和食STYLE

日本名産紀行 柘いつか 第42回 愛媛県大洲市 玉井民友商店の漬物

作家/旅行作家 柘いつか – Itsuka Tsuge –

大洲(おおず)においでたら、玉井漬庵に寄んなはいや
愛媛県大洲の心のしみる郷愁の味が、玉井民友商店にはあります。
創業1915年(大正14年)。青果店としてスタートし、1943年(昭和18年)に漬物店に衣替え。最初は「福神漬け」と「茄子の辛子漬け」をリヤカーや三輪駆動車で販売し、
成功を収めました。これら伝統の味はそのままの製法で、現在も作り続けています。

100年続く味は変えない。化学調味料、保存料、着色料不使用と無添加を貫く老舗
100年以上続く老舗は、今の玉井正一郎社長で3代目となり、長男で専務の友和さん、次男で常務の邦明さんと共に、どこまでも丁寧な下処理と安心な食材を食卓に届けるために、化学調味料、保存料、合成着色料不使用と無添加にこだわり、頑固一徹な仕事をしています。

「お漬物」という食文化を守り、新たな商品づくりにもチャレンジを!
現在は、地球温暖化で気候風土が変わり、白菜や大根など、夏は育ちにくい状況です。
そこで、若手の農家を中心に、大洲の気候に合った野菜を作り、加工するようになりました。玉井民友商店では、旬に取れる野菜を一気に漬けて保存し、常温保存できる商品を開発。以降、多くの新商品を生み続けています。

愛媛県は筍の生産量が全国7位。中でも「ええモンセレクション」に登録されている名物「筍のみそ漬」は、隠れた名産品です。
地元の筍を使用して、麦味噌は内子町産の熟成味噌を使用。一番のポイントは、麦味噌と一緒にじっくり漬け込んでいるところで、筍の食感と麦味噌との組み合わせが絶妙で、漬物というよりは料亭で出てくる惣菜に近いのが特徴。おかず感覚で食べられると、長年多くのファンがいます。
柔らかい歯ごたえで、シンプルに炊きたての白米といっしょに食べたり、お酒のおつまみとしてもたまりません。アルミホイルの上で焼き目をつけて 温かくしても美味しく召し上がれます。

同じく愛媛県産の筍を使った「穂先筍のメンマ風おつまみ」は、柔らかい穂先部分だけを贅沢に用い、しょうゆ味のメンマ風のおつまみにした商品です。コリコリ食感とピリ辛風味でご飯もお酒も進みます。

混ぜたい人の分だけ混ぜれば良い手軽さが自慢です
ちりめん梅高菜、穂先たけのこ、ひじきなど、各種「混ぜご飯の素」は、邦明さんの発案。
家族の中には、白いご飯を食べたい人もいる。そこで、炊き込むのではなく、2合の炊きたてご飯に混ぜるだけのものを作れたらと開発に3年の月日をかけました。山の幸、海の幸をふんだんに使用しており、化学調味料を使わず優しい味に仕上げています。

ロングセラーのお漬物とシンプルな浅漬け、おかず漬物、混ぜご飯の素の他にも、こっくりほこほこ体の芯から温まる、季節限定のお鍋セットもキャンプなどで大好評です。

柑橘を加えた「国産さつまいもの甘夏煮」は、愛媛県産のさつまいもを、特産品である甘夏でさっぱりと煮ました。おかず以外に、おやつ感覚でアイスクリームに添えるのもお勧めです。

オンラインショップ 玉井漬庵
https://tamai-tukean.shop-pro.jp

柘いつか – Itsuka Tsuge –

作家。東京都生まれ。
世界50 カ国以上を訪れ、各界に多彩な人脈を持つ。もうすぐムーミン谷は卒業して、新トカイナカ(都会田舎)に行くことを考えている。
『一流のサービスを受ける人になる方法 極(きわみ)』(光文社)が好評発売中。ベストセラーとなった『別れたほうがイイ男 手放してはいけないイイ男』『成功する男はみな、非情である。』はアジア各国で翻訳された。
https://itsuka-k.com