和食STYLE

日本名産紀行 柘いつか 第34回「みやざき地頭鶏(じとっこ)」

作家/旅行作家 柘いつか – Itsuka Tsuge –

宮崎が育んだ本格地鶏「みやざき地頭鶏(じとっこ)」
南九州の温暖な気候のなか、太平洋に面した日向灘にほど近い宮崎県日南市の自然豊かな大地の中で、「みやざき地頭鶏(じとっこ)」は育てられています。

名前の由来は、江戸時代にさかのぼります。日本在来種の鶏を飼育していた農家の人達が、極めておいしい肉であることから、島津藩の地頭職に献上しているうちに、この原種鶏を「地頭鶏」と呼ぶようになったと言われています。

「地頭鶏」生産羽数が非常に少ないため、昭和18 年に文部省から天然記念物に指定されました。この原種鶏の「地頭鶏」を軸に、交雑種の開発に取り組み、交配様式を確立させて誕生したのが「みやざき地頭鶏」です。

宮崎県は元来、ブロイラーの飼養羽数が全国1位という鶏王国です。
ブロイラーとは、外国から来た鶏で、50日間鶏舎の中で過ごして出荷されるため、「若鶏」と呼ばれています。
それに対して地鶏とは、「特定JAS規格」によって、血統や飼い方の条件を全てクリアしたものを言います。中でも「みやざき地頭鶏」は、宮崎生まれの地鶏で、のびのびと駆け回る環境下で、4~5ヶ月もの間飼育してから出荷される、自慢のブランド鶏なのです。

みなさまの「おいしい」が聞きたくて
「みやざき地頭鶏」の生産から販売までを担っている『こっこ家くまちゃん』では、環境・飼料・育成にとことんこだわり抜き、暑い日も寒い日も、1日も休まず温度や湿度・換気などを細かく調整しながら、快適な飼育環境で「みやざき地頭鶏」を育てています。

ちょっとしたストレスによって大きく食味が変化するデリケートな地頭鶏は、鶏舎の面積を広く保ち、直射日光を当てない室内で放し飼いすることで、ストレスなく快適に過ごせるよう飼育。鶏舎もオンラインを駆使し、24 時間体制で環境管理に努めています。

オスは約120日、メスは約150日かけて、体に良いものをゆっくりと食べて成長しているため、健康なのはもちろん、地頭鶏ならではの歯応えや、口に入れた途端に広がる、柔らかくジューシーでコクのある食味が育まれます。

炭火焼だけじゃない、「みやざき地頭鶏」の底力
宮崎県の地鶏料理といえば、炭火焼を思い浮かべる方が多いと思います。もちろん炭火焼もかなり美味しいのですが、「みやざき地頭鶏」は肉も皮もスープも絶品なので、これからの季節、鍋でいただくのもオススメです。
全くクセがなく、柔らかいのに弾力があり、滋味溢れる味わいに、きっと食卓が華やぐことでしょう。

こっこ家くまちゃん
https://kokkoya-kuma.shop/ec/

柘いつか – Itsuka Tsuge –

作家。東京都生まれ。
世界50カ国以上を訪れ、各界に多彩な人脈を持つ。ムーミン谷で人生初のトカイナカ(都会田舎)暮らしを始め、日本の良さを再認識している。
『一流のサービスを受ける人になる方法 極(きわみ)』(光文社)が好評発売中。ベストセラーとなった『別れたほうがイイ男 手放してはいけないイイ男』『成功する男はみな、非情である。』はアジア各国で翻訳された。
https://itsuka-k.com