和食STYLE

⽇本名産紀⾏ 柘いつか 第19回 なにわ黒牛

作家/旅行作家 柘いつか – Itsuka Tsuge –

緑豊かな和泉山脈で育った、大阪唯一の純粋な黒毛和牛
なにわ黒牛(くろうし)の定義とは、大阪産黒毛和牛で、三等級以上の雌牛のことです。
100%雌牛だから、去勢牛より1.9度低い融点。仔牛の血統は田尻系、気高系、糸系の掛け合わせで、血が濃くならない素牛を導入しています。

なにわ黒牛は、
・ 大阪府で栽培生産される農産物、畜産物、林産物
・ 大阪湾で採取された大阪府内の水揚げされる魚介類
・ 大阪の特産とも認められる加工食品
に与えられる『大阪産(もん)』認定を受けています。

有名ホテルやミシュラン店に多数出荷されている逸品。確かなプロの目が選んだ味
生産者の松田武昭さんは、長年の研究と熱い想いで、これからは「肉質」だけでなく、畜産農家に対する問題意識を強く持ち、将来世代を考えた牧場づくりのことや、本来の牛肉の味を残したいと考えています。

プロの料理人からは「肉質、脂が良質で(肉のキメの細かさと、不飽和脂肪酸を多く含む脂)本当に味があって美味しい」と評価されています。

牛飼いに休みは無く、寒暖の差が激しい季節は体調を崩しやすいので、健康管理に力を注ぎます。心を込めて牛と向き合い完熟を見極める職人だからこそ、美味しいお肉がつくることが出来るのです。
俗に言う霜降りや見た目でA4・A5 というランク付けを追求するのは生産者側のエゴにすぎません。

今、海外からは様々な牛肉が流通しています。価格競争に追い込まれ、和牛生産者が見失いかけている、味へのこだわりの想いをもう一度思い出していただきたい。
子供達に本来の美味しさを感じることが出来るように食の大切さを伝えていきたいです。

月6頭〜7頭しか市場に出回らない、希少価値のある極上なにわ黒牛
牧場では生後約9カ月齢の仔牛を導入し、常時170~200頭を飼育しています。全て雌牛で、阪南市の牛舎で21ケ月以上4~5数桝の畜舎で飼育管理し、ストレスを与えないようのびのびとゆっくり自然な状態で飼育しています。 

なにわ黒牛は雌牛100%にこだわり、出荷まで通常26カ月のところ、30カ月以上、長期肥育をおこない出荷しています。

粗飼料は、稲わらを中心に乾草のチモシースーダン等を与え、反芻動物の特性を十分に活かせるよう胃袋づくりを徹底しています。

濃厚飼料は大麦、とうもろこし、マイロ(日本名こうりゃん、乾燥暑さに強い穀物畜肉の油の色を調整)、フスマ(から粉繊維質、たんぱく質ビタミン、ミネラルを多く含む)、大豆の皮を与えています。

素材を活かした肉の味を楽しむには、焼き加減はミディアムレアで最初は塩、胡椒だけでいただく。上質な脂であっさりとした口溶けが味わえます。
そのため、自然の霜降り肉で、肉質が柔らかく脂があっさりとして高齢者の方にも大変、喜ばれています。

私は松田さんのアドバイス通り、素材を活かした肉の味を楽しむため、焼き加減はミディアムレアで、最初は塩、胡椒だけでいただきました。
今まで食べてきた牛肉は、一体何だったのだろう、と思うような柔らかい歯ごたえと、綺麗な味がしました。

なにわ黒牛 通販shop
https://www.naniwa-kuroushi-shop.com

柘いつか – Itsuka Tsuge –

作家。東京都生まれ。
世界 50 カ国以上を訪れ、各界に多彩な人脈を持つ。ムーミン谷でトカイナカ(都会田舎)暮らしを始め、日本の良さを再認識している。『一流のサービスを受ける人になる方法 極(きわみ)』(光文社)が好評発売中。
ベストセラーとなった『別れたほうがイイ男 手放してはいけないイイ男』『成功する男はみな、非情である。』はアジア各国で翻訳された。
https://itsuka-k.com