和食STYLE

文化遺産にふさわしい店「この一品」 新・和食めぐり㉒もつ鍋 やましょう 人形町店のもつ鍋

冬になると必ず食べたくなるのがもつ鍋だ。九州では牛もつを使った醤油味のものをちゃんぽん麺で締めるのがお約束となっている。
本場のもつ鍋の味わいそのままに、リーズナブルな価格で食べられる『もつ鍋 やましょう 人形町店』は私が長年通う馴染みの一軒だ。
和牛もつはぷりぷりとしていて、つやつやの見た目からもわかるほどの新鮮さが自慢。店内は広く、大小の集まりにも最適である。

ぷりぷりの和牛もつがたっぷり入り
本場のもつ鍋が気軽に楽しめる

もつ鍋 やましょう 人形町店
東京都中央区日本橋人形町2-25-19
03-3249-2015
https://www.motu-yamasyou.com/store/#ningyouchou

肌寒い時期になると、誰でも鍋料理が恋しくなるはずだ。
九州出身の私の場合、冬になると必ず食べたくなるがもつ鍋である。今回は本場九州の味がそのまま味わえる店を紹介したい。
『もつ鍋 やましょう 人形町店』は以前の職場から近かったこともあって長く通っている店だ。神楽坂店や市ヶ谷店も人気だが、今でも人形町店に自然と足が向かう。本店は博多にあり、東京の各店舗でも福岡や佐賀を中心とした食材がふんだんに使われている。
店の外観は江戸情緒たっぷり、店内はシンプルな和モダン・スタイルですっきりと統一されているので、九州出身者ではなくてもゆったりと食事が楽しめる落ち着いた空間にまとめられている。
さらに嬉しいことに器は佐賀県の有田焼を使用するというこだわりぶりで、友人や家族での集まりから忘年会や新年会といった宴会にも適した店だ。

『もつ鍋 やましょう 人形町店』で私がオーダーしているのは、もちろん「もつ鍋」ばかり。味噌味に辛味噌味とバリエーションもあるが、やはり馴染み深い王道の醬油味をいつも選んでいる。知らない人も多いが、九州のもつ鍋は豚もつではなく牛もつを使うのが一般的だ。
もちろんこの店の「もつ鍋」には臭みのまったくないぷりぷりとした和牛もつがたっぷりと使われていて、口へ運ぶたびにトロっとした甘みと旨みが広がる。新鮮なニラやキャベツと合わせて食べると、まさにパラダイスが広がっているかのようだ。
特にやさしい味わいのキャベツには、もつから出た旨みと美味しい脂がよくしみ込み、噛みしめれば噛みしめるほど、その深い味わいが長く楽しめる。鍋の締めには雑炊やうどん玉等が用意されていて、どちらも絶品の美味しさである。
しかし、根っからの九州人の私は、毎回のようにちゃんぽん玉を選んでしまう。

鍋以外にもゴマサバや馬刺しといった九州らしさが感じられるアラカルトの料理があり、酒どころとして有名な佐賀の銘酒も数多く揃っている。嬉しいことに『もつ鍋 やましょう 人形町店』はコストパフォーマンスも最高なので、気軽に足を運んで、お腹いっぱいに九州の味わいそのままの「もつ鍋」をぜひ楽しんでほしい。

プロフィール
川原 秀仁(かわはらひでひと)

街のにぎわいを創生し、建築に様々な役割を与える「施設参謀」として日本全国を飛び回る。事業と建築、和食という一見異なるジャンルの中で、伝統に基づいた本物の技術に着目。無形文化遺産として登録された和食の普及にも公私にわたり努めている。株式会社山下 PMC 代表取締役社長。

https://www.ypmc.co.jp/