和食STYLE

日本名産紀行 柘いつか 第6回 川⼝農園の南張メロン

作家/旅行作家 柘いつか – Itsuka Tsuge –

キングオブフルーツは、こつこつと丹精込めた⼿作りの味
三重県志摩市浜島は、⼣⽅になると海岸道路をビン⽟(定置網の浮きとして使われた⼤きなガラスの⽟)のランプが点灯され、美しく輝き観光の⽬⽟の1つになっています。

2016年の伊勢志摩サミットのサミットワーキングランチにて、世界のVIPにも⾷材提供された特産品『南張(なんばり)メロン』は、天皇皇后両陛下献上品としても有名です。

川⼝農園では昭和5年に栽培が始まり、昭和39年には1年を通じて販売可能な周年栽培も加わり、昭和58年に朝⽇農業⼤⾂賞受賞しています。

⼀つ⼀つ⼿作業で、⼿間ひまかけて丹念に栽培された⼤⽟メロン。それぞれ1本の苗から、たった1個のメロンを育て上げています。

伊勢志摩のやさしい太陽の恵みを受けた南張メロンは、独自に育種育成し品種改良を重ねたオリジナルメロンです。
その時期に合わせた品種を種から作っており、小さくてかわいらしい、黄色いメロンの花が咲き、受粉も手作業で行い、土、水、温度、日照時間、全てを365日管理して育てています。そのため、みずみずしい食感と、メロンでありがちなイガイガのない上品な甘さが特徴です。

「美味しく召し上がれ」という声が聞こえるまで寝かせて待つ
カードには、何⽉何⽇とお召し上がり頃が書かれており、その⽇が来るまで箱から出して横に寝かせて⾷べごろまで常温で保管し、時々位置を変えます。その⽇が来るのが待ち遠しく、このゆらゆら揺らす作業がなんとも楽しいのです。そのうち⽇増しにだんだんと、いい⾹りがしてきます。

いよいよ⾷べる⽇には、冷蔵庫で2、3時間冷やします。カットして⾷べるのが通常ですが、ちょっと贅沢に半割りして種を取り、そこへブランデーを⼊れて果⾁をくずし⼀緒に⾷べる。シャンパンやシードルでもいいでしょう。
もちろん、そのままでもまるでシャンパンを⼊れたような芳醇な⽢みと酸味が味わえます。

暑い季節は冷やしていただくとたまりません。カットして、凍らせてシャーベット状にして、お⾵呂上がりにいただいても格別です。
あまり知られていませんが、寒い時期はホットメロンという果⾁を贅沢に使⽤したドリンクにもなります。
通常でも糖度の⾼いメロンが、ホットにすることで味わったことのない⾄福の⽢さを体感できます。

直営のスイーツが楽しめるメロン専門カフェ
2016年にオープンしたカフェ「MELON HOUSEかわぐち」は、県道730号線沿いにあります。ウッディな造りで、おすすめご当地グルメスポットとしてTVでも紹介されました。カットメロン、⽣メロンジュース、メロンクリームソーダ、⽣メロンパン、メロンサンド、メロンパフェ、メロンケーキにメロンシャーベット、メロンソフトクリームまで、全国からメロン好きが訪れます。

川⼝農園
https://melonhouse-kawaguchi.raku-uru.jp

柘いつか – Itsuka Tsuge –

作家。東京都⽣まれ。世界50カ国以上を訪れ、各界に多彩な⼈脈を持つ。
『⼀流のサービスを受ける⼈になる⽅法 極(きわみ)』(光⽂社)が好評発売中。ベストセラーとなった『別れたほうがイイ男 ⼿放してはいけないイイ男』『成功する男はみな、⾮情である。』はアジア各国で翻訳された。
https://itsuka-k.com