タケムラダイの日本全国・美味しい冷食
第四十三回 高橋水産「幻の赤しそ寿司」
第四十三回 高橋水産「幻の赤しそ寿司」
大分発!冷凍技術によって守られた伝統製法の漁師めし!
まだ見ぬ冷凍食品との出会い方は様々だが、インターネット検索を中心に、全国津々浦々を訪れた際の駅や空港、サービスエリアなどで発見することがほとんどだ。
一方で、テレビやラジオなどのメディア出演の際に「○○県のこんな冷凍食品は無いか?」というオーダーをもらう時がある。
自身で入力管理している冷食データベースの中に適したものがあれば良いのだが、実際に試食をする出演者の方の好みなど、オーダー内容が細かくなればなるほど、データベースだけではなかなか合致しないものだ。
ただ、そんな時こそむしろ新たな商品との出会いのチャンスで、出演者の方が驚き、喜んでくれる姿に思いを馳せることで、冷食探しにもいつも以上に力が入る。
今回の商品も某ラジオ番組出演に際して「大分県の冷食」というオーダーがあり、巡り会えた逸品なのだ。
番組内で紹介したのは3品で、内1品は既に本連載でも取り上げた「ぎょろっけ」という商品だったのだが、残る2品も皆様にご紹介したいので、2週に渡ってお届けしようと思う。
大分といえば温泉地として有名で、由布岳や鶴見岳などの山々、別府湾や佐賀関などの海に囲まれた自然豊かな県である。ゆえに、食材にも非常に恵まれており、山と海、両方のグルメが楽しめるのだ。
「幻の赤しそ寿司」は大分県佐伯市米水津(よのうづ)の宮野浦に伝わる 「丸寿司」のことで、甘酢でしめた地魚を赤しそで巻き、木桶いっぱいに詰めて、漁に出る際の保存食として食べられていた伝統的な料理なのだそうである。
今では地元でも作る家庭が少なくなり、「幻の寿司」と呼ばれるようになったわけだが、その伝統の製法と味付けを守り、かつ、地元のみならず全国どこでも、この味が楽しめるよう冷凍食品として販売されているのだ。
一貫に丸々一尾の真アジが使われているので意外とボリューミーなのだが、頭を取り除いてくれているので、非常に食べやすい。
程よい酸味となるようにしめられたアジは、梅酢で漬けた赤しその爽やかな風味も手伝って、魚特有の臭みは一切感じられないし、ふっくらとした食感の酢飯もしっかり詰まっているので腹持ちもかなり良い。
これだけの手間暇がかかっていながら非常にコスパの良い商品である。
幻を幻のまま終わらせることなく、後世まで、そして全国へと伝え続けられる冷凍食品の素晴らしさを感じさせてくれる名品であった。
タケムラダイのワンポイントアドバイス!
アジを使用した赤しそ寿司以外にも、カマスとイワシを使用した「青しそ寿司」もあるので、まとめて購入して食べ比べてみるべし!
タケムラダイの冷食品評
美味しさ:自信をもってオススメできる商品のみ紹介するので基本的には星5。(星5超えがあるかも?)
入手のし易さ:数量限定品や季節限定品などは星が少なくなる。
デザイン性:パッケージや盛り付けなど、商品としての美しさ。
ボリューム感:成人男性基準での満腹度。
調理の手間:調理の手間が簡単であればあるほど星が多い。
【評価】
美味しさ ★★★★★
入手し易さ ★★★
デザイン性 ★★★★
ボリューム感 ★★★★
調理の手間 ★★★
今回紹介した冷凍食品
商品名: 幻の赤しそ寿司
メーカー名: 高橋水産
価格:3,900円(税込)※1パック4~5貫入り×4パックの価格
購入できる場所:公式オンラインストア他
公式ページ:https://bungonohimono.co.jp/lp/akasisosushi/
公式オンラインストア:https://bungomarucho.base.shop/items/47560683
※筆者調べ
冷凍食品マイスター/電子レンジ料理研究家/フードコンサルタント
商品プロデュース業で多忙を極めていた際に、手軽で便利で美味しい冷凍食品と出会い、その魅力に取り憑かれる。毎日欠かさず、20年以上に渡って冷凍食品を食べ続ける筋金入りの冷凍食品マニアとして知られるようになり、テレビやラジオ、雑誌など多数のメディアに出演。現在は通算10000食以上の冷凍食品を食べた経験を活かし、冷凍食品のプロデュースやアレンジレシピの考案、食品メーカーや飲食店などのメニュー開発を手掛けるなど、料理研究家としての活動も多岐に及んでいる。
Twitter:@dai_takemura
Instagram:@dai_takemura
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