和食STYLE

日本名産紀行 柘いつか 第28回 佐賀海苔@有明海一番

作家/旅行作家 柘いつか – Itsuka Tsuge –

奇跡の海、有明海が生んだ最高傑作
佐賀海苔は、生産量・販売額において 19年連続日本一と、極めて高い評価を頂いており、 栄養豊富な有明海のめぐみと生産者たちの匠の技から成り立っています。

世界有数の干満の差を誇る有明海は、多くの河川からのミネラル豊富な栄養塩が流れ込む恵み豊かな漁場で、1日2回の干出により旨みが凝縮されることで、佐賀海苔独特の味が作られます。

有明海の最奥部では、干満の差は最大で6m にも達します。満潮時には海に浸かっている海苔網が、干潮時になると海面から顔を出し、光合成が促進され、うま味成分のアミノ酸が増加し、より美味しい海苔になります。

さらに多くの河川が流れ込む有明海は、ミネラル豊富な栄養塩が流れ込み、淡水と海水が混ざりあい、海苔が最も柔らかく、美味しく育つ塩分濃度になっています。
ミネラル豊富な栄養塩は、有明海に注ぐ河川の上流域の山林からの恵みであり、かけがえのない森を守るため、有明海の漁業者自らが保全活動に取り組んでいます。

佐賀海苔は、生産者県の漁協が一枚岩となっての「集団管理方式」でつくられます。有明水産振興センターを中心とし、その年ごとの気象状況や海の様子を確認するのはもちろん、毎日の塩分や水温のデータはもちろん、定期的に「ノリ養殖情報」として海の状況等も共有。海苔生産者らが一丸となって品質管理や病害予防に取り組んでいます。

1万枚にわずか3枚しかとれない究極の一枚。佐賀海苔@有明海一番!
「山は富士、海苔は佐賀」と称される『佐賀海苔 有明海一番』を販売する会社の一つである㈱サン海苔は、日本を代表する海苔産地・佐賀の海苔生産者らが出資し、昭和39年に設立されました。以来50有余年、海苔の仕入れ、製造から販売までを一貫して行う県内最大の加工業者です。

穏やかな有明海と、太陽の光からの二つの栄養が惜しげもなくギュッと詰まった佐賀有明海産海苔の中でも、1万枚にわずか3枚しか名乗ることができない『佐賀海苔 有明海一番』は、
・うま味のもととなるタンパク質含有量が50%以上
・うま味と香りが「優良」なもの
・口どけが食感測定値20回以内のやわらかいもの
・色・ツヤ・形の美しいもの
・一番摘みの初物
・ひと網三百枚以内の厳選摘み
・育成記録により素性が明らかなもの
といった、7つの厳しい「おいしい海苔の評価基準」をクリアしなければなりません

海苔を食べて元気になろう! 1日2枚で健康的な毎日
佐賀海苔は艶のある黒紫色をしていて、火で焙るとサッと緑色に変わります。口どけがよく、香ばしさがあり、トロけるような甘みがあって、のど越しがいいのが特徴的です。

ビタミンA、ビタミンB1,B2、ビタミンC、鉄分、カルシウム、食物繊維、EPA、β カロチン、アミノ酸と、海苔の栄養価には、眼を見張るものがあります。

地元では、刺身などの海産物を海苔で巻いて食べるのが主流なのだとか。 江戸時代から食卓に上がっただけの価値はありますね。

佐賀県有明海漁業協同組合
http://www.jf-sariake.or.jp/page/feature.html

佐賀海苔 有明海一番
https://sannori.com/item/

佐賀城にて鍋島直正(閑叟)公と

柘いつか – Itsuka Tsuge –

作家。東京都生まれ。
世界50カ国以上を訪れ、各界に多彩な人脈を持つ。ムーミン谷で人生初のトカイナカ(都会田舎)暮らしを始め、日本の良さを再認識している。
『一流のサービスを受ける人になる方法 極(きわみ)』(光文社)が好評発売中。ベストセラーとなった『別れたほうがイイ男 手放してはいけないイイ男』『成功する男はみな、非情である。』はアジア各国で翻訳された。『月刊パセオフラメンコ10月号』にエッセイ掲載。
https://itsuka-k.com