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伝統を守り、新しきを求めるトルコブルーの丹波立杭焼き

兵庫県の真ん中に位置する、丹波。
奥深い山奥に、鎌倉時代から作り続けられている立杭焼きがあります。 「丹波立杭焼き」として国の伝統的工芸品指定を受けています。 灰釉や鉄釉などによる素朴で飾り気のない器は、ほっこりと厚みのある 生活用器として使われてきました。

丹波立杭焼きの特徴は「灰かぶり」という独特の色と模様です。
登り窯で約 60 時間焼き、最高温度は 1300 度に達すると、 燃料の松薪の灰と、土に含まれる鉄分や釉薬が溶け合って化学反応を起こすことで さまざまな模様や色合いになって表れるのです。 土の鉄分と反応するので、立杭焼きは赤茶の器が多くみられました。

雅峰窯の市野秀之さんの目の覚めるようなトルコブルーのお皿は、 彩り豊かな釉薬を駆使して作られます。
意外ですが、水色のお皿は、煮物や焼き魚、揚げ物、お刺身や冷んやりとした オードブル、素麺などにも合い、色々なお料理を引き立ててくれます。

よく見ると、透明感のあるトルコブルーの部分に、貫入(かんにゅう)と言われる 細かなヒビが入っています。二つとして同じものはなく、それゆえ、趣があり、 さらに愛着もわく器なのです。

器は同じ作家が全く同じ材料で作ったとしても表情はさまざま。
造り手の意図ではなく、自然の炎の力によってデザインされることもあります。

西洋の考え方では欠陥とみなされる不揃いの形も、日本では器の景色として 受け入れられ、その自然が生み出した偶然の「美」を慈しまれます。
年齢を重ねる美しさがあるように、器も日々のお料理に彩られながらエイジングしていく……

器にもともとあった貫入が、使っていくことにより育ち、趣のある表情になっていく。 ゆっくりと、味わいながら、器と一緒に暮らしていきたいものです。

最近は、可愛いピンクの器も人気だとか。 伝統の技術と、新しい感性が融合した器たちです。

雅峰窯
兵庫県篠山市今田町上立杭355
079-597-2107http://www.gahougama.com/
陶芸工房で、世界でたった一つの陶器づくりに挑戦できる陶芸教室もあります。
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