和食STYLE

檀崎真由美のボルドー通信『フランス必食N E W S』③

今回のフランス必食ニュースはフランス産黒ニンニク商品のご紹介。
前回の続きにもなりますが、ボルドー近郊のホワイトアスパラガスの産地、ブライのアスパラガスフェスティバルに行った時に見つけたお気に入りの商品です。

先ずは折角なのでアスパラガスフェスティバルのレポートから。
ボルドーから車で1時間近く走り、イベント会場に足を運ぶと、いくつものホワイトアスパラガス生産者が各ブースで販売し、大勢の人で賑わい、大きなホワイトアスパラガスのケースを持って帰る人達とすれ違います。

値段はボルドー市内より遥かに安く、更に採れたてでマルシェよりも新鮮なので『やっぱり来て良かった!』と第一声をあげ、コンサートの軽やかな音楽にのせられながら興味津々にどのアスパラガスが1番良いかと歩き周りました。
生産者の中にはホワイトアスパラの皮を剥く最新の機械を用意し、アスパラガスをUFOキャッチャーの様に1本ずつ掬い上げ、表皮を丁寧かつ迅速に剥いていくので、思わずその先進的なフードテックに目が奪われてしまいました。

そしてこのフェスティバルのメインは、直径2.5メートルの巨大なフライパンで作るホワイトアスパラガスのオムレツ。使用した卵は何と4000個で、150kgのホワイトアスパラガス入り。

私達の到着時間が既に遅かったのか?オムレツというよりもスクランブルエッグに近い状態でしたが、皆で同じ釜の飯を食べる!ってどこの国でも大事ですよね。
隣のステージから流れるカントリーミュージックを聴きながら、ブライのワインを片手に皆が楽しそうに過ごしてました。

子供達も共に楽しめるイベントなので、広場には昔ながらのブリキの玩具で親子で楽しむ姿がとても微笑ましく、ラクダやヤギ、羊、牛などもいる移動動物園も在りました。

いくつも在る生産者の中からホワイトアスパラガスを購入したのは、小さなお子さんが両親の販売のお手伝いをしているブース。
まだ遊びに夢中になる年頃であるだろうに、周りで遊んでいる子供等に目もくれず一生懸命に手伝うその姿に、心がとても暖かくなり応援したくなりました。

この採れたて新鮮ホワイトアスパラガスは、茹でて、鯖の燻製とその日のディナーに!黒ニンニクのペースト、黑ニンニク塩、黒ニンニク蜂蜜の3点セットで味をつけたシンプル仕立て。
この黒ニンニクの調味料が、手軽で美味しくて、ホワイトアスパラガスの旨みと甘味を引き立ててくれました。(ホワイトアスパラガスの茹で方は前回の記事をご参照下さい)

フランスのラロッシェルが首都のClaires de Charente-Maritime(シャラント・マリティームのクレア)産の黒ニンニクは甘味と独特の風味があり、試食した途端一口でクセになる美味しさで、しかもオーガニック商品なので気に入って即買い。

ホームページを覗いてみると『この発酵黒ニンニクは、1990年代後半から2000年代にかけて日本の南東海岸に出現し、その旨みや有効成分を実証したのは北日本の青森県の佐々木甚一教授の研究のお陰だ』と記載されています。とても誇らしいですね!

日本では1995年頃に、三重県の海人さんが海に潜る前に身体を温める為、ニンニクを焚き火で焼いて、食べた事からヒントを得たと言われています。

ニンニクは古代エジプト以来「奇妙な力を与える食べ物」として提示され、ピラミッドの建設者に力を与えるために使用されたとの事。

オリンピックでは滋養強壮として最初に使用したのはギリシャ人であり、その後、ローマ人がそれに続き、ニンニクの強化と予防の資質を強調したそうです。

フランス産黒ニンニクは白ニンニクを60°〜80°低温のオーブンで3週間かけてゆっくりと加熱し、醗酵する事で香り豊かなアロマと、とろける様なテクスチャーになり、更には抗酸化作用やビタミンA、B、C、E、亜鉛も豊富になり、体に有益な効果を倍増させるスーパーフードと記されています。

日本では黒ニンニク炊飯器で手軽に作る方法も紹介されていますね。

今日は冷蔵庫にある食材と黒ニンニク調味料で2種類の即席カナッペを作りました。

一つは薄切りバゲットにスモークサーモンとフェタチーズに黒ニンニク蜂蜜と黒ニンニクソルトで味付け。

もう一つはスライスしたゆで卵、アボカド、トマトに黒ニンニクペースト添え。お口直しのメロンをアクセントにし、庭の葉物を添えて出来上がり!

和風には茄子を素揚げし、味噌に黒ニンニクペーストと甘麹を合わせて田楽茄子に。

シャラント・マリティームのクレアの海水が程良く影響し、オリジナルの旨みを放つこの黒ニンニク商品は、ネット購入も可能で、何にでも合わせやすい万能調味料なのでお勧めです!

https://ailnoirdesclaires.com

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檀崎真由美(だんざきまゆみ)

フランスボルドー在住料理家。ダンラキュイジーヌ(Dans La Cuisine)主宰。
La société MT GESTION CULINAIRE共同代表(フランス)。
Alchemist.Pte.Ltdコーポレートシェフ(シンガポール)。

和洋中の料理を専門的に学び、著名な一流シェフのアシスタントを経験後、仏料理店『シェ松尾』で5年修行し独立。
クッキングスタジオでの料理教室開催、大手企業や海外一流ブランドのパーティーフードをシェフとして手掛け、人気を集める。アメリカ、シンガポール生活後、現在ボルドーを中心にフランス政府正規就労許可の元、料理教室、オンラインレッスンを開催。英語と仏語でも和食レッスンを行い、全国放送『F R A N C E3』にてお節料理を作り、自身の料理活動と共に紹介される。フランス料理だけでなく、和食、本格中華点心迄ワンランク上のクオリティーに仕上げるテクニックで国内外問わず活躍中。

https://instagram.com/mayumi_bdx