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食の国日本〝食〟プロデューサー 松田龍太郎ブログ

Foodnia Japan 食の国 日本 連載 第45回

[「わざわざ訪ねる」土地を作ること。]

6月初旬。久しぶりにバスで岡山県新見市に向かう。

以前このブログでも紹介させていただいたが、岡山県にあるワイナリー「domaine tetta」にて、昨年2017年からスタートしたイベント「Vin Voyage」に参加するためだ。このイベントは、tetta高橋社長とフードプロデューサーがタッグを組み、その年のテーマに沿って、チームを作り食事や什器、そしてワインのペアリングを実施するものだ。

今年のテーマは「山形」だ。

(※山形「タケダワイナリー」のラインナップ。)

その中でも、国産ワインとしても著名な「タケダワイナリー」の岸平ご夫妻がわざわざ岡山県にやってくるというからには行かざるを得ない。また、それに合わせた食事も秀逸で、いつもお世話になっている、山形県鶴岡市「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフが行うことになり、そのセッティングのお手伝いをさせていただいたこともあり、tettaに1年ぶりに足を運ぶことになった。

(※雄大な丘陵地には、tettaの葡萄畑が広がっています。)

tettaのイベントは雨が付き物、と呼ばれるくらい、天候が変わりやすい地域ではあるのだが、今日は打って変わっての青空。涼しく、少し乾燥した風が汗ばむ肌には心地よい。

イベントは夕方17時よりスタート。入り口では、タケダワイナリーのスパークリング「サンスフル」からスタート。乾杯は、まだ未完と言われている、tettaのスパークリング。そのワインに舌鼓を打ちながら、ワイナリーの屋上が、特別レストランに。周りには100名を超えるお客様が着席、久しぶりにお会いする友人もいたり、楽しい宴になった。

(※100名を超えるお客様が岡山県以外からも多数!)

奥田シェフをはじめ、岡山県のシェフと交互に出てくる料理にtetta、タケダワイナリーのワインが合わせられ、あっという間の3時間のディナーは幕を閉じる。

(※今年のtettaのワインは秀逸です!秋以降お楽しみに!)

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ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、やはり岡山県新見市はなかなか遠い。岡山市から車で2時間弱。空港からも電車からもどこからも遠い。よく、tetta高橋社長はフットワーク軽く東京や他の地域でもお見かけするが、その行動力には頭がさがる。

(※料理の説明をするアル・ケッチァーノ奥田政行シェフ)

実は私の会社では、このtettaワイナリーのカフェ部門立ち上げのお手伝いをさせていただきました。ここにどんな料理を出すべきか、短期間でやるべきか、ちいさくても長くやるべきか。それは2年近いやりとりのなかで、双方のスタッフを交えながらようやく2018年5月の半ばに、カフェをスタートすることができるようになりました。まだまだスタートしたばかりで、曜日も限定された営業にはなりますが、土日を踏まえ、ぜひ足を運んでいただきたいと思っています。

(※タケダワイナリー岸平ご夫妻)

こうしたカフェを作ろうとdomaine tettaが思うのは、tettaを目指す人は、ワインはもちろん、このワインを生み出す土地、ぶどう、それに携わる人と「関係を持ちたい」と、体験しにやってくるからだ。そのために、tettaではワインを作り、ぶどうを生育し、そしてカフェを作り上げる。高橋社長含め、tettaのスタッフが、すこしでも「お客様との接点を、よりよくしていこう」と奮闘し、苦労する姿が見られるのだ。

わざわざ地域に足を運ぶ。地方のお仕事で、ここ最近言われていることだが、「その地域が衰退する、なくなる、人がいなくなる」時代が、早くても2-3年でやってくる地域も少なくない。またSNSなどを始め、情報発信に関するボーダーレス状況が続くことで、多少タイムラグがあっても、年ごとの変化ではなく、月、日によってどんどん変わっていく印象を感じる。しかし、1年で作り上げる食材やこうしたワインの価値が、逆に問われ、付加価値として生き残っていくのだと、僕は一方で感じている。多くの活動や企業体が生まれては消える中で、その「新しく生まれる活動」を見ていくべきで、そこから発信される情報を僕らも感じていかなくてはならない。

(※奥田シェフ、岸平ご夫妻とともに)

より情報が発信されていることで、発信する話者の情報より、その情報の中身を掴む。その中身に、人は魅了され、この土地に呼ばれ、時間を体験していくことが価値になる。今後もこうした動きをチェックしていきたい。

松田龍太郎

松田龍太郎

1977年生まれ。青森県弘前市出身。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、日本放送協会に入局。
報道カメラマンとして、全国各地の事件事故、災害など日々のニュースの現場をはじめ、紀行番組の撮影に従事。その後、2007年企画・プロデュース業に転職。2010年より株式会社オアゾ代表を務める。
積極的に女性クリエイターを活用し、特に食にまつわる事業・店舗開発、PRコンテンツ制作を得意とする。現在神楽坂6丁目に「八百屋瑞花」という青果販売する八百屋 を展開中。
http://www.oiseau.co.jp