和食STYLE

日本名産紀行 柘いつか 第1回 別海町のジャンボホタテ

作家/旅行作家 柘いつか – Itsuka Tsuge –

毎週、日本全国の美味しい素材をご紹介するのがこの企画です。
トップバッターは北海道から。私は度々、北海道を訪れており、札幌、小樽、函館、白老、登別、洞爺、支笏、十勝、旭川、富良野、阿寒を旅してきました。今回はさらに東へ。
北京オリンピック銅メダリストの森重航選手をはじめ、新濱立也選手、旗手を務めた郷亜里砂選手と、3人ものスピードスケートのスターを生み出した、今話題の別海町。東京・別海ふるさと会の新家鶴男会長と親しくさせていただいていているご縁もあって、海産物の宝庫である野付半島の名産品をご紹介致します。

東京から直行便でひとっ飛び︕
別海町は北海道の東部に位置し、総面積は約1320㎢。この町だけで東京 23 区を合わせた面積の 2 倍以上にもなります。広大な土地に、約15000人の町民と、約 11 万頭の牛たちが暮らしています。

どこまでも続く緑の⼤地と、⽇本⼀広い⻘空。 原をかけるエゾジカの⼤群や、 ⿃たち。
沿岸では秋サケ、アサリ、ホッキ、ホタテや、希少価値の⾼い北海シマエビなど、さまざまな海産物が⽔揚げされています。夜空を埋め尽くす満天の星は神様の宝⽯箱と⾔われています。

ジャンボホタテが育つ理由
野付(のつけ)沖の天然ホタテは、とにかく肉厚で、びっくりするほど大きくて甘いのが特徴です。
そのおいしさの秘密は海にあります。野付半島から国後(くなしり)島までは、最短で 16 キロメートル。この狭い海峡に、エサとなるプランクトンを豊富に含んだ潮が勢いよく流れ込むため、旨味の元グリコーゲンが多く含まれており、栄養分たっぷりで最高品質のホタテを育てるのです。
大きさも自慢で、殻長 15cm 前後の中身は貝柱 2L サイズ(16~20 粒で 1kg)のものから 3L サイズ(11~15 粒で 1kg)のものまであり、これぞ「ジャンボホタテ」と呼ばれるゆえんです。

お勧めの食べ方はルイベ︕
真っ白な陶器のような色合いのルイベとは、アイヌ語で「凍った」という意味で、芯のある柔らかさまで解凍された状態のまま、シャリシャリの状態で口の中へ……。コリコリとした歯ごたえと素材の味が愉しめます。
ジャンボホタテの貝柱を、鮮度と美味しさを逃さずに急速冷凍した状態をを「⽟冷」と言います。ひんやりとした歯触りと、噛めば噛むほど広がる甘みが特徴です。
コクのある味わいととろけるような舌触りを1度体験したら、もう虜です。

他にも、お刺身はもちろん、バター焼きやフライにしても美味しくいただけます。
現地では、ホタテの春巻きを挟んだ、新・ご当地グルメ「別海ジャンボホタテバーガー」が人気を集めています。

「ほたて貝柱『玉冷(たまれい)』」
野付漁業協同組合直売店 HP
https://jf-notsuke.jp/gyokumi/kaimo.html

のんびり草を食む牛たちと、しぼりたての牛乳。別海町の生乳生産量は「日本一」です。
クリーミーな味わいと爽やかな風味で、ほんのり塩味の効いた発酵バターも絶妙な組み合わせでオススメです。

「べつかいのバター屋さん」
べつかい乳業興社 HP
http://betsukai-milk.com/

協力︓別海町観光協会
https://betsukai-kanko.jp

柘いつか – Itsuka Tsuge –

作家。東京⽣まれ。世界50カ国以上を訪れ、各界に多彩な⼈ を持つ。
『⼀流のサービスを受ける⼈になる⽅法 極(きわみ)』(光⽂社)が好評発売中。ベストセラーとなった『別れたほうがイイ男 ⼿放してはいけないイイ男』『成功する男はみな、⾮情である。』はアジア各国で翻訳された。
http://www.itsuka-k.com