和食STYLE

EATRAVELLER HIROEの女子美食旅 ㉜ 中国・杭州「 龍井草堂」

「龍井草堂」は杭州 蕭山国際空港から車で約45分、中国4大銘茶の龍井(ロンジン)茶で有名な龍井地区に佇むレストランです。「龍井草堂」へ向かう道中、一面に広がる茶畑の景色は美しく心癒されます。杭州は都会だけれど自然豊か、お茶どころだけあってお水が美味しい。中国三大名泉の一つ『虎跑泉』と呼ばれる名水が湧き出ています。

このレストランは広大な敷地に個室が8部屋、プライベートな空間で静かにゆったりと食事を楽しめます。

先ずは豆乳でスタート。胃を優しく温めます。

蝉の頭に生えるセミタケという菌類の入った鴨のスープは5時間かけて蒸します。濃厚で深みのある味わいに箸が止まりません。。。じゃなくてスプーンの動きが止まらない。

シグネチャーディッシュは「青菜舍得」。「舍得」を直訳すると「惜しまない」という意味。手間暇をかけ努力を傾注しても惜しくないということ。収穫した青菜をあえてそのまま放置することによって、芯はより多くの栄養成分を吸収し最も美味な部分となる。 その中心の希少部位である芯だけを摘み取って料理します。青菜の旨味が凝縮され柔らかく甘やか、栄養価が高い上に美味しい。 豪華食材とはいいがたい青菜の「舍得(惜しまない)」という名に値する贅沢な1品です。

そして驚くべき龍井茶。歴史的にも品質的にも非常に高い名声を誇る。まろやかな甘みを感じながら香ばしさが広がり、透明感と清涼感を併せ持つ。中国茶の奥深さに感嘆し、4,000年の茶の歴史に敬意を表します。

ある映画の中でこの店で食事した美食家が「これまで食べてきたものは一体何だったんだろう?」と感動の涙を流す場面が印象的でした。全くその通りで、素朴ながらも細部まで丁寧に作り込まれていて、どの料理もしみじみと美味しかったのです。 食事の後タクシーで帰宅したのですが、茶畑の畝々を歩いて帰ればよかったと後悔。流れる小川、うっすらと霧がかった緩やかな斜面に広がる茶畑。思わず両手を広げて深呼吸したくなる、そんな深い緑と清らかな水に包まれた風景の中を歩いてみたかった。

評価基準
わざわざ度:わざわざ旅する価値があるか
食材への愛:生産者さんへのリスペクト、食材のポテンシャルをどこまで引き出せるか
地産地消度:地元で生産されたものをどれだけ消費しているか
唯一無二度:いわゆるオリジナリティ
リピしたい度:わざわざ行ってみて尚再び行ってみたいか

わざわざ度 ★★★★★

食材への愛 ★★★★

地産地消度 ★★★★

唯一無二度 ★★★★★

リピしたい度 ★★★★★

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大野ひろえ

美食を求め旅するEATRAVELLER. その土地ならではの食材を使ったディスティネーションレストランからB級グルメまで幅広く巡ります。趣味は変態料理人探し。