紐解くと、ここ山形県米沢の鯉は、かの藩士、「上杉鷹山」が水産資源が乏しいこの内陸の地、その米沢に福島県相馬より鯉の稚魚をとりよせ、米沢城のお堀で育てたのが始まりと言われています。

雪深い土地が産み出す清流は、川魚独特の泥臭さを消し、「米沢鯉」としてブランド食材になるほど、有名。現在地元もさることながら、都内大手百貨店でも流通し、贈答用商品になるなど、ニーズがあります。

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お店の横には池があり、養魚場から運んできて放しながら、使う分だけをそこから取り出すというもの。活きもよく、早速だがいただくことにした。

今回は「鯉づくし」ということで、「鯉の刺身」「鯉のうま煮」「こいこく」「鯉の蒲焼」をいただくことに。

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「鯉の刺身」は筋張った感じではあるが、海魚にあるような脂っこさはなく、あっさりしていて、それは、「うま煮」「蒲焼」にも見られる。特に「蒲焼」はそれこそ、うなぎの脂っこさが得意ではない人にとっては、さっぱり食べられる「うなぎの蒲焼」のような味わい。地元の醤油屋や食材を使った秘伝のタレが使われた「うま煮」は、「甘しょっぱい」味わいと、冒頭の「甘い香り」を感じる一品だ。

そして、「こいこく」は、鯉料理では定番だ。輪切りにされた鯉を、味噌汁で似た味噌煮込み料理である。煮込まれた鯉の身は、どことなくタラのような白身魚に近い。味噌の塩梅は、それこそ地元によって異なるので、先日埼玉は浦和で食べたものとは別物だ(浦和もまた鯉料理が盛んだ)。

そんな鯉料理を守り、新たな料理法、加工法をチャレンジしている岩倉社長をいま継続的に応援している。なかなか日常生活では食べることがない鯉ではあるが、地元の米沢だと、「お祝い」「正月」では必ず食べると言っていいほどの縁起物であり、地元で愛されている食の一つだ。

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最近では、山形の料理人、アル・ケッチァーノの奥田政行シェフが、鯉の骨をつかった商品開発や、地元出身の料理研究家が、カレーライスを提案したりなど新しい試みにつなげようとしている。

古くからある食材とその活かし方。時代が進めば、味覚の変化や食べ方も変わってくる。

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「鯉と言うと敬遠される」と岩倉社長。しかし鯉だからこそ出せる味がある。「鯉に焦がれて六十里」ではないが、山形は米沢に足を運ぶ機会があれば、米沢牛ももちろんだが、鯉を食するのもありだ。それだけの商品価値がここにはある。

http://www.yonezawa-koi.com/

松田龍太郎

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1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第6回

嫉妬したくなる、京都生まれの限定アップルパイ

みなさんは、百貨店の「デパ地下」に行く機会はありますか。

特に東京の百貨店の食品売り場は、僕にとっては「情報の坩堝(るつぼ)」のようなもので、「何が流行し、消費者が何を気にしているのか」が手に取るようにわかります。そこは、ニッチなものもあれば、誰でも聞いたことがあるようなブランドや商品もたくさんあります。そうした商品に感度を保ちながら仕入れてくる「バイヤー」と、それを販売する「売り場」の連携があってこそです。

先日、日本橋三越さんに行ってきました。僕のお目当ては、週に1度、数個しか販売しない、こちらのアップルパイ。京都は「足立音衛門」が製造している青森県産のりんごをふんだんに使ったプレミアムパイです。

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「足立音衛門」は、栗を使ったお菓子で有名で、ちょうどこの時期、「栗のテリーヌ」という、これまた甘党好きには、もってこいの商品が出てきますが、同じ時期に隠れたヒットを飛ばしているのがこのアップルパイです。

http://www.otoemon.com/

実は何を隠そう、私、「一般社団法人日本パイ倶楽部」の代表理事であり、国内外に「パイの良さをお伝えする」活動を行なっております!その中でも「アップルパイ」は私の故郷青森県弘前市でも「アップルパイガイド」というものが作られるくらい、アップルパイ推しです(笑)

http://www.pie-japan.com/

ただ、、、その中でもクオリティーを持って、青森県人が「なんでこんなアップルパイがないんだ!」って叫びたくなるかつ嫉妬したくなるような美味しさを放っているのが、この足立音衛門さんのアップルパイなのです。

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開くとやや小さめのポーションですが、こんがりと焼きあがったフォルムと「ガレット・デ・ロワ」を彷彿する作りはワクワク感があります。

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ざくっと真っ二つにわると、りんご果汁をつかって丁寧にシロップで煮立てたりんごがたっぷり入っております。また特筆するのがパイ生地の香ばしさです。ふわっとバターの香りに包まれて、りんごの甘さとともに、「口福感」が広がります。

この時期、僕にとってもお気に入りの一品です。その商品、ネットでも買える!みたいなので、ぜひ気になった方はいかがでしょうか。

http://www.otoemon.com/item/945.html

ちなみに、11月15日まで、京都大丸のデパ地下で、日本パイ倶楽部のパイの催事が開かれております。

全国のパイを集めた商品たちが揃います。関西の方はぜひそちらにも足を運んでみてください。

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松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
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Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第5回

近江商人の息遣いを感じるお菓子の国。たねやの大胆作戦。

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今日お話しするのは、一番大きな湖「琵琶湖」が美しい、滋賀県。
実は、僕自身「日本で行ったことがない県」の上位ランクでもあるのですが(笑)、少し縁があり、最近行き始めております。

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先日ちょうど彦根市を訪れたところ、彦根城はライトアップされ、NHK大河ドラマ「真田丸」の視聴率が好調、地元の武将でもある「石田三成」の展示が行われておりました。石田三成のお城は、彦根城近くの「佐和山(さわやま)城」。すでにお城は跡形もなく、その一部が彦根城に移築されたと聞きましたが、彦根市は城下町として風情よく、街並みもコントロールされ、非常に心地よい町でした。
そんな彦根市から車で30分。今回の目的は、近江八幡にある、「ラ・コリーナ近江八幡」です。ここは、和・洋菓子を展開している「たねや」さんの新たな拠点です。
http://taneya.jp/la_collina/

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この施設は、「周囲の水郷や緑を活かした美しい原風景の中での、人と自然がふれあう空間づくり。和・洋菓子を総合した店舗および飲食施設や各専門ショップ、農園、本社施設、従業員対象の保育施設などを設けるたねやグループの新たな拠点(以上たねやホームページより)」と位置づけられ、今年の7月に本社社屋も完成し、さらに計画が進められています。

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一つ一つのディテールが考えられ、この近江八幡に足を運ぶ人たちを魅了しています。建築は、日本の建築史家で、東大名誉教授でもある藤森照信氏。彼の起こした図面やスケッチを見る機会がありましたが、人の身長や作業で考えられる高さや導線設計がきちんと見ることができ、単に「デザイン先行」ではなく、一方で、周囲環境に馴染ませた結果がこの風景なんだと感じることができました。

地方の魅力を掘り下げた時に、そこで生まれるもの、存在するものをどうやって輝かせるかがポイントになります。もちろん建築やデザインも、おおきに目立たせることができる「サイン(=記号)」でありますし、生産者や事業者が行う活動をさらに活性化させる力を持っております。

一方で、デザインに頼りすぎ、商品力が行き届いていないものもありますし、その逆、商品力は抜群だけれども、どうもデザイン含めてイマイチというものも散見されます。

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そんな中、たねやさんの「ラ・コリーナ近江八幡」での取り組みは、こうした目を見張るデザインもさることながら、自社商品である「お菓子」に対して、「楽しさ」「喜び」「甘さ」「雰囲気」を崩さずに、お客様に十分、空間を含めた体験価値を提供しているところです。そこにはウンチクもあるわけでもなく、「お客様への接し方」を細かくデザインにも反映され、表現されていることに感動しました。よく見ると、いろんな方がサポートしています。
http://taneya.jp/la_collina/about.html

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また、「たねや」さんは、和菓子だけではなく、「クラブ・ハリエ」というバームクーヘンが主な洋菓子も展開、爆発的な売り上げを誇っておりますが、もちろんここまで来ることに苦労も絶えなかったと聞いております。並大抵なものではなく、亜流やパクリができるような代物ではないことは確かですが、一つ真似ができるとすれば「お菓子を楽しみにしているお客様のイメージを損なわないこと」かもしれません。

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昔、商店街にあった、作り手が見えるお菓子屋さん。お客さんの声がはっきり聞こえる店づくり。そんな当たり前の風景を、デザインとともに昇華し、そこに真摯に取り組み、働いている人たちの環境とお客様の接点を近づけたことが、たねやの次の世代に送るメッセージなのかもしれません。オフィスも見させていただきましたが、東京のクリエイティブオフィスとなんら遜色のない空間づくりと働き方にもこちらも感動しました。大きな作り庭と、奥の小さな隙間のようなドアが、会社の入り口です(笑)

「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」。

まさに近江商人の心得どおりの、たねやさんの経営戦略を垣間見た滋賀でした。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第4回

耕作放棄地から始まった、tettaのワインドリーム。夢を支えるコミュニティの存在。

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さて秋フルーツの主役といえば、私の出身県青森の特産「りんご」をはじめ、「みかん」「梨」「柿」「ぶどう」です。その中でも、今回は「ぶどう」の話。

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岡山県の北部、鳥取と島根の県境ちかくに新見市哲多という場所があります。岡山市内から車で2時間。標高400m、中国山地に囲まれた土地には現在、3500本のぶどう畑が広がっています。
畑を所有しているのは、ぶどう栽培とワイン販売を手がける「tetta(てった)」だ。そんなtettaを訪問する機会を得た。

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このぶどう畑を経営しているのが高橋竜太さん。地元の建設会社を経営していたが、2005年、耕作放棄地になったこのぶどう畑の存在を知ることに。
農業に関心を持っていた高橋さんは、その土壌を調べてみると、石灰岩と赤土が混じった水はけの良い土壌で、フランスのワインの名産地、ブルゴーニューと似ていることに気づく。
しかも寒暖の差が大きいこの土地は、まさにワイン向きという確証を得て、2009年に、畑を前の所有者からこの土地を借りたところから物語はスタートする。

http://tetta.jp/

tetta

先日、岡山県出身の著名なインテリアデザイナー片山正通(まさみち)氏がデザインしたワイナリーが竣工し、いよいよ念願の自社醸造が始まろうとしている。
スタッフも日夜、醸造の準備に大忙し。これからセンシティブな調整と並行して、今年のワインの出荷にと、息をつく暇もない。それでも、すでにtettaでは、どんどん注文予約が入り、このままでは来春ですべて完売、地元でも飲めないかもしれない恐れがあるので、調整を図っているとのこと。
この岡山の小さな街のワイナリーが話題になっているのは、昨今の日本産のワインブームもさることながら、「その志を支えたい」というファンが多いということだ。そのファンをうみ、育てる仕組みが「クラブテッタ」というファンクラブだ。先日も「星空ワイン会」なるものが開かれ、今年出荷されたばかりのワインと食事が振舞われるイベントが行われたばかり。

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一方、その食事を提供していた岡山県倉敷イタリアンレストラン「トラットリアはしまや(http://www.t-hashimaya.com/)」さんは、「チームテッタ」の一人。またイベントを手伝ってくれるスタッフも、岡山市内の飲食店の皆さん。なかにはわざわざ東京から手伝いに来ているソムリエもいるという。そうしたtettaファンの一人一人が、tettaに「投資」をしている。
 ちなみに「クラブ」はオーナー会員制でいわゆるクラウドファンディングのように、お金を投資し、その見返りとしてワインやぶどうの木のオーナーになるというもの。
また、「チーム」は、こうしたオーナー制度とは別で、純粋にtettaを応援するチームで、こうしたイベントなどにボランタリーとして参加したり、ともに地域を盛り上げようと頑張っている人たちのことを指す。

この「投資」こそが、地域の生産者を支え、挑戦する人へのメッセージだと思う。ちなみに、tettaでは、そんなワイン造りを一緒にやりたい人を募集中だ。

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まずその風景を残したいと高橋さんが動いた。その高橋さん、tettaのメンバーのぶどうとワイン造りの志を支えるために、コミュニティが生まれた。「食」と「地域」と「コミュニティ」の新しい「食物連鎖」は、食(職)を生み出さそうと頑張っている地域の仕組みである。

その昔、村があり、街ができ、そして都市が生まれた。いま行政サービスの都合で、統廃合が繰り返されているが、むしろ生態系としては、どんどん小さな村のような組織、コミュニティが、なによりコンパクトで、「心地いい」。場所に紐づかれるのではなく、「志」に紐づかれて、地域は形成される。

食の国日本は、小さなコミュニティから、宝が生まれていく。そんな小さなコミュニティを応援していきたいと思う。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp