和食STYLE

EATRAVELLER HIROE の女子美食旅 ㊱ 山形 「レストラン パ・マル」

チラチラ粉雪舞い散る中、山形市内で唯一の本格フレンチレストラン 「レストラン パ・マル」でディナーをいただきました。降雪量国内 1 位を記録したこともある山形県ですが「今年は雪が少ないですね~」とタクシーの運転手さんと話しながらレストランへ。

クラシカルフレンチはバターや生クリームをたっぷり使用するイメージがありますが、例えば冬のスペシャリテの白子の一皿は、見た目に反してバターをほとんど使わず重たくないんです。口に含んだ瞬間広がるロックフ ォールチーズの香りが、表面カリッと、中はふっくらクリーミーな白子と絶妙なハーモニーを醸し出しています。

アミューズには特に力を入れているという村山シェフ。確かに「これから楽しい食事が始まる」という大切なプロローグですものね。インパクトを持たせ、モダンでフォトジェニックに。触感にリズムをつけ、そして手で食べる、これ重要!この日は庄内豚と庄内鴨のリエット、庄内浜のイカにキャビアをのせて、ごぼうのマドレーヌ。

「当店のプッチンプリンです」と言ってサーブされたのは帆立貝のムース。なんとも滑らかな舌触り。寄り添うオマール海老を際立たせるのは庄内産ガサ海老のソース。濃厚なこちらのソースもバターに頼ることなく海老からじっくり旨味だけを抽出した贅沢なもの。ペアリングのワインはしっかりとした酸が際立つサヴィニー・レ・ボーヌを合わせます。ワインのセレクションも素晴らしい。

コース全体を通してソースが絶品なのです。決してもたれる重さではないけれどがっつりとした重量感があります。「フランス料理はソースで食べる」という言葉があるほど、丁寧に作り込まれたソースにからめて味わうことの大切さを再認識させられました。
センスあるワインをセレクトするソムリエはシェフの弟さん、厨房ではシェフの息子さんが腕を磨いています。信頼できるスタッフと共に、山形愛溢れる村山シェフは、地元山形の食材を広く知ってもらいたいと日夜奮闘しています。ユーモアたっぷりでゲストを楽しませるシェフにはファンも多く、インスタグラムのフォロワーはなんと 3.3万人!!! 私も思わずフォローしちゃいました♪ コミュ力とアピール力漲る村山シェフ、山形の観光大使にぴったりですね。推薦しちゃおうかな。
近隣の温泉でのんびりリラックスした後、パ・マルで古典派フランス料理に舌鼓。これぞディスティネーションレストランの醍醐味です。

評価基準
わざわざ度:わざわざ旅する価値があるか
食材への愛:生産者さんへのリスペクト、食材のポテンシャルをどこまで引き出せるか
地産地消度:地元で生産されたものをどれだけ消費しているか
唯一無二度:いわゆるオリジナリティ
リピしたい度:わざわざ行ってみて尚再び行ってみたいか

わざわざ度 ★★★★

食材への愛 ★★★★★

地産地消度 ★★★★★

唯一無二度 ★★★★

リピしたい度 ★★★★

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大野ひろえ

美食を求め旅するEATRAVELLER. その土地ならではの食材を使ったディスティネーションレストランからB級グルメまで幅広く巡ります。趣味は変態料理人探し。