和食STYLE

おうちごはんが楽しくなる「和の器と道具」 ⑤茶碗の黄金比率でつくられた、5つの陶磁器名産地の「THE飯茶碗」

「THE 飯茶碗」は、人の手に沿うよう持ちやすい形状を追求して、有田(佐賀県)、清水(京都府)、信楽(滋賀県)、瀬戸(愛知県)、益子(栃木県)という異なる5つの陶磁器名産地でつくられた飯茶碗です。

物差しがなかった時代、人は身体の一部を使って、モノの長さや大きさをはかってきました。THE 飯茶碗の口径12cmは、両手の人差し指と親指で円をつくったときの直径とほぼ同じ。そして高さ6cmは、茶碗にそえる親指の長さから導きだされました。茶碗の底を支える人差し指と、側面にそえる親指の長さの比率は2:1ですから、これが手になじむ黄金比率なのです。

黄金比率でつくられた同じ形状の茶碗でも、産地によってその風合いや手触りは大きく異なります。それぞれの違いを味わえるよう、色はすべて白で統一。窯のなかの火加減や場所、季節や時期によって、どれもまったく同じ焼き上がりにはならないのも、焼きものの魅力のひとつです。

お気に入りの産地のものをそろえるもよし、産地違いを集めるもよし。お好みに合わせて、自由な組み合わせを楽しんでください。

【有田(佐賀県)】
透きとおるような白さの磁器が、国内はもとよりヨーロッパの王侯貴族をも魅了した有田焼。THE 飯茶碗「有田」は、柄杓(ひしゃく)掛けという釉薬の表情が出やすい技法を用いてつくられています。

【清水(京都府)】
清水寺への参道である五条坂界隈に窯があったことから、名づけられた清水焼。THE 飯茶碗「清水」は、色絵付けの下地となる白土の化粧掛け(粉引技法)でつくられた、味わいのある風合いが魅力です。

【信楽(滋賀県)】
日本六古窯のひとつで、耐火性と可塑性に優れた陶土が付近の丘陵から豊富に採れる信楽焼。THE 飯茶碗「信楽」は、自然の土味や土の白さを楽しめるよう、釉薬を掛けずに焼き締められています。

【瀬戸(愛知県)】
陶磁器を指す一般名詞になるほど、東日本で広く流通した瀬戸焼。THE 飯茶碗「瀬戸」は、古染土(貫入土)と呼ばれる瀬戸ならではの陶土を用い、貫入(釉薬のヒビ割れ)が見えやすい透明釉が施されています。

【益子(栃木県)】
江戸後期には、幕府への献上品を焼くための「御用窯」として栄えた益子焼。THE 飯茶碗「益子」は、益子六釉のひとつである糠白釉を茶碗全体に掛けることで、土味をおさえて仕上げられています。

THE 飯茶碗(信楽/有田/清水/益子/瀬戸) 各2,530円
※税込価格

THE  https://www.the-web.co.jp/
構成 山本千尋