和食STYLE

新連載☆開けてみたら大赤字!老舗和菓子屋6代目就任 ギャル若女将奮闘記①

中山道6番目の宿場町桶川宿にて明治20年に創業した「五穀祭菓をかの」
歴史ある老舗和菓子店に生を受けた榊萌美さん(27歳)の若女将奮闘記がスタートです。

「はじめまして!創業1354年の和菓子屋『五穀祭菓をかの』六代目女将の榊萌美と申します。埼玉をこよなく愛する埼玉生まれ埼玉育ちの27歳、元々ギャル系のアパレルショップで働いておりました。」

高校時代、親の目を盗んでは夜中に抜け出しコンビニでたむろ、埼玉県の渋谷的存在“大宮”を闊歩、クラブで夜更かし、といったギャル活動の王道をいっていた萌美さん。
その当時はやりたいこともはっきりせず、文字の通り「ふらふらしていた」萌美さんが、実家の和菓子屋へ就職しようと思ったきっかけは、小学校卒業式での真っすぐすぎる自分に偶然にも再会することができたから……。

記憶に新しい北京オリンピックで美しいスポーツマンマインドを見せてくれた羽生結弦選手も実は同じ、小さな頃の自分が今の自分に素敵な転機をもたらしてくれる、そんな経験が読者の皆さんにも大なり小なりあるのではないでしょうか?
とある日、ご近所のおばさんに偶然道で出会い交わしたたわいもない会話から始まりました。
「萌美ちゃんは小学校の卒業式で大きくなったら実家を継ぐって言っていたわよね!」
といわれ、本人もすっかり忘れていたことをひょんなきっかけで思い出したギャル萌美さん。

「思わず、そのまま家に直行して卒業式のビデオを再生したのです。そこには明るすぎるライトに照らされ真っ白になりながら、まっすぐ前を見つめ大きな声で『をかのを継ぎます!』と言う小学生の自分の姿があった。その光景を見た瞬間。今までにないほど胸が高揚して心臓が弾けそうになった。そうだ。私は大好きなお店を継ぎたかったんだ。お店を愛してくれる人たちと、大好きな桶川市で。」

幼少期賑やかだった商店街の過疎とともに、少女萌美さんの熱い思いも薄まってしまっていたよう。
もともとは真っすぐな性格で『人のためになりたい』という思いがあり心理カウンセラーや教師になることを夢見ていた萌美さん。
「実家の和菓子屋を継ぐことも人のためになるのでは!」と一念発起。教職を目指していた大学の退学を決めてまずは社会勉強ということでアルバイトをしていたギャル系アパレルメーカーに就職。約2年の社会生活を経ていよいよ135年の歴史を持つ家業へ入社することになるのです。

次号『こんな凄いのに、どこか魅力的じゃない・・・』実家に入社した20歳ギャルが目の当たりにする老舗の現状とは⁉

~つづく~

五穀祭菓をかの
https://wokano.official.ec

榊萌美(さかきもえみ)
Instagram  https://www.instagram.com/moemi_nu/
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