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食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第62回

青森ごほうびスイーツ、出発!

お待たせしました!前回お伝えしたように、「あおもり健康志向スイーツ」が2月24日(日)に、新商品発表会、展示即売会が実施され、無事に船出をいたしました。

このプロジェクトは、僕の故郷でもある青森県の県庁内ベンチャー事業として、庁内の若手職員が手を挙げて、スタートしました。まずはじめに、昨年2018年の夏より「あおもり健康志向スイーツゼミナール」を開催、私も講師として参加させていただきました。そして、このゼミナール参加者が新しく開発した商品を、県民や事業者に広く認知し、認知度の向上および県内事業者の参入を促進するため、この度開催されたのが「あおもり健康志向スイーツフェア」です。

蓋を開けてみると、スタートからものすごい人です。朝10時とお昼13時、2回に分けて新商品発表会をさせていただきました。お昼の会には、青森県知事である三村氏も駆けつけ、今回プロジェクトに参加したお菓子事業者の新商品を、ブースごとに巡って試食もさせていただきました。商品は100〜600円ほどの価格帯。フェアに向けて各事業者が、商品をブラッシュアップさせて、お客様に提供できる商品にきちんと出来上がったのだと思います。またどの商品も今回の商品開発にあたる際に「どんな情報をお菓子に持たせるか」ということを意識して作った商品たちだと思いました。僕としては非常に嬉しかったです。

僕は、スイーツを作り上げるために、いくつかのポイントに絞り、そのポイントに紐づいた商品開発をするようにというアドバイスをしました。例えば「一点突破型」。食材や作り方がたくさんある中で、「どれか一本に技を絞る!」ということをやります。例えば、みなさんの身の回りですと「BAKE」というチーズタルトがその一例だと思ってください。一つの商品だけで日本限らず、世界まで展開しており、かつ「どんな場所にどんなふうに」お客様に提案しているかを分析し、それをみなさんにビジネスとしてどのように活かすのかを提案していきます。

その手法で商品を作ったのが、ベーカリーショップ「リトルプリンセス(https://faavo.jp/aomori/project/2656)」さんです。青森県でも有名な地酒である日本酒の酒蔵、三浦酒造さんが作られる「豊盃(ほうはい)大吟醸」の酒粕をチョコレートに混ぜ合わせた「あおもり生チョコレート<豊盃大吟醸>」を作り上げました。商品コンセプトは「美と健康」とし、酒粕、カカオポリフェノールを含む生チョコレートを開発。入手困難な日本酒の酒粕を贅沢に使い、食べた時の酒粕の香りがしっとりと口の中に広がり、お酒が苦手な人でも十分に食べられる商品になりました。もちろん、お酒好きの人が食べるにも抜群の商品になったと思います。ちなみに酒粕は100g中に、15gのタンパク質を含みます。これは納豆言えばワンパック100gほど、肉にすると80gに匹敵する量なのです。チョコも食べながらも栄養を考え、気にせず食べられる商品と言えるでしょう。この商品はこの春、本格販売になります!単なるブランド名日本酒チョコレートのような、「販促物」ではなく、スイーツの本質を問い、気軽に食べられる商品として展開しています。540円(税込)ですが、飛ぶように売れておりました!

次に「地方創生型」。どこの地方でも「県産素材」をつかった商品開発をするはずです。その際に、お客様が「地方から買って帰りたい商品」であるべきです。今回この問いにチャレンジしたのが、七戸町の「お菓子のみやきん(http://okashinomiyakin.com/
」です。「青森リンゴ」と「七戸(青森の地方都市)カシス」といった県産素材に、スーパーフードである「チアシード」を組み合わせ、食事代わりにもなる、満足感あるクッキーを作りました。これまで「まちのお菓子屋」、「和菓子屋」としてお菓子を販売してきたお店が、はじめて健康を意識した食品としてチャレンジしたものであり、「(フェアにお客様が来るといっても)30個ほど売れるとまあまあかな、350円(税込)も高いしね、、」と話をしていたら、実際に販売してみると80個以上売り上げる成果を出し、「正直驚きました、こうして成果がでると、チャレンジする意味があるなと思いました!」といっていただきました。

単に県産素材を使った商品開発もこれまでやってきたと思うのですが、商品が持ちうる「意識の持っていき方」として、県産素材を使いながらも、「チアシード」をきちんとどんなふうに使うかを、パッケージの前面にきちんと出して販売することで、お客様にわかりやすく訴求できたのだと思います。またゼミナールに参加された皆さんが、それぞれ自分たちの商品と向き合いつつ「お客様が欲しいがある商品とは?」を十分意識されたのだと、会場にいて改めて感じました。

この他にも紹介したい商品があるのですが、商品販売前ということもあり、きちんとご紹介できないこと、また僕らが予想する以上に来場者が多く来られたこともあって、フェアの終了時間17時前、15時の段階で「完売終了」発表が6、7件出てしまうという嬉しい想定外(!)が起きました。なかには正午0時の段階で想定以上の売り上げで、工場に走り、そこから都度6−7回商品を持ってこられた事業者もおりました。「お菓子フェア」ということも、これまで百貨店や道の駅での展開が地元では多かったと思いますが、こうして観光物産イベントスペースに、県内の事業者が一堂に会して、それぞれの商品を販売することはないですし、自店舗以外でパティシエやシェフが自ら販売して、自らの商品を説明することはない、農業界でいえば「お菓子のマルシェ」のような感じなったのだと思います。それだけ会場の雰囲気もよかったと思います。

「スイーツ(お菓子)」は、人を笑顔にします。そしてその笑顔を生み出すために、さまざまな素材や作り方が絡みあい、切磋琢磨し、素敵な商品を生み出している。青森県で、スイーツの可能性を探る旅でしたが、この旅は春以降もまだまだ続きます。ぜひ楽しみにしてください。

 

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp