和食STYLE

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ほっこり美味しい町の洋食店名鑑

古き良き時代から続く、懐かしメニューはいつまでも食べ飽きないものばかり。
ちょっとおめかしして出かけたくなるレストランから、気軽に通いたくなる町の名店まで
味自慢の洋食店をピックアップ。必食のメニューをご紹介します。

[ クラ×ナビ リターンズ! ❿ ]

  • レストラン香味屋
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レストラン香味屋

レストラン香味屋 レストランカミヤ入谷

下町情緒の残る街で絶品ソースを味わって

花街として栄えた根岸の風情漂う柳通りに立つ、大正14年創業の一軒家レストラン。看板メニューのメンチカツや洋食弁当など長年のファンも多い伝統の味は歴代シェフに継承され、小田倉光夫料理長の「変えずに磨き上げる」という言葉どおり、今も美しい一皿として登場します。
贅沢に喉元近くの部位のみを使い、手間を惜しまずに仕上げたタンシチューなど、粋な味わいを求めて訪れたい。

〈左〉4時間ほど煮込んだタンは、口の中でトロリとほぐれる。自慢のデミグラスソースはご飯やパンとともに余すことなくいただきたい。タンシチュー¥3,500〈中〉こんがり揚がった衣にナイフを入れた途端、じゅわっと溢れる肉汁。メンチカツ¥2,000〈右〉牛タンコロッケに一口カツ、テリーヌなど美味しいもの尽くし。スペシャル洋食弁当A¥3,240

レストラン香味屋
台東区根岸3-18-18 ☎03-3873-2116
営業:11:30~22:00(L.O.20:30)
休み:水曜
http://www.kami-ya.co.jp/
ワンランク上の雰囲気を楽しむハレの日洋食
  • 代官山 小川軒
  • 代官山 小川軒
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代官山 小川軒

代官山 小川軒 ダイカンヤマ オガワケン代官山

特別な一日にふさわしい歴史と風格に満ちた空間

明治38年創業、112年の歴史を有するこちらは、各界の著名人が足繁く通ったことでも知られます。広い厨房で指揮を執るのは、3代目の小川忠貞シェフ。カレーやハンバーグ、オードブルから始まるコースなど、オーセンティックな洋食やフレンチをベースにしつつ、素材や技法、プレゼンテーションにおいて洗練を極めたメニューは、他では決して味わえません。

〈左〉アクや脂を丁寧に取り除いたカレーは雑味なく、スパイスの香りと軍鶏肉のコクとともにじわりと辛さがやってくる。インドネシア風カレー¥2,700〈中〉九州産を中心に、吟味した和牛サーロインのミニッツステーキ。〈右〉もっちりとした口当たりのイシガレイを自家製辛子マヨネーズソースで。ともに¥8,640のコースより。

代官山 小川軒
渋谷区代官山町10-13 ☎03-3463-3809
営業:12:00~14:00(Close15:00)
17:00~21:00(Close22:00)
休み:日曜、祝日
http://daikanyama-ogawaken.com/
  • 東京 東洋軒
  • 東京 東洋軒
  • 東京 東洋軒
東京 東洋軒

東京 東洋軒 トウキョウ トウヨウケン赤坂見附

モダンなスタイルで楽しむ由緒正しい伝統料理

白と黒を基調にしたシンプルシックな空間でいただけるのは、クラシックな洋食をモダンに昇華させた料理の数々。明治22年に東京・三田で誕生、現在は三重県津市に本店をおく「東洋軒」では、ブラックカレーやステーキ、ハンバーグなど松阪牛をふんだんに使ったメニューが名物でもあります。フォトジェニックなデザートも揃い、デートにリクエストしたくなる一軒です。

〈左〉ずっと噛みしめたくなる肉々しい味わい。松阪牛と黒豚のメンチカツ¥2,200〈中〉完成まで約1ケ月。松阪牛の背脂と小麦粉、秘伝のスパイスなどをじっくりと炒めたルウにブイヨンや玉ねぎ、さらに松阪牛を加えて作るカレーは、コクと甘みが凝縮し、見た目からは想像もつかないまろやかさ。松阪牛のブラックカレーライス¥2,600〈右〉昔ながらのプリンに季節の果物を添えて。プリン・アラモード¥1,200

東京 東洋軒
港区元赤坂1-2-7赤坂Kタワー1F ☎03-5786-0881
営業:11:30~15:00(L.O.14:00)
18:00~23:00(L.O.21:00)
休み:日曜(貸切のみ営業)
http://www.tokyo-toyoken.com/
ランチでも、ディナーでも。普段使いができる、気軽な洋食屋さん
  • グリルグランド
  • グリルグランド
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グリルグランド

グリルグランド グリルグランド浅草

洋食の激戦地・浅草で先代から受け継がれる味を

観光地の喧騒を抜けた、観音裏と呼ばれるエリアにあるこちら。昭和16年から3代続く老舗はこれを目当てに遠方から訪れる人も多いオムライスをはじめ、コロッケグランプリ金賞に輝くカニクリームコロッケなど名品揃い。代々受け継がれた技の真価は、2週間も煮込んだデミグラスソースを口にすれば納得。下町洋食の底力を味わうべし。

〈左〉ほんのりビターで奥深い味わいのデミグラスソースにふわとろ半熟卵が好相性。3代目が考案の特製オムライスは¥1,600〈中〉ラードで揚げるため衣はサクサク。中にはクリーミーなベシャメルソースにカニの身がたっぷり。カニクリームコロッケ¥1,700〈右〉チキンライスを端正に包んでケチャップを添えた、これぞ王道の品! オムライス¥1,100

グリルグランド
台東区浅草3-24-6 ☎03-3874-2351
営業:11:30~14:30(L.O.13:45)
17:00~21:30(L.O.20:30)
休み:日曜、月曜
  • 笄軒
  • 笄軒
  • 笄軒
笄軒

笄軒 コウガイケン広尾

誰からも愛される昔ながらの味を確かな調理で実現

2015年のオープンながら、かつての地名〝笄町(こうがいちょう)〟を冠した店名のとおり、どこか懐かしさを感じる空間でいただけるのは、ハンバーグやポークジンジャーなど奇をてらうことのない洋食メニュー。どの料理の味にもボリュームにも満たされるのは、ミシュラン東京のビブグルマンに認定された実力派だからこそ。充実したラインナップの日本ワインとの相性もお試しあれ。

〈左〉驚くほどの厚切りながら、しっとり柔らかな焼き上がり。生姜やりんご、バターの風味がよいソースを絡めて。ポークジンジャー¥1,500〈中〉チーズ、ベーコン、目玉焼き、好きなもの全部のせ。笄軒ハンバーグステーキ¥2,150〈右〉ケチャップの酸味を飛ばすようにしっかりと炒め、コクを引き出したナポリタン¥900

笄軒
港区西麻布4-6-5 協立興産西麻布ビル
☎03-3486-0118
営業:平日11:30~15:00(L.O.14:30)
17:30~23:00(L.O.22:00)
土日祝11:00~21:00(L.O.20:00)
休み:月曜(祝日の場合は水曜休み)
  • 笄軒
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芳味亭 大手町ホトリア店
ホウミテイ オオテマチホトリアテン大手町

人形町の名店の味が装い新たに大手町に登場

昭和8年創業となる人形町・芳味亭の初めての支店が今年2月にオープン。戦前から立つ日本家屋の本店を彷彿とさせる障子戸や欄間を取り入れながらも、チェック柄の絨毯にテーブルを配したレトロモダンな空間が新鮮です。
〝ビーフスチュー〟〝ビフテキ〟など本店譲りのノスタルジックなメニューには、時にはご飯、時にはワインを合わせて幅広く楽しみたい。

〈左〉4日間も煮込んだ和牛バラ肉はとろけるよう。素材の旨みを凝縮させたデミグラスソースに歴史を感じる。ビーフスチュー¥2,500〈中〉ハンバーグ、白身魚のフライ、カニクリームコロッケ、ローストポークなどなど王道料理がひと口ずつ。洋食弁当¥2,800〈右〉ステーキ専門店にも負けないクオリティのサーロインに醤油ベースの和風ソースを添えて。黒毛和牛のビフテキ(100g)¥4,200

笄軒
千代田区大手町1-1-2 大手門タワーB1
☎03-5208-1500
営業:11:00~15:00 17:00~22:00
休み:日曜、祝日
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目白 旬香亭 メジロ シュンコウテイ目白

懐かしさと同時に〝いま〟を感じる料理の数々が並ぶ

赤坂から静岡に移転した人気店「旬香亭」が、趣きを変えて再び東京に登場したのは2014年のこと。メニューには海老フライやハヤシライスといった定番はもちろん、熟成牛のステーキやガストロバック(減圧加熱調理器)を使った料理など洋食店らしからぬ品も並び、食欲が刺激されます。おなじみメニューの中にある、+αの新しさを体感して。

〈左〉トロトロのベシャメルソースはハマグリのダシを加え、まろやかな旨みが口いっぱいに広がる。カニとマカロニのグラタン¥1,300〈中〉冷めても美味しいカツサンドはテイクアウトもOK。この日は赤身の味わいが濃いアンガス牛を使い、千切りキャベツとともにサンド。ビーフカツサンド¥2,000〈右〉ふんわりコロッケに海老フライ、ハンバーグを一皿に盛り合わせたランチメニュー。ハンバーグ&フライ¥1,400

笄軒
豊島区目白2-39-1 トラッド目白2F
☎03-5927-1606
営業:11:00~L.O.14:00 17:00~L.O.22:00
休み:月曜(祝日の場合は営業)
http://www.shunkoutei.com/

撮影/土居麻紀子 取材/首藤奈穂 編集/菅谷文人

classy. 2017年10月号より