和食STYLE

古都奈良で、いにしえの日常食と和漢方に癒される旅 「ふふ 奈良」で蘇の飛鳥鍋を食す

 

いつもとは違う 2020 年。コロナ感染拡大防止策の移動規制によって旅行やレジャーが思うようにできない日々が続きましたね。そしてようやく県をまたぐ移動が可能になったいま、どこを旅しましょう? こんな時だからこそ、この素晴らしい国『日本』をじっくり探訪してみませんか。大人になって改めて訪れる地で新しい発見があるかもしれません。

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今年 6 月に奈良公園内にオープンしたラグジュアリーホテル「ふふ 奈良」は、東大寺へも徒歩圏内とあって今注目のデスティネーション。世界的建築家・隈研吾氏の基本建築デザインで自然に溶け込むクラシックモダンな設え。一歩中に足を踏み入れると施設内は無垢の木の素朴な温かさと墨色のコントラストが優美で、まるで水墨画の中に迷い込んだようで古都奈良の空気にとても馴染んでいるように思えます。

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客室は全 30室すべてが異なるしつらえで、床に座るかつての日本の住宅の憩いの場をとりこんだモダンながらも落ち着く空間。テラスでは奈良の神聖な空気を感じながらの露天風呂も楽しみのひとつ。天然温泉に加えて客室アメニティの「和漢の香りの湯」は奈良に伝わる大和当帰をはじめ 10種類以上の和漢植物だけがブレンドされた入浴剤、和漢の香り湯が旅の疲れを癒してくれます。

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ホテルから出て竹林を抜けたところにあるお食事処「滴翠」では、新鮮な大和野菜や大和牛をはじめとした古人から受け継がれた食材をふんだんに使った目にも美しく体にやさしい料理が楽しめます。 京都とはまた違う歴史の重みをもつ奈良ならではの伝統食の扉を開いてみましょう。

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焼物:大和牛和紅茶焼き 推古天皇時代(611 年)に国内では最初の薬草という概念が伝わり、「男性は鹿を狩り女性は薬草を摘む」という文面が日本書紀に記されており、その生薬の発祥の地が奈良なのです。伝統的に伝わる和漢植物である、柿の葉・大和当帰・ドクダミを燻して香りづけた大和牛は柔らかく、部屋いっぱいに広がるありがたい燻しの香りもそのうま味を引き立てます。

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鍋:飛鳥鍋 飛鳥鍋は奈良の郷土料理のひとつ。牛乳ベースのスープで煮込む鍋料理ですが、こちらではシグニチャー料理として蘇をベースのスープに溶かしてあります。飛鳥の蘇とは日本最古の乳製品で、牛乳を手寧に煮詰めたキャラメル状のもので濃厚なうま味と甘みのある保存食です。オマール海老と蘇の濃厚なスープにウイキョウのさわやかさがアクセントに。奈良の地酒との相性は言うまでもなく。

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歴史ある庭園を眺めながら愉しめる「日本料理 滴翠」はランチ、カフェタイムは一般にも営業。 コロナ禍で観光客が減りすこしほっそりした鹿たちに鹿せんべいをあげに奈良探訪、いかがでしょうか。

ふふ 奈良 奈良県奈良市高畑町 1184-1 0742-81-7738 https://fufunara.jp

日本料理 滴翠 (てきすい) ランチ 11:30~15:00 / カフェ 11:30~16:00 0742-81-8236