和食STYLE

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この世における悩みの大半は「食べる」ことで解決する

年下男子シェフに告白♥「おいしい人生相談室」第7回

女の人生に悩みはつきものですが、どんなに落ち込んでもお腹は減る。おいしいものを作って食べれば、生きる力が湧いてきます。
悩みに答えてくれるのは、いまもっとも勢いのある若手料理人の面々。家庭料理の幅がグンと広がる連載です。

ほんの少しの油分が、きのこの旨みを引き出しお米を粒立たせます

「くろぎ」黒木 純さん

くろぎ・じゅん 日本料理の名だたる名店で経験を積み、2008年「湯島121」をオープン。2010年に店名を「くろぎ」とし、店主となる。近著『くろぎのおかず』(KADOKAWA)が好評発売中。
東京都文京区湯島3-35-1
☎03-5846-3510
営業/昼11:30と12:30の2部制(限定20組)、夜17:00~22:00(L.O.) 休み/日曜、祝日、月・土曜のランチ

きのこご飯の俵にぎり

香りが命の松茸だけは後から加えてください

〈材料〉(作りやすい分量)
米……2合
しめじ・まいたけ(手でほぐす)…各1パック

A 松茸(薄切り)…小2本
油揚げ(3mm幅の細切り)…¹⁄₂枚
B 出汁…360㎖
薄口醤油…大さじ2

昆布…5㎝角1枚
塩…少々
サラダ油…小さじ2
好みの漬け物…適量

〈作り方〉

  1. ① 米は洗って30分~1時間浸水させ、ザルに上げる。Bを合わせておく。
  2. ② フライパンに油を熱し、中火でしめじ・まいたけを炒める。全体に油がなじんだら塩少々で調味し、Bを注ぐ。ひと煮立ちさせて火から下ろし、人肌程度になるまで冷ます。
  3. ③ 土鍋に米と昆布、Aを入れ、❷を注ぎ、混ぜ合わせる。
  4. ④ 土鍋に蓋をして強火にかけ、吹いてきたら蓋を取り、底から手早くかき混ぜる。ふたたび蓋をして弱火で10分炊き、火を止めて5分ほど蒸らす。
  5. ⑤ 俵形に握り、好みの漬け物と一緒に器に盛る。
  • きのこご飯の俵にぎり昆布と削り節で取った出汁に、薄口醤油で味付け。黒木さんが使う薄口醤油は塩分濃度が薄め。
  • きのこご飯の俵にぎりしめじ・まいたけは、油で炒めて旨みアップ。炒めすぎると水分が出てしまうので、強火で手早く。
  • きのこご飯の俵にぎり炒めたきのこに、出汁を注いで香りと旨みを移す。これでお米にもまんべんなく風味が行き渡る。
  • きのこご飯の俵にぎり土鍋が吹いてきたら蓋を取り、底から手早くかき混ぜる。この工程で炊きムラを防ぐことができる。

新米が楽しみな季節。行楽弁当はもちろん、ホームパーティでも、「おにぎり」は不動の人気です。ベーシックなものだからこそ、腕の差がハッキリ出てしまうんですよね。「おにぎり」の上級レシピが知りたいです。

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「の弥七」山本眞也さん

やまもと・しんや 上海の名店で1年半、経験を積み、白金台「白金亭」、三田「御田町 桃の木」といった名店で修業したのち、独立。2014年7月、荒木町に「の弥七」をオープン。和の素材や技法も取り入れたキレのある料理で、たちまち人気店に。
東京都新宿区荒木町8 木村ビル1F
☎03-3226-7055
営業/11:30~13:30、17:30~21:30(L.O.)休み/日曜、祝日の月曜

大きめに切った具材をご飯でまとめる感覚。笹の葉に包んで蒸すとごちそう感がアップします

具材の味付けは、豚の角煮くらいの濃いめが◎です

〈材料〉(4人分)
牛ランプ肉(2cm角に切る)…100g
醤油…大さじ1
青ねぎ(小口切り)…3本
カシューナッツ(ロースト)…20粒

A れんこん(2cm角に切る)…80g
しいたけ(2cm角に切る)…4枚
栗の甘露煮(2cm角に切る)…6粒
赤唐辛子(小口切り)…1本
B 酒…大さじ2
醤油…大さじ2
オイスターソース…大さじ2
C 酒…90㎖
水…200㎖
醤油…大さじ2
オイスターソース…大さじ4
砂糖…小さじ¹⁄₂
白こしょう…少々

水溶き片栗粉…大さじ2
ご飯(やや硬めに炊く)…4膳分
サラダ油…適量
※好みで笹の葉…適量

〈作り方〉

  1. ① 牛肉に醤油をまぶし、軽く手でもみこむ。
  2. ② フライパンに油小さじ2を熱し、中火で❶を炒める。焼き色がついてきたら、Bを順に加えて味付けし、取り出す。
  3. ③ 洗ったフライパンに油小さじ2を熱し、中火でAを炒める。全体に油がなじんだら、Cを順に加えて混ぜ、❷の牛肉を加えて煮る。れんこんに火が通ったらカシューナッツを加え、水溶き片栗粉を回し入れてまとめる。
  4. ④ ボウルにご飯を入れ、❸とねぎを加え、ざっくりと混ぜる。このままおにぎりにしてもいいが、笹の葉に包んで15分ほど蒸してもおいしい。
  • 牛肉と栗のちまき風おにぎり下味をつけた牛肉を炒める。焼き色がついてきたら調味料を加え、煮からめるようにして味付け。
  • 牛肉と栗のちまき風おにぎり牛肉以外の具材を炒めて、調味料や水を加え、牛肉を戻し入れ、れんこんに火が通るまで煮る。
  • 牛肉と栗のちまき風おにぎりご飯に具材を加え、サックリと混ぜて、おにぎりに。手巻き寿司の要領で海苔で巻いてもおいしい。
  • 牛肉と栗のちまき風おにぎり笹の葉で包んで蒸すと、ちまきのようにギュッと凝縮した食感に。ほのかな笹の香りもごちそう。

撮影/日置武晴 取材/伊藤由起

美ST 2015年12月号より