和食STYLE

story

三陸の旅は連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台〝久慈駅〟からスタート!

大人気ドラマの舞台にもなった、
人や食、自然の魅力を肌で感じに

岩手・北三陸

復興の証し・ローカル列車での旅が、
東北の素晴らしさを改めて見せてくれる

日本を訪れる外国人旅行者の数は年々過去最高記録を更新し、2015年は海外へ出国する日本人旅行者の数を上回ったそう。
住んでいる私たちもまだまだ知らない美しい場所や文化、食の宝庫であるこの国の魅力と、その楽しみ方を折々に紹介していきたいと思っています。今回は東北へ。
ローカル線にゆられて北三陸の旅を愉しみました。

北リアス線の「堀内」駅は太平洋を見渡す高台にある無人駅。ドラマでは北三陸鉄道「袖が浜駅」の名で登場し、ホームには使用された看板が残され、待合室には思い出を綴るノートも置かれている。

フード付きジャケット¥36,000 スキッパータイプ・トップス¥26,000 ガウチョパンツ¥24,000 バッグ¥18,500シューズ(私物)(下)コート¥59,000 シャツブラウス¥30,000 タイトスカート¥20,000 バッグ¥24,000(すべてキャラ・オ・クルス)

新シリーズSTART!40代のための新しい旅のカタチをご提案します!

【今回旅をしたのは】三陸鉄道 北リアス線

  • あまちゃんドラマのオープニングに登場した小袖漁港の防波堤灯台を発見し、テンションもアップ!
  • あまちゃん海女さんたちがウニを採りに海へ入る階段も「あまちゃん」ファンには懐かしいスポット。
  • あまちゃん流行語大賞にもなった「じぇじぇじぇ」発祥の地の碑を見つけ、思わず記念撮影を。
  • あまちゃん堀内~白井海岸駅間にある大沢橋梁は北リアス線屈指の絶景ポイント。一旦停車して、景色について説明してくれる心憎いサービスも。
三陸鉄道マップ
「さんてつ」の愛称で親しまれている三陸鉄道は、岩手県の三陸海岸沿いを走る全国初の第三セクター鉄道。宮古~久慈間71㎞を走る北リアス線、盛~釜石間36.6㎞を走る南リアス線の2路線があり、地域住民の足として利用されている。季節ごとに企画列車も登場し、北リアス線では12月~3月の土休日にこたつ列車が運行している。

うに弁当にまめぶ、素朴な地元の名物料理に心温まる

今回の旅の目的地は岩手県東部。世界有数の美しい海岸線が続く三陸海岸沿いを走る列車に乗って、のんびり各駅停車の旅を愉しみました。
まずは東北新幹線の二戸駅からバスで約1時間、三陸鉄道北リアス線の北の玄関口久慈駅を目指します。この周辺は人気ドラマ「あまちゃん」の舞台となった場所で、今もファンが訪れる人気の観光スポットになっています。
せっかくなので周辺のロケ地を巡ってみることに。
久慈駅から車で20分ほど走ると「あまちゃん」ファンの聖地・小袖漁港に到着。
夏には〝北限の海女〟の素潜りも行われ、奇岩や巨岩が点在する美しい海岸はドラマファンならずとも一見の価値があります。駅周辺に戻るとちょうどお昼時。
ドラマにも登場した名物の「まめぶ汁」をいただき、予約していたうに弁当も駅で購入し、準備は万端。副駅長さんに見送られ、列車はゆっくりと宮古に向かって出発しました。

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副駅長さんに見送られ、三鉄のシンボルカラー・トリコロールの列車に乗って久慈から宮古へ約1時間半の列車の旅へ出発進行!
三鉄
  • 三陸リアス亭
  • 久慈まめぶ汁
  • 久慈まめぶ汁

(左)三陸鉄道北リアス線久慈駅構内にある「三陸リアス亭」で1日20食限定で販売されている「うに弁当」。ウニの炊き込みご飯の上に、蒸しウニがぎっしり。午前中にほぼ売り切れてしまうので、事前に予約しておくと確実。¥1,470 ☎0194-52-7310 営業7:00~16:30 不定休
(中・右)「久慈まめぶ汁」¥800(単品料金)は根菜や焼き豆腐、油揚げ、しめじなどを出汁で煮込み、黒砂糖とくるみを包んだ小麦粉の団子を入れた旧山形村地域の料理。ほっと温まる故郷の味。「まめぶの家久慈駅前店」☎0194-52-2617 営業11:00~14:00(夜は予約のみ)無休

いくつものトンネルを抜け
美しい海岸線に感動しつつ〝宮古駅〟へ

  • 陸中野田駅江戸時代に、海水から作った天然塩を牛の背にのせて盛岡などに運んだ「塩の道」にちなんだ絵が待合室に描かれている陸中野田駅。塩は駅に併設された道の駅でも購入できます。
  • 浄土ヶ浜宮古駅から車で10分ほどのところにある浄土ヶ浜は三陸きっての景勝地。火山岩からできた白く尖った巨岩と松のコントラストが美しく、湖のように波の静かな入り江が形成されています。
  • 海岸線
  • 海岸線
  • しだみ団子

(左・中)トンネルが続いたと思えばパッと碧い海が開けたり、変化に富んだ景色が楽しめます。(右)駅併設の産直品コーナーもあり、野菜や昆布製品、団栗餡が入った「しだみ団子」など特産品が並ぶ。

コーディガン¥29,000 ニット¥19,000 クロップドパンツ¥17,000 ネックレス¥7,200 バッグ¥28,000 シューズ(私物)スキッパータイプ・トップス¥26,000 ガウチョパンツ¥24,000(すべてキャラ・オ・クルス)

絶景ポイントで数分停車
旅情をそそる心憎い演出も

久慈駅から2つ目の駅〝陸中野田〟は、全国でも珍しい道の駅が併設された駅。無人駅が多いなか、ここでは駅舎直結の建物内で産直品や特産品の「のだ塩」など、お土産探しができるので途中下車するのもおすすめ。陸中野田駅を後にすると、次第に車窓から海が見えてきます。三陸海岸の美しいパノラマを一望できる安家川橋梁、大沢橋梁は2大絶景ポイント。この区間にさしかかると列車は徐行運転や一旦停車をして雄大な景色を堪能させてくれます。
高台から波ひとつない穏やかな海を眺めていると、あの日大きな津波に見舞われたことがまるで噓のよう。三陸鉄道は甚大な被害を受けながらも震災の5日後には久慈~陸中野田間で運行を再開し、その後も順次運行区間を広げ、素早い復旧で住民たちを勇気づけました。全線が開通したのは3年後の2014年4月6日のことでした。
あれから早5年。移りゆく車窓の風景を感慨深く眺めているうちに、列車は静かに終点の宮古駅へ到着しました。

  • 北リアス線
  • 北リアス線

(左)宮古駅は北リアス線の南の起点。運転士さんに震災時の様子を聞くと、宮古駅に到着した直後に揺れがきて、津波から逃れるためにお客さんを山側の合同庁舎に誘導し、停電した庁舎で一夜を過ごしたことを話してくれた。 (右)隆起式海岸という地形上、トンネルが多い北リアス線。43カ所のトンネルがあるそう。

エゾアワビ

旬のアワビ、ドンコ……
三陸の海の宝物を頬張る幸せ

三陸の冷たい海で育つ
エゾアワビは極上の味わい

三陸は、豊富な魚介類が水揚げされる世界有数の漁場として有名ですが、アワビの漁獲高も岩手県が全国一。
親潮と黒潮がぶつかる三陸の海は良質な海藻類の宝庫で、それを食べて育つアワビは旨みが濃厚で、最上級とされています。
口開け(漁の解禁)は11月~2月で冬が旬。
水温が低いため成長が遅く、小ぶりとはいえ、その分、身が引き締まって食感がよいそう。
地元でもあまり出回らない高級品ですが、久慈の割烹や寿司店などで味わうことができるので、プチ贅沢を愉しむのもおすすめ。

ニット¥19,000 ガウチョパンツ¥22,000 ネックレス¥9,500(すべてキャラ・オ・クルス)

  • エゾイソアイナメドンコの名で親しまれている地魚のエゾイソアイナメ。濃厚な肝が美味しく汁物や焼物に。
  • アワビのしゃぶしゃぶ薄くスライスした身や貝柱をさっと出汁にくぐらせ、肝ポン酢で。アワビのしゃぶしゃぶ¥4,800
  • アワビのステーキ/お刺身盛り合わせ(左)アワビのステーキは肝を漉してポン酢と合わせたソースをかけていただきます。¥4,000~(右)アワビ、ソイ、サーモン、マグロの赤身、〆鯖など旬のお刺身盛り合わせ¥2,000
  • かき揚げ/コロッケ(左)地元で採れる海藻・ふのりをかき揚げに。磯の香りが香ばしい。¥480(右)アワビの殻に入った「究極のコロッケ」¥680は、魚介たっぷりのクリームコロッケ。
魚棚(うおんだな)
久慈で30年続く北三陸の磯料理が楽しめる店。個室を中心にした落ち着いた空間で、旬の地魚や美味しい地酒をゆっくり堪能できます。
冬はエゾアワビやどんこ、夏はウニや天然ホヤ、そして名物の「究極のコロッケ」など、メニューも豊富。
●久慈市十八日町1-15 ☎0194-52-0606
営業 17:00~22:00(21:30L.O.)休み 日曜

レリアン「キャラ・オ・クルス」

今回の旅で着た服は、
キャラ・オ・クルスで
購入できます。

余裕がある大人の女性のオフタイムを美しく彩るブランド「キャラ・オ・クルス」。
着心地がよく、色遊びを利かせた元気なカジュアルウェアが充実しています。

レリアン「キャラ・オ・クルス」
お客様相談室
フリーダイヤル 0120-370-877
(9:30〜17:30)
http://www.caraocruz.jp
web shop マガシーク店
http://mseek.jp/0415

撮影/谷口 京 モデル/倉本康子 スタイリスト/鈴木仁美 ヘア・メーク/高梨 舞 取材・構成/秋山美英

STORY 2016年4月号より