和食STYLE

EATRAVELLER HIROEの女子美食旅㉒ 唐津「restaurant □□□」

古民家を再利用したレストランが注目されています。歴史的な建造物をリノベーションし、地域経済を活性化させるプロジェクトが日本各地で盛り上がっています。

佐賀県唐津にある「restaurant □□□(レストラン ななし)」もその一つ。建物のかつての姿は質屋さん。趣のある木造2階建て、登録有形文化財です。

シェフの横田悠一さんは、南フランスやアルザス、パリのミシュラン3つ星レストラン、ニューヨーク郊外の 2 つ星「ブルーヒル」で経験を積み、その後、「アピス」東京、広島の「AZUMI 瀬戸田」でシェフを歴任され、地域の特徴を活かす斬新な料理を提供してきました。また、ご自身の実家の農園でお米、野菜、果物など、食材作りにも情熱を傾けていました。現在は漁業に興味が芽生え、シェフ自らが釣った魚がテーブルに出されることもあります。

パンが焼けるいい香りがしてきました。酵母から育て、丁寧に焼き上げた自慢の酵母パン。海藻たっぷりの自家製バターとともにいただきます。

佐賀牛ジャーキー噛めば噛むほどあふれる旨味、ややワイルドに、かつ品よく、脂分の比率が絶妙で水分コントロールがばっちりでした。

適温で5日間熟成させた一本釣りのクエ。天然物はやはり香りと触感が違いますね。添えられた浅利の旨味がより一層引き立たせてくれます。

地元では「とうへい」と呼ばれる黒穴子は、地元でもなかなか見かけない珍しい魚だそう。身はハモの様に骨切りして内臓まで美味しくいただきました。全てを無駄にせず美味しく頂けるフードロスの少ないお魚です。海の恵みに感謝する一皿でした。

そして、唐津自体も魅力的なディステイネーション。風光明媚で歴史と文化が息づく城下町で、福岡からもアクセスが良く、美しい海岸線や観光スポットも充実しています。ぜひ、唐津を訪れて、「restaurant □□□」で素晴らしい食事と素敵なひとときを楽しんでください。11 月にはユネスコ世界無形文化遺産に認定された荘厳なお祭り、「唐津くんち」も開催されますのでお見逃しなく!

評価基準
わざわざ度:わざわざ旅する価値があるか
食材への愛:生産者さんへのリスペクト、食材のポテンシャルをどこまで引き出せるか
地産地消度:地元で生産されたものをどれだけ消費しているか
唯一無二度:いわゆるオリジナリティ
リピしたい度:わざわざ行ってみて尚再び行ってみたいか

わざわざ度 ★★★

食材への愛 ★★★★★

地産地消度 ★★★★★

唯一無二度 ★★★

リピしたい度 ★★★★

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大野ひろえ

美食を求め旅するEATRAVELLER. その土地ならではの食材を使ったディスティネーションレストランからB級グルメまで幅広く巡ります。趣味は変態料理人探し。