和食STYLE

EATRAVELLER HIROEの女子美食旅 ㉚ 沖縄 「6SIX(シス)」

「沖縄は未知の食材の宝庫です」と語るオーナーシェフの小杉浩之さん。シェフがお子様の誕生を機に奥様の生まれ故郷に拠点を移し「6 SIX(シス)」は 2018年オープンしました。それからというもの、あれよあれよと人気が出てジャパンタイムズ「Destination Restauransts 2023」を獲得し、沖縄で最も有名なレストランとして輝いています。

何といってもシスの魅力はそのロケーションにあります。海に面した高台から広がる美しい絶景はまさに圧巻。食事を楽しみながら時間と共に変化する空や海を眺めるなんて、都会では味わえない最高の贅沢。それはまさに、美味しいものを求めてわざわざ足を延ばす「Destination Restauranst の極み」です。

大きな一面の窓からうっとり海を眺めているとアミューズブーシュが次々に運ばれてきました。遊びごころ満載で碧く輝く海に負けない見目麗しいラインナップは、その数、なんと 15 種! 圧巻です。器もそれぞれ凝っていて、独創的なプレゼンテーションに心躍ります。「お客様に心から楽しんでいただきたい。」というシェフの思いが、一つ一つに込められています。
アミューズをご覧になれば一目瞭然、すっごいボリュームなんですが、ところどころシークワサーに代表される沖縄独特の酸(柑橘)を絶妙に取り入れ、抜け感のあるコーディネートのようにさっぱりすっきりボリュームダウンに役立っています。海藻(もずく)や沖縄野菜がふんだんに使われていることも功を奏し、最後まで美味しくいただけました。

そのシークワーサーが際立つ1品としてヨモギ麺が箸休めのように登場。クーブイリチ(昆布炒め)と共に頂く麺の底には島ラッキョウのすり流しが。いわゆる「お口直し」的役割なのに一番目立っていました。麺の食感が心地よく新たな食欲をそそります。

小杉シェフは最近、以前よりもっと沖縄の素晴らしい食材を活かすことに心を砕いているとか。「ここは沖縄なんだから。」と、彼の情熱が感じられます。

デザートも見て楽しく食べて美味しい。かわいらしい小菓子の数々が食事の最後を華やかに彩ります。 かつては車でしかアクセスできず、お酒が飲めないという弱点がありましたが、最近では近くにオープンしたホテルがアクセスを便利にし、ますます多くの人が足を運ぶようになっています。

目の前に広がる景色と素晴らしい料理の数々。 小杉シェフの世界観を是非堪能してみてくださいね。

評価基準
わざわざ度:わざわざ旅する価値があるか
食材への愛:生産者さんへのリスペクト、食材のポテンシャルをどこまで引き出せるか
地産地消度:地元で生産されたものをどれだけ消費しているか
唯一無二度:いわゆるオリジナリティ
リピしたい度:わざわざ行ってみて尚再び行ってみたいか

わざわざ度 ★★★★★

食材への愛 ★★★★

地産地消度 ★★★★

唯一無二度 ★★★★★

リピしたい度 ★★★★★

過去記事はこちらから

過去記事はこちらから

大野ひろえ

美食を求め旅するEATRAVELLER. その土地ならではの食材を使ったディスティネーションレストランからB級グルメまで幅広く巡ります。趣味は変態料理人探し。