和食STYLE

EATRAVELLER HIROEの女子美食旅 ㉗ 奈良「くもり時々アバロッツ」

近鉄奈良駅から鹿を見ながら徒歩約 10 分。東大寺旧境内に佇むミシュラン2つ星レストラン「akordu (アコルドゥ)」の敷地内に新しいカフェ「くもり時々アバロッツ。」が誕生しました。シェフの川島さんが前々からイメージをしていたカフェ構想がついに現実のものとなりました。こちらのカフェは開放感あるカウンター席やテーブル席、そして心地よいテラス席を備えており、多彩な空間でその日の気分で思い思いに楽しむことができます。

「abarotz(アバロッツ)」とはスペイン・バスク語で「木々のざわめく姿」を意味し、「自然の景色であり、揺れ動く人の心であり、この世界の瞬間を表す言葉」と川島さんは捉えています。カフェは時に人に寄り添い、時に人を癒し、そして時に笑顔にする場所として存在します。古(いにしえ)より奈良の景色にあり続けた三笠山のように、「いつでもそこにある」というメッセージが込められているのです。

川島シェフは奈良のテロワール(地の特有性)をとても大切にしています。地元の素材にこだわった「ローカル」、そして季節を感じながら自由に素材を厳選した「フリー」、また一方で、「モダンなスタイル」と「伝統的な技法」とを上手く織り交ぜながら美味しいスイーツを作り上げているそうです。特に日本最古の柑橘である大和橘を使用したケーキやムースはおすすめ! 奈良の珍しい食材である大和橘こしょうや大和大鉄砲という幻の大豆、同じく奈良の日本蜜蜂から取れたハチミツなども積極的に活用されています。プリン、ティラミス、焼き菓子のフィナンシェやカヌレなど、テイクアウトしてお土産としても喜ばれること間違いなし。

「くもり時々アバロッツ。」 ではコーヒーだけでなくビールも飲めるのです。人気のクラフトビール醸造所「奈良醸造」とのコラボビール「MALKO」は、バスク語で「涙」を意味し、上品でスパイシーなホップの香りと軽やかな麦芽の味わいが特徴です。喉ごし爽やか、バランスのよいビールに仕上がっています。テラス席で風を感じながらビールを味わうなんて、幸せなひとときですよね。

奈良の食材や生産者にこだわったスイーツとコーヒー、そして時々ビール。数量限定のライトミールでランチなど、楽しさ満載な「くもり時々アバロッツ。」。 お散歩に疲れたら、アコルドゥのクオリティーを気軽に楽しめる素敵なカフェでほっと一息しませんか? 鹿も遊びに来るかもよ♪

評価基準
わざわざ度:わざわざ旅する価値があるか
食材への愛:生産者さんへのリスペクト、食材のポテンシャルをどこまで引き出せるか
地産地消度:地元で生産されたものをどれだけ消費しているか
唯一無二度:いわゆるオリジナリティ
リピしたい度:わざわざ行ってみて尚再び行ってみたいか

わざわざ度 ★★★

食材への愛 ★★★★★

地産地消度 ★★★★★

唯一無二度 ★★★

リピしたい度 ★★★★★

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大野ひろえ

美食を求め旅するEATRAVELLER. その土地ならではの食材を使ったディスティネーションレストランからB級グルメまで幅広く巡ります。趣味は変態料理人探し。