朝のゆとりのなさと子からの偏ったリクエスト(肉)とで、マンネリになりがちなお弁当作り。
毎日のことだからレシピのストックは常に品切れ……そんなあなたに野口さんの心得は福音の書となるはず。
主菜も副菜も、あなたのバリエーションを広げるコツ&レシピを大公開します。
- 冷めたらおいしくなるおかずを厳選。
つくおきはほとんどしない! - おかずは当日朝の作りたてがいちばん。冷める過程で味がなじむ焼き物や炒め物をメインにします。絶対にアツアツのほうがおいしい揚げ物や、ぬるくなると台無しなサラダなどは無理に入れません。
- 朝起きて真っ先にするのは
炊きたてのご飯を冷ますこと。 - お弁当の真の主役は「ふっくらとしてベタつかない冷やご飯」。早朝、タイマーで炊きあがるご飯を曲げわっぱのお弁当箱(またはおひつ)に移し、そのまま冷ませば、もう8割はできたようなもの。
- おかずはフライパンor鍋
ひとつで調理する。 - 洗い物の手間を省くためにも、おかずはフライパンや鍋ひとつで調理するのが基本。2品以上作る場合は、野菜を炒めた後で肉や魚を焼くなど順番を工夫。ときにはレンジも上手に利用して。
- 前の晩に残った食材もそうと
悟られないようにアレンジ。 - おかずの流用はしないけれど、残った素材をアレンジして別の料理にするのはあり。お刺身の残りに醬油を振っておき漬け焼きにしたり、おやつのふかしいもをシロップに浸けて箸休めにしたり。
- いちばん強い味方は…梅干し!
- 日の丸弁当でおなじみの梅干しは、理にかなったお弁当の味方。素材が傷むのを防ぎ、体調を整え、酸味で口をさっぱりさせます。赤紫蘇をたっぷり使った昔ながらの赤い梅干しは、差し色としても活躍。
- 盛り付けはぎゅうぎゅう詰めに。
毎日の果物は別容器に。 - 密閉式でなくても、中身をぎゅうぎゅうに、ナプキンでキュッと包めば汁漏れなし。果物はぬるくならないよう別容器に保冷パックを添えて。
料理雑誌の編集者を経て料理研究家に。娘さんが中学生になって、毎朝お弁当を作り始めて1年あまり。昔ながらの家庭の味をベースに、手間なく作れて家族みんなに愛される、体にいいレシピが好評。著書に『きょうの一汁二菜』(主婦と生活社)など。不定期で少人数制の料理教室を開催。
❶ 菜の花のオイル蒸し
材料
菜の花…1束、塩・こしょう…各適量、オリーブ油…大さじ2
作り方
- ❶菜の花は、束をほぐして水にさらし、パリッとさせてから半分に切る。
- ❷フライパンにオリーブ油、①を入れ、塩・こしょうをふり、蓋をして弱火で蒸し焼きにする。
❷ 鶏ささみの梅肉和え
材料
鶏ささみ…3本、梅干し…大1個、塩・こしょう…各適量、
酒…大さじ1、ごま油…大さじ1
作り方
- ❶鶏ささみは耐熱皿に入れ、塩・こしょう・酒で下味を付け、ラップをしてレンジで3~4分加熱し、そのまま余熱で火を通す。
- ❷冷めたら、手で大きめのひと口大にほぐして水けを切り、手でちぎった梅干し、ごま油で和える。
❸ ピーマンのおかか和え
材料
ピーマン…3個、鰹節…1パック、醬油…少々
作り方
ピーマンは細切りにし、耐熱容器に入れ、ラップをしてレンジで2分加熱。そのまま余熱で火を通し、鰹節、醬油で和える。
❹ メカジキの酢照り焼き
材料
メカジキ…2切れ、片栗粉…小さじ2、
合わせ調味料 醬油・酒・酢…各大さじ2、砂糖…大さじ1、油…少々
作り方
- ❶メカジキは表面の水分を拭き、ひと口大に切り、片栗粉を全体にまぶす。
- ❷フライパンに油を熱し、①の両面に薄く焼き色を付け、合わせ調味料を全体に絡めながら焼く。
❶ 豚肉のバターぽん酢ソテー
材料
豚肉(しょうが焼き用)…200g、塩・こしょう…各適量、
片栗粉…小さじ2、ぽん酢…大さじ2、オリーブ油…大さじ1、
バター…大さじ1
作り方
- ❶豚肉は塩・こしょうで下味を付け、片栗粉を薄くまぶす。
- ❷フライパンにオリーブ油、豚肉を入れて中火でソテーする。色が変わってきたらぽん酢を加え、仕上げにバターを加え全体に絡める。
❷ キャベツのカレー炒め
材料
キャベツ…2枚(細切り)、オリーブ油…大さじ1
A カレー粉…小さじ1、砂糖…少々、塩・こしょう…各適量、
酒…小さじ1
作り方
フライパンにオリーブ油を熱し、キャベツを入れ炒める。しんなりしたらAを加え、全体になじませる。
❸ 鮭のバターぽん酢焼き
材料
生鮭…2切れ、片栗粉…小さじ2、しいたけ…小4枚、ぽん酢…大さじ2、
オリーブ油…大さじ1、バター…大さじ1
作り方
- ❶鮭は表面の水分を拭き取り、片栗粉を全面にまぶす。しいたけは半分に切る。
- ❷フライパンにオリーブ油を熱し、①の両面をこんがりと焼く。しいたけも加えて炒め、ぽん酢を全体に絡め、バターを絡める。
❹ さつまいものレモン煮
材料
ふかしたさつまいも…2本(細めのもの)、
A 水…1カップ、砂糖…大さじ5、レモンの輪切り…2枚
作り方
Aを煮立てたシロップに、1㎝厚さの輪切りにしたさつまいもを浸けて冷まし、清潔な保存容器で冷蔵保存する。
❶ にんじんとたらこのしりしり
材料
にんじん…1本(細切り)、たらこ…1本、ツナ(缶詰)…小1缶、
酒…大さじ1、塩…少々
作り方
- ❶ボウルにほぐしたたらこ、酒を入れて混ぜる。
- ❷フライパンにツナを油ごと入れて熱し、にんじんを炒め、しんなりしたら①を加え炒め合わせ、塩で調味する。
❷ 手作りなめたけ
材料
えのき…4パック、
A 醬油・酢・酒・だし汁・みりん…各1/3カップ、砂糖…大さじ1
A カレー粉…小さじ1、砂糖…少々、塩・こしょう…各適量、
酒…小さじ1
作り方
- ❶えのきは根元を切り落とし、半分の長さに切る。
- ❷鍋にAを煮立て、①を加えくたくたになるまで煮る。
❸ 三つ葉のたらこ炒め
材料
三つ葉…2束、たらこ…1本、酒…大さじ1、油…大さじ1
作り方
- ❶三つ葉は根元を切り落とし、4㎝長さに切る。
- ❷ボウルにほぐしたたらこ、酒を入れて混ぜる。
- ❸フライパンに油を熱し、①を炒め、②を加えてざっと炒める。
❹ ブロッコリーのごま和え
材料
ブロッコリー…1/2株、
A すりごま…大さじ2、砂糖……小さじ1、醬油…小さじ2
作り方
- ❶ブロッコリーは小房に分けて塩茹でし、しっかり水けを切る。
- ❷ボウルにAを合わせ、ブロッコリーを和える。
❺ 漬け焼き
作り方
前の晩に残った刺身に醬油適量をかけ、冷蔵庫でひと晩おく。オリーブ油で両面を焼く。
❻ たらこ豪快に一本焼き
作り方
魚焼きグリルにアルミホイルをしき、たらこ1本をのせてこんがりと焼く。
ライター
伊藤由起 (49歳)
STORY創刊時からフードページを担当。食への興味は尽きず、いまだ育ち盛り。好きな言葉は「具だくさん」。
冷めても軟らかく、味がしみてご飯が進む!
育ち盛りの男子のように肉好きな私ですが、「メカジキの酢照り焼き」には大満足。後味はさっぱりしていて、また食べたくなる。
撮影/福田喜一 料理・スタイリング/野口真紀 取材/伊藤由起 デザイン/mambo西岡(ma-h gra)
※レシピはすべて2人分です。
STORY 2019年3月号より