和食STYLE

タケムラダイの日本全国・美味しい冷食
第九回 岩崎本舗「ながさき角煮まぶし」

第九回 岩崎本舗「ながさき角煮まぶし」

冷食の夜明けぜよ!食材ロスを無くすために生まれた人気商品!

私は幕末のヒーローとして名高い坂本龍馬が大好きだ。
日本全国を奔走し活躍をした龍馬には、各所にゆかりの地と呼ばれる場所が存在するため、私も冷食探しのかたわらに聖地巡礼をしたものである。
今回は、そんな龍馬が30歳の時に訪れた、ゆかりの地の一つでもある長崎にまつわる冷食を紹介したいと思う。

「ながさき角煮まぶし」を製造販売している「岩崎本舗」は昭和40年創業の長崎の地元企業であり、看板商品である「ながさき角煮まんじゅう」は長崎の特産品としても非常に有名で、地元のみならず、全国各地の百貨店などでも広く取り扱われている。
この看板商品も冷凍商品なので、当然、私も食べた事はあり、非常に美味しいので、どちらを紹介するかで迷ったのだが、看板商品の陰で生まれた「ながさき角煮まぶし」の方にスポットを当てる事にした。

岩崎本舗の豚の角煮は中国料理の「東坡肉(とんぽうろう)」をベースとしており、長崎独特の宴会料理「卓袱(しっぽく)」という大皿に盛られたフルコースの中の一品である。
その東坡肉をもっと手軽に食べてもらいたいという思いから誕生したのが「ながさき角煮まんじゅう」なのだ。

角煮は豚バラ肉と煮汁だけで構成されているため、素材そのものの優劣が味に大きく影響を及ぼす料理である。
ゆえに同社の豚肉へのこだわりは強く、あえて国産だけではなく、世界各国の豚肉の中から“角煮に最も合う豚肉”を厳選し、チリ産の「アンデス高原豚」のメス肉にたどり着いたとの事である。

化学調味料不使用の秘伝のタレは継ぎ足し、継ぎ足しを繰り返し、現時点で既に4,400日(ざっと12年)以上にまで達している。

このこだわりの角煮を製造する過程で出来てしまう煮崩れした小さなかけらまでをもロスする事なく使い切りたいとして商品化されたのが「ながさき角煮まぶし」なのだ。
今では人気商品となり、専用に豚肉を小さく刻んで作られているそうだが、元々はこうした“もったいない精神”から生まれたものであるというのも、食材への強い愛情が窺える。

ホロホロになるまで柔らかく煮込まれた角煮のほぐし身が秘伝のタレと一体となった状態でパック冷凍されているので、袋に切り込みを入れて電子レンジ加熱したら、あとは熱々の白米の上に乗せるだけ。

甘辛で豚肉の旨みが凝縮された醤油だれの色に染まった白米と、噛む必要のないほど柔らかく煮込まれた豚バラ肉が口の中で織り成すマリアージュが、えもいわれぬ美味しさとなるのは想像に容易いだろう。

坂本龍馬もこの商品を口にしたら「まっこと美味いぜよ!」と言ってくれるに違いない。

タケムラダイのワンポイントアドバイス!

アイデア次第で様々な料理になる!
茹でてマッシュしたじゃがいもに混ぜ、衣をつけて揚げれば「角煮コロッケ」に!
自分好みにアレンジするべし!

タケムラダイの冷食品評

美味しさ:自信をもってオススメできる商品のみ紹介するので基本的には星5。(星5超えがあるかも?)
入手のし易さ:数量限定品や季節限定品などは星が少なくなる。
デザイン性:パッケージや盛り付けなど、商品としての美しさ。
ボリューム感:成人男性基準での満腹度。
調理の手間:調理の手間が簡単であればあるほど星が多い。

【評価】

美味しさ ★★★★★

入手し易さ ★★★★

デザイン性 ★★

ボリューム感 ★★

調理の手間 ★★★★★

今回紹介した冷凍食品

商品名:ながさき角煮まぶし
製造者:岩崎本舗
価格:1袋 432円(税込)
購入できる場所:店舗、オンラインストアなど
オンラインストア:https://0806.jp/
店舗情報:https://0806.jp/shop/

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タケムラダイ

冷凍食品マイスター/電子レンジ料理研究家/フードコンサルタント

商品プロデュース業で多忙を極めていた際に、手軽で便利で美味しい冷凍食品と出会い、その魅力に取り憑かれる。毎日欠かさず、20年以上に渡って冷凍食品を食べ続ける筋金入りの冷凍食品マニアとして知られるようになり、テレビやラジオ、雑誌など多数のメディアに出演。現在は通算10000食以上の冷凍食品を食べた経験を活かし、冷凍食品のプロデュースやアレンジレシピの考案、食品メーカーや飲食店などのメニュー開発を手掛けるなど、料理研究家としての活動も多岐に及んでいる。

Twitter:@dai_takemura
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近著『1万食の冷凍食品を食べつくしたプロが考えた!! プラス1食材でバリエーション無限大! 冷凍食品アレンジ神レシピ大全』(宝島社)