和食STYLE

日本名産紀行 柘いつか 第51回 山梨県北杜市 スペシャルな酒と農作物

作家/旅行作家 柘いつか – Itsuka Tsuge –

華やかな乾杯にふさわしい、日本酒文化の変革のきっかけとも言える酒
山梨県北杜市は、「ほしみの里」と呼ばれるほど、星空がきれいなところです。
銘酒『七賢』の初代蔵元・中屋伊兵衛氏が、信州高遠で代々酒造業を営んでいた北原家より分家し、白州の水の良さに惚れ込んで、この地で酒造業を始めたのは寛延3年(1750年)のこと。

以降、十代蔵元・北原庫三郎氏が山梨銘醸㈱を創立し、現在は十三代・北原対馬社長と、醸造責任者で専務の北原亮庫氏の元、次々と新商品を生み出しています。

平成27年(2015年)からは新たな可能性を目指し、スパークリング日本酒の販売を開始。7種類ある中で、今回ご紹介するのは、世界中で11ものフレンチレストランを展開し、日本ではショコラティエとして有名なアラン・デュカス氏と、デュカス・パリのエグゼクティブ・シェフ・ソムリエのジェラール・マルジョン氏とのコラボレーションで作り上げた「Alain Ducasse Sparkling Sake」(アラン・デュカス スパークリング サケ)。

無形文化遺産に登録された日本料理とともに、日本酒が国際的に認知されつつある昨今、アラン・デュカス氏の心の故郷、地中海からインスピレーションを得、ジェラール・マルジョン氏の描く味わいのディレクションを受け、北原亮庫は桜の樽での熟成、瓶内二次発酵という手法を用いてこのスパークリング日本酒を完成させました。

世界中に乾杯!と、言わせることのできる日本酒
山梨県の白州の水清らかなと地中海のインスピレーションを礎として、ジェラール・マルジョン氏とメゾン七賢が生み出した、独自のスパークリング日本酒は、ミネラルバランスがよく、食前酒からデザートまで食卓を華やかにしてくれる爽やかなパワーがとても魅力的なお酒です。
豊かな瑞々しさをたたえる泡立ちの中に、さくらんぼのニュアンスを持つ香りが漂い、樽熟成ならではの淡い苦みを帯びた甘味の波が押し寄せ、穏やかで心地よい余韻をもたらします。
これが日本酒?と、正直驚きながらも、心がウキウキとアガります。

アラン・デュカス スパークリングサケ
https://shop.sake-shichiken.co.jp/products/197

自然豊かな八ヶ岳南麓で持続可能な農業を目指す

標高約850mの北杜市八ヶ岳南麓にある岩窪農場。朝夕の寒暖差が大きく野菜が育ちやすい土壌など、おいしいお米や野菜をつくるにはとても適した場所です。

八ヶ岳から流れてくる清らかな水を使って減農薬に取り組み、見た目もきれいで元気な野菜を育てています。通年で30種類ほどの野菜、お米、イチゴを13haで栽培しており、多くの方にお届けしています。

生きているものを扱っているからこそ、循環する土作りの仕組みを地元のレストランと提携して行っています。そのほか、教育ファームなどの受け入れや農園レストランでの収穫体験、福祉施設との連携の事業や、ミニトマト(アイコ)を使った加工品も開発しています。

顔の見えるお客さんを大切に。安全で美味しい野菜を食べて欲しい願いを込めて
毎日作物と向き合い、約10年をかけて農場が作られました。
アイコミニトマト、とうもろこし、にんじん、マコモダケなど、通年で30種類ほどの野菜、お米、イチゴを栽培していて、地元のスーパーや都心のレストランなどに数多く出荷されています。

スタッフは新規就農者も多いですが、農園全体としてスタッフ教育にも力を入れています。農業が好きな人に長く働いてもらいたいので、効率化できるところは実施し、1年を通して人にも土地にもやさしい働きかたの仕組みも作っています。

できるだけ近い距離で野菜の鮮度を保ってお届けしたいので、地元スーパーや市場などに直接卸しています。して、わたしたちの野菜の旬をしっかりと消費者の方に届けていただくようにしています。

ふるさと納税、amazon、個人の販売は、野菜便として農場の採れたて新鮮野菜を宅配便にてお送りします。旬なお野菜を5品目程度、毎週水曜日に発送いたします。(ご注文はメールにて受け付けいたします/3,700円税込・送料込)
また、アイコのトマトを使ったケチャップやジュースなどは「YATSUGATAKE VEGETABLES」として、加工・販売しています。

3つ星より美味しい「よつぼし」いちご
甘味酸味風味がバランス良く揃っていて、3つ星よりさらによつぼし級に美味しい!という意味で名付けられました。
小渕沢は寒いので、大味ではなく、味が濃い新品種です。よつぼしは、糖度が7度前後と低めの人気いちごで、見た目もキラキラと美しく、パフェやタルトなどのスイーツにも最適です。

岩窪農園(メールにてご注文ください)
https://iwakubofarm.jp/#overview
iwakubofarm@gmail.com

「アイコ」だけでつくった濃厚トマトジュース
甘みが強く果肉が厚い、露地栽培の完熟アイコのみを贅沢に使っています。水や食塩などの添加物は一切使用していない、こだわりの100%ジュース。都内のKINOKUNIYA、明治屋などの高級スーパーや、六本木ヒルズのイタリアンレストラン、ゴルフ場(休憩時間に飲むと、パフォーマンスの高いプレーが出来ると意識の高いゴルファーの間で話題になっています)にも出荷され、健康的に喉を潤すドリンクとして喜ばれています。ビールで割る、レッドアイにしても美味しいです。ミニトマトならではの、糖度が高く濃厚な味が楽しめます。

八ヶ岳ベジタブル オンラインストア / YATSUGATAKE VEGETABLES
https://yatsuvege.stores.jp

柘いつか – Itsuka Tsuge –

作家。東京都生まれ。
世界50 カ国以上を訪れ、各界に多彩な人脈を持つ。山の生活のムーミン谷は卒業して、今度は海の生活のトカイナカ(都会田舎)に移住することを考えている今日この頃。
『一流のサービスを受ける人になる方法 極(きわみ)』(光文社)が好評発売中。ベストセラーとなった『別れたほうがイイ男 手放してはいけないイイ男』『成功する男はみな、非情である。』はアジア各国で翻訳された。
北海道の専門誌『カーピアセロム』で「いつかの世界通信」連載開始。
https://itsuka-k.com

この連載は今月をもって終了致します。
ご協力いただいた方々と、日本各地の素晴らしい名産品に出逢えたことをとても嬉しく思います。