和食STYLE

文化遺産にふさわしい店「この一品」 新・和食めぐり㉖大阪とらふぐの会 Kimiyo Tokyo 赤坂の「とらふぐのからあげ」

冬のふぐ料理は抜群に美味しいが、抜群に値段も張る。今回紹介する『大阪とらふぐの会 Kimiyo Tokyo 赤坂』は専門店ならではの高品質で、ふぐのフルコースを比較的リーズナブルな価格で提供している。
もちろん味わいも絶品だ。ただし、店は会員制となっているので、訪問には必ず会員の紹介が必要となる。今回は、その最初の難関を突破する秘策も併せて紹介したい。

隠れ家のような会員制店舗でいただく
気品ある味わいの「とらふぐのからあげ」

大阪とらふぐの会 Kimiyo Tokyo 赤坂
東京都港区赤坂4-5-21 バルミー赤坂1F
電話番号は非公開
https://tora29.com/tokyoakasaka/

真冬の王道の味覚といえば、真っ先の思い浮かぶのがふぐである。日本料理を代表する味わいのひとつだが、とにかく値段が高く、そこは頭の痛いところだ。ふぐの美味しさを丸ごと味わえるフルコースを食べるとなったら、まずは、かなりの金額が飛んで行くのを覚悟しなくてはならない。
そこで、私はふぐが食べたくなったら『大阪とらふぐの会 Kimiyo Tokyo 赤坂』を思い浮かべる。『大阪とらふぐの会 Kimiyo Tokyo 赤坂』はふぐの専門店で、メニューはフルコースのみの2万1,800円(税、サービス料込)。
もちろん安いとは言えないが、このレベルの専門店では、この倍をとる店もある。さらに、値段の予想がつかない「時価」を掲げる店もあるので、最高級ふぐのフルコースにしては比較的リーズナブルで安心感がある。

ただし、この店を予約するには条件がある。『大阪とらふぐの会 Kimiyo Tokyo 赤坂』は会員制を取っているため、予約にはファミリーと呼ばれる会員と一緒に来店するか、会員の紹介が必要なのだ。まずは、美味しいもの好きな知り合いに会員がいないかツテを探してみてほしい。

それでも、どうしても『大阪とらふぐの会 Kimiyo Tokyo 赤坂』の会員が見つからないという人のために、今回は最新の奥の手情報も併せて紹介しよう。
この連載が掲載される2022年1月頃、東京の人形町に姉妹店の『錦ふぐKimiyo Tokyo 人形町店』がオープン予定となっている。人形町店も赤坂店と同様に会員制となっているが、週に2回程度、誰でも予約が可能な日が設けられている。
予約開放は、他の系列店でも初の試みなので、きっと大人気になるに違いない。詳しいオープン日や予約日等は、直接、店舗の公式ホームページを見て確認してもらいたい。

お薦めの一品はコースの中に組み込まれている「とらふぐのからあげ」である。
サクっとした衣の食感とゼラチン質をたっぷり含んだ弾力のある身が一体となって、食べると気品のある旨みが押し寄せてくる。私は、あらゆるからあげの中でもふぐが一番好きで、骨についたわずかな身も残さずに食べきるほど。
だから、いろいろなところで食べ比べてきたが、やはりここの「とらふぐのからあげ」の味わいは最高だと思っている。
ぜひ、会員制という最初の難関を乗り越え、一度は味わってほしい。もちろん、他の料理も絶品なので、それはお忘れなく。至福のシンフォニー!

プロフィール
川原 秀仁(かわはらひでひと)

街のにぎわいを創生し、建築に様々な役割を与える「施設参謀」として日本全国を飛び回る。事業と建築、和食という一見異なるジャンルの中で、伝統に基づいた本物の技術に着目。無形文化遺産として登録された和食の普及にも公私にわたり努めている。株式会社山下 PMC 代表取締役社長。

https://www.ypmc.co.jp/