和食STYLE

檀崎真由美のボルドー通信『フランス必食N E W S』⑩

今回のボルドー通信は前回に続き、世界的人気漫画『神の雫』に登場するボルドーワインのシャトー・ド・ロウガ(Château de Lauga)とそれに纏わる料理の話。

夏のバカンスから秋にかけてスイス、ロンドン、シンガポール、ニューヨーク等各国から、「真由美さんに会いにボルドーに行きます!料理教室にも参加したい!」と嬉しいご訪問が続きました。SNSで知り合った料理の先生方もいらっしゃるので、ご希望を伺いながらオリジナルのメニューでお出迎え。既にオンラインレッスンに何度もご参加頂いているので、初対面とは思えない位に楽しく嬉しい時間に!皆様本当に素敵な方々で、多くの刺激を頂きました。

今年3月には石川県の麹料理の先生からお声かけ頂き『甘酒アトリエ@ボルドー』を開催。ベルギーで麹料理で活躍中の友人も「真由美さんの麹料理なら参加したい!」と飛行機に乗って来てくれました。(甘酒アトリエについてはまたの機会に)

皆様わざわざ海を超えて遠くから来て下さるのだから、限られた時間の中で思い出に残る素敵な場所にご案内してスペシャルな滞在に!と思い、毎回計画を立てます。
只、ボルドーのシャトー(ワイナリー)は夏はバカンスでお休み、秋は大切な葡萄の収穫の時期でなかなか思う様に予約は取れません。

世界遺産のサンテミリオンも、美しく豪華絢爛なシャトーが並ぶメドックのシャトー街道の景色も見せてあげたい!そして大切なゲストをシャトーにお連れする時のランチも大切。
旅行中に料理教室に参加してくれるほど料理好きな方達を、お勧めレストランで口福に!

メドック観光の際にお連れしたいお勧めレストランはル・ボントン(Le Bontemps)。
オーメドックのキュサック村のご夫婦二人で営む居心地の良いアットホームなレストラン。

フランス人のご主人が地元や近郊の選りすぐった食材で丁寧に素朴で美味しい料理を作り、パティシエの日本人マダムが朝にデセール(デザート)を仕込み、営業中は独りでサービスも手がけます。定番のマダム特製カヌレは欠かせません。

この素敵なご夫婦の人柄も温かく、地元の人達に愛されレストランは毎日満席。地元メドックワインと料理とのマリアージュも楽しみの一つ。
ここで味わいすっかりファンになったのがシャトー・ド・ロウガ(Château de Lauga)

(ともこさん撮影)

「オー・メドックの中でもコスパが最高!」とマダムお勧めシャトー。前回の『ボルドー通信』のシャトー・ランシュバージュ同様『神の雫』24巻に登場。同じキュサック村にあるChâteau de Laugaの葡萄畑は4.7ヘクタール。こちらのシャトーはクリュ・アルティザン(Cre Artisan)。

Cre Artisanとは5ヘクタール以下のワイン畑の栽培から醸造や瓶詰め迄、全てを行う小規模生産者の中の優良シャトーの格付けの事。ワインのラベルにも表記されます。家族で丁寧に造るので年間20,000〜25,000本と量産は出来ませんが、その分造り手の個性と愛情溢れるワインに。

ニューヨーク在住ハーブ料理研究家のともこさんの訪問時は、葡萄の収穫の真っ最中。
「収穫は今日が最終日だから見学に来て良いよ」と嬉しい許可を頂き葡萄畑へ。
皆さんが葡萄を摘んでいる傍らで、私達も葡萄に手を伸ばして口に入れると、完熟の葡萄がとても甘くてジューシー。太陽の陽を沢山浴びた暖かい葡萄の美味しさに二人で感動。
この葡萄はカベルネソーヴィニヨン。芳醇なワインになる日が待ち遠しい!
この収穫の様子はライブ配信のアーカイブで、私のインスタグラムからご覧頂けます。

夏にはスイスで寿司教室を主宰されてる陽子さんが私の教室にご参加下さり、その後こちらのシャトーにご案内。シャトーの壁には、歴史ある沢山の工具が壁に飾られています。その昔実際にワイン醸造の為に使用していた工具だそうです。

「あれ?これってもしかしてコンパスかな?と」私がふと呟くと7代目当主シャルルさんが「そう!コンパス」と日本語で答えたので「あ!日本語を話せるのですね!」と聞くと、「だいぶ忘れてしまったけど福岡に住んでたことある」との事でした。
ボルドーと福岡県は姉妹都市なので、交換留学制度など交流が深いのです。

物腰の柔らかいシャルルさんより天然酵母やアルコール醗酵、樽熟成までの醸造工程に熱心に耳を傾けます。

シャルルさんはブドウ栽培やワイン醸造学をフランスだけでなく南半球でも学び、様々な経験を積んだ後、先代の父親クリスチャン・ブリュン氏の元で働きます。
その後家業を継ぎ、同じく醸造学を学んだ奥様と二人三脚で伝統を守りながら躍進させて、シャトーの新たなページをめくりました。

ここで漫画の登場人物クリスチャン・ブリュンさんが自ら「神の雫」の漫画を持って登場!「ほらね!僕はここにいるよ。シワが少し増えたけど今とそんなに変わらないでしょ?」と屈託ない優しい笑顔でお話するお姿が、何とも可愛らしく微笑ましい。ブリュンさんはボルドー名物のメドックマラソンの統括責任者との事。仮装してワインを飲みながら走るこのイベント「今年のテーマはガストロノミックだよ」と言われ「え〜!私、普通に仕事でコックコート着るからそのまま出場したい!」と言ったものの「あ~!私はこの時は仕事で日本に居るから来られない」とぼやくと、「来年おいで」と優しいお言葉を。このメドックマラソンには世界中から多くの人が訪れます。

(陽子さん撮影)

今回試飲した中から金賞を受賞した2017年とその他に数本購入。折角なのでこの蔵出しワインを軽井沢と熊本の出張料理教室に持参する事に。

日本到着後に軽井沢の料理教室を行うご邸宅に到着すると何と同じ銘柄のワインが!実はこの料理教室を企画して下さった素晴らしいキャリアの素敵なマダムのお土産。
マダムはパリで政府関連の重要な任務を終え、本帰国直前にロンドン在住の共通の知人とボルドー訪問の際に、私の料理教室にご参加下さいました。
とても喜んで下さり「日本でもレッスンをお願いしたい!」と嬉しいご依頼。

世界に支社がある企業経営者の方のご邸宅はリゾートホテルの様な洗練された空間。主催者のご意向でご夫婦参加型。普段忙しい旦那様が奥様と一緒に野菜を切ったり、加熱したりと共同で仕上げていくお姿が新しい料理教室の形で新鮮。ゲストの多い主催者様のご希望はパーティーでも提供出来るフレンチでメインは鴨料理。この時フランスの鴨は輸入規制があり、日本とタイの2種の鴨を食べ比べる事に。付け合わせは旬の白桃のロティ。(チーズプラッターは主催者様のゲスト用のお手伝い)
試食タイムにChâteau de Laugaと共に味わって頂きました。皆様とても喜んで下さり、私も憧れのマダムとの嬉しい再会を果たし、夏の最高の思い出となりました。

このご縁を繋ぐキッカケを下さったロンドン在住の素敵マダムもChâteau de Laugaを1ケースご自宅に郵送されたそうです。
こんなに愛されるコスパ最高のワインを是非一度は味わってみてください!
https://lauga.com/

<お知らせ>
光文社❌檀崎真由美の魅せる醗酵料理のオンラインサロン開催
<🇫🇷ボルドーからワインに合うスタイリッシュな醗酵フレンチをお届け>
今年のクリスマスはスタイリッシュな醗酵フレンチをご家族や大切な人と一緒に作って楽しみませんか?家庭で出来るアレンジレシピで盛り付け迄アドバイス!醗酵調味料で身体に優しく、レストランクオリティーの美味しいフランス料理をリモートで一緒に作り、笑顔で食卓を囲むお手伝いをさせて頂きます!

日時:12月23日土曜日
時間:日本時間16時から18時(その後30分程質問タイム)
参加費:8,000円(グループ参加方はお値引き価格での提供)
お申し込み頂いた方より、レシピとZOOM招待リンクを送ります。
🎄クリスマスリース仕立ての彩り野菜のベリーソース
🎄シャンピニオンのブルーテとパートセザムのトースト(マッシュルームのスープ キノコと胡麻ペーストのトースト添え)
🎄鴨のローティー 赤ワインと林檎のビネガーソース
🎄その他今回ご参加頂いた皆様に檀崎真由美からクリスマスプレゼントとしてこの料理に合うレシピをもう1品プレゼント🎁内容はお楽しみに♪

締切は12月18日月曜日までにお申し込み下さい。

お申込みはこちらまで→

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檀崎真由美(だんざきまゆみ)

フランスボルドー在住料理家。ダンラキュイジーヌ(Dans La Cuisine)主宰。
La société MT GESTION CULINAIRE共同代表(フランス)。
Alchemist.Pte.Ltdコーポレートシェフ(シンガポール)。

和洋中の料理を専門的に学び、著名な一流シェフのアシスタントを経験後、仏料理店『シェ松尾』で5年修行し独立。
クッキングスタジオでの料理教室開催、大手企業や海外一流ブランドのパーティーフードをシェフとして手掛け、人気を集める。アメリカ、シンガポール生活後、現在ボルドーを中心にフランス政府正規就労許可の元、料理教室、オンラインレッスンを開催。英語と仏語でも和食レッスンを行い、全国放送『F R A N C E3』にてお節料理を作り、自身の料理活動と共に紹介される。フランス料理だけでなく、和食、本格中華点心迄ワンランク上のクオリティーに仕上げるテクニックで国内外問わず活躍中。

https://instagram.com/mayumi_bdx