記録的な猛暑が続く今年の夏。気象庁によると、8月・9月も例年以上の暑さになるそう。
聞くだけで思わず気が滅入ってしまいますが、
そんな時にこそ美味しさが増すのが日本の夏の風物詩「そうめん」です。
日本には数多くのそうめんの産地がありますが
「味なんてどこも同じ」だなんて思ってはいませんか?
風土が異なれば原料や製法も異なります。太くて噛みごたえがあるもの、
絹糸のようにしなやかなもの、背丈ほどに長いものなど、産地ごとに様々な特徴があるんです。
そんな日本全国の名だたるそうめんの中から、今回は7種をピックアップ。
お気に入りのそうめんを見つけて、食べて、まだまだ暑い日の暑気払いはいかがでしょうか。
※商品価格はすべて税込です
奈良県三輪素麺工業協同組合
三輪そうめん
日本のそうめん文化の源流はどこにあるのか。
その歴史をさかのぼると辿り着くのが、奈良県桜井市の三輪地方。この地では、2つの川による豊富な水とはっきりとした四季によって良質な小麦が栽培され、古くからそうめん作りが発達してきました。
江戸時代になり、三輪がお伊勢参りの宿場町として栄えると「三輪そうめん」はその美味しさで訪れた人々を魅了。
日本各地の名産品を紹介した当時の書物「日本山海名物図絵」では「大和三輪素麺名物なり 細きこと糸の如く 白きこと雪の如し 茹でて太らず 余国より出ずる素麺の及ぶところにあらず」と絶賛されたほど。「三輪そうめん」の味の虜となった人々が、手延べそうめんの技法を播州、小豆島、島原などへ伝え、そうめんは日本を代表する麺料理になったのです。
現代の「三輪そうめん」は、1200 年ともいわれる手延べ製法の基本を守り、厳選した小麦粉と塩を使って小麦の風味を生かして製造しています。
出来上がったそうめんはすぐには出荷せず、乾麺のまま梅雨を越させるように木箱で貯蔵。あえて高温多湿の環境に置くことで小麦のグルテンが変性し、煮崩れしにくくコシがある独特の歯ごたえを生み出しています。
「三輪そうめん」は等級によって麺の細さが異なり、最高等級の「神杉」は50gあたり600本から650本という圧倒的な細さ。
その上品な口当たりは、日本のそうめんの祖「三輪そうめん」の手延べ技術の真髄ともいえる出来栄え。悠久の時を超えて受け継がれてきた、本物の味をお試しあれ。
〈お問い合わせ先〉奈良県三輪素麺工業協同組合
- ☎︎ 0744-42-6068
- 詳しくはこちら
- 三輪の誉(木箱入り)900g(18束)
¥2,160 - 三輪の神杉(木箱入り)750g(15 束)
¥3,240 - 3種小箱詰合せセット
(誉50g×12束、全粒粉入り素麺50g×
8束、色麺50g×4束)
¥3,240
小豆島手延素麺協同組合
小豆島そうめん
瀬戸内海・播磨灘に浮かぶ小豆島の特産品「小豆島そうめん」。
今から約400 年前に、奈良県・三輪に立ち寄った小豆島池田村の島民がそうめんの製造技術を学んで持ち帰り、冬の農閑期に家族の労働だけで作れることから小豆島に広がったそう。小豆島そうめんの特徴は、生地を延ばすときに使う植物油に小豆島特産の純正ごま油を使用していること。
ごま油は一般的に使われる綿実油と比べて酸化しにくく、製品の劣化が抑えられるのが特徴。綿実油よりもコストはかかるものの、伝統の味を第一に使い続けられています。
小豆島そうめんの代表ブランドである「島の光」は、厳選した小麦、瀬戸内海の塩、小豆島に工場をもつ「かどや製油」のごま油を使い、製造工程に2 日間かけてじっくりと熟成して作るそうめん。
今では室内乾燥が主流になりつつあるなか、小豆島の豊かな自然環境を生かし、潮風が吹き寄せるなかで天日干しで乾燥させています。たっぷりのお湯で茹であげたそうめんの白く細い艶めきは、まさに「島の光」の名に恥じない仕上がり。
長期熟成と天日干しによって強いコシが生み出されており、弾力のある歯ごたえとなめらかな喉越しを実現しています。
「島の光」のラインナップは上級の「赤帯」と特級の「黒帯」のほか、「島の光」をベースに小豆島の特産品であるオリーブを練り込んで表面をオリーブオイルで仕上げた「オリーブ素麺」までバラエティ豊か。
小豆島の豊かな風土によって作り上げられた、伝統の味をご賞味ください。
〈お問い合わせ先〉小豆島手延素麺協同組合
- ☎︎ 0879-75-0039
- 詳しくはこちら
- 「島の光」手延そうめん(赤帯)[化粧箱入り]
2kg入(50g×40 束)オープン価格 - 「島の光」手延そうめん(黒帯)[化粧木箱入]
1.05kg(50g×21 束)オープン価格 - 手延オリーブ素麺9kg入(250g×36 袋)
オープン価格
兵庫県手延素麺協同組合
揖保乃糸
揖保川を中心とする播磨地方の清流や赤穂の塩など、そうめん作りの原料に恵まれた兵庫県たつの市。かつて播磨国、別名・播州と呼ばれたこの地域で本格的なそうめん生産が始まったのは江戸中期のことですが、600年前に書かれた寺院日記にはすでにそうめんについて言及した一節が見つかっているなど、古くからそうめん作りが行われていました。
そんな播州のそうめん作りの歴史と伝統を今に受け継ぐのが「兵庫県手延素麺協同組合」のブランド手延そうめん「揖保乃糸」です。
今や日本で知らぬものはいないそうめんのトップブランドのひとつですが、じつは「揖保乃糸」は一つのメーカーで作られているのではなく、ブランドを支えているのは約430軒の生産者と徹底した品質管理。
原料の仕入れから格付けまでを兵庫県手延素麺協同組合が一元管理し、検査指導員による検査に合格した製品だけが「揖保乃糸」として流通しているのです。
伝統的な手延べ製法にならい、よりをかけながらの生地延ばしと熟成を幾度も繰り返して作り上げられる強いコシとモチっとした弾力は「揖保乃糸」ならではの魅力。
数百年の歴史を誇る地域の伝統を、糸のように細い麺が現代まで紡ぎあげています。
〈お問い合わせ先〉
兵庫県手延素麺協同組合 揖保乃糸資料館そうめんの里
- ☎︎ 0791-65-9000(代)
- 詳しくはこちら
- ひね特級品1kg(50g×20 束)
¥3,180
南島原市 企画振興部 商工観光課
島原手延そうめん
長崎県、島原半島の南部に位置する南島原市。有明海に囲まれたこの街が全国2位の生産量を誇る特産品こそ「島原手延そうめん」です。
そのルーツについてはいくつか説があり、「島原の乱で人口が激減した際に、江戸幕府の移民政策でやってきた小豆島からの移民者が広めた」とも、「明の時代に福建省から長崎へ渡ってきた僧によって伝えられた」とも。
現在においても詳細は定かではないものの、約350年前には本格的なそうめん生産が始まっていたのは確かです。
一体なぜこの地がそうめんの一大産地になったかと言えば、それはミネラル豊富な雲仙岳の伏流水、地元の良質な小麦、有明海の塩、温暖で乾燥した気候という、そうめん作りに最適な条件が揃っていたから。
自然の恵みを生かし、高品質なそうめんを豊富に作り出せたからこそ、日本の西端という流通に不利な地であるにも関わらず日本有数のそうめんの名産地になったのです。
つるっとすすれば舌触りなめらかで、強いコシと粘りのある食べ応えが心地よい「島原手延そうめん」。南島原の豊かな風土と350 年の時を越えて脈々と受け継がれてきた麺師の技が出会って生まれる極上の喉越しを体感してください。
〈お問い合わせ先〉南島原市 企画振興部 商工観光課
- ☎︎ 0957-73-6632
- 詳しくはこちら
- 島原手延そうめん1kg(50g×20 束)
¥1,080 - 島原手延素麺250g(50g×5 束)
¥350
半田手延べそうめん協同組合
半田そうめん
「そうめん」と「ひやむぎ」。どちらもつるっとした喉越しが特徴ですが、2つの麺にははっきりとした区別があるのをご存知でしょうか。
じつは、その違いは麺の太さ。日本農林規格(JAS 規格)により、太さが直径1.3mm 未満の麺が「そうめん」、直径1.3mm 以上1.7mm 未満の麺が「ひやむぎ」と定義されているんです。
ただ、その規定にも例外が存在します。それが、徳島県美馬郡つるぎ町の半田地区で生産されている手延べそうめん「半田そうめん」。
江戸時代中期から作られはじめたこの麺は、規格にのっとれば「ひやむぎ」に分類される太さがあるのですが、その伝統と麺文化の地域性から、特別に「そうめん」の表記が認められているのです。
半田地区には多数の製麺所があり、製麺所によって小麦のブレンドや熟成時間など製法はさまざま。同じ半田手延べそうめんでも製麺所ごとに味わいが微妙に異なり、特色ある味わいが楽しめるようになっています。
そんな個性ある各製麺所が協力し、統一規格で作り上げたのが「半田手延べそうめん協同組合」の「入魂」。その力強い喉越し、豊かな小麦の風味、強いコシは、麺が太い半田そうめんならではの味わいです。
吉野川の澄んだ水と、四国山脈から吹き下ろす冷たい風によって育まれる「半田そうめん」。「入魂」でオーソドックスな味わいを堪能したあとは、各製麺所が作り出す特徴ある味わいを試してみてはいかがでしょうか。
〈お問い合わせ先〉半田手延べそうめん協同組合
- ☎︎ 0120-109-318
- 詳しくはこちら
- 半田手延べそうめん・入魂2.0kg
¥3,150
和泉そうめん丈山の里
一丈そうめん
愛知県安城市の南部に位置する和泉町。この地域には、全国でも類を見ない独特の手延麺製法が受け継がれています。現代において「和泉式古式手延麺」と呼ばれているその製法が編み出されたのは18世紀後期。天明の飢饉の頃に、貧困から逃れるために編み出されたそう。
その特徴は、こねた小麦粉を一本に細く長く延ばし続けることで、麺の長さが1 丈(約3m)に及ぶことから「一丈麺」の名がついています。
そしてもう一つの特徴が、伸ばして乾燥させたそうめんを加湿して再び半生の状態にする「半生もどし」という技法。これはその昔、天日干ししていた麺が夕方に吹く湿気を含んだ風によってわずかに湿る様子を再現したもの。
この何気ない加湿によって、まるで絹糸のような柔らかい風合いが得られるのです。
そんな和泉伝統のそうめん作りの伝統を受け継ぐのが「和泉そうめん丈山の里」。3.6mにまで延ばした麺を半分に切り、1束あたり1.8mの長さにまとめた「一丈そうめん」は、「半生もどし」ならではのしなやかなさと、手延べならではのコシのバランスが絶妙。お皿に盛った時のボリューム感は他のそうめんでは味わえません。
和泉町の歴史と風土の魅力が、長く美しい1本の麺に凝縮されています。
〈お問い合わせ先〉和泉そうめん丈山の里
- ☎︎ 0120-123-207
- 詳しくはこちら
- 『味彩麺』詰合せ SO-30
¥3,240
一丈そうめん180g×2、そうめん90g×2、
柚子そうめん90g×1、紫蘇そうめん90g×1、
めんつゆ4食分、ごまだれつゆ4食分
五色そうめん株式会社森川
五色そうめん
赤、緑、黄、茶、そして白。見目麗しい「五色そうめん」は、素麺の生地に自然素材を練り込んで色を染めた、愛媛県松山市の特産品のひとつです。
そのルーツは1722 年。松山の地に店を構えていた素麺店「長門屋」の八代目・長門屋市左衛門が、娘から「素麺に5色の色をつけてみては」と進言されたのがきっかけだそう。苦心の末に完成した素麺のこれまでにない彩りと風味は街で評判を呼び、松山の新名物として幕府、さらには朝廷にまで献上されるように。
天皇家から「五色の唐糸のように美しい」と賞賛されたことから全国で知られるようになりました。
この長門屋を前身にもつのが「五色そうめん株式会社森川」。伝統を守って作り続ける五色そうめんは、着色料で容易に色がつけられる現代においても人工着色料は一切使わず、赤は梅肉、緑は抹茶といったように自然素材や天然素材を使用。練り込んだ素材ごとに異なる自然な色合い、風味、食感の違いが楽しめる仕上がりになっています。
色ごとに茹であげてお皿に盛るだけで、まるでパーティーのような豪華な食事のできあがり。近松門左衛門や正岡子規といった文化人にも愛された松山の美食を目で見て、舌で味わってご堪能あれ。
〈お問い合わせ先〉五色そうめん株式会社森川
- ☎︎ 089-966-5511
- 詳しくはこちら
- 手延そうめん 五色の糸 GO-30
¥3,240
白そうめん50g×7束、五色そうめん50g×7束、
抹茶そうめん50g×2束、梅そうめん50g×2束、
蜜柑そうめん50g×2束、もち麦そうめん50g×2束 - いろいろそうめん IRO-C
¥972
白そうめん50g×1束、柚子そうめん50g×1束、
梅そうめん50g×1束、伊予柑そうめん50g×1束、
抹茶そうめん50g×1束、青そうめん50g×1束、
黒ごまそうめん50g×1束、ノート1冊