和食STYLE

EATRAVELLER HIROEの女子美食旅 ⑫ 静岡市 KAWASAKI

『ニッポン美食立国論』 の著者、「日本ガストロノミー協会」会長 柏原光太郎さんは、「日本を再生する鍵となるのは食である!」と仰っています。 世界中のフーディーから注目されている日本の食文化。そう、美食家たちが日本を再生するのです!

最近、私の周りでも美味しいものがあると聞けば、どこへでも行くという人が増えています。柏原さんによりますと、フーディーたちが訪れたい地方として、北海道の十勝&余市、長野の白馬村、九州の由布院&島原に加えて『静岡』を取り上げています。

今日ご紹介するレストランは、都心から比較的アクセスがよいディスティネーションである静岡県静岡市。東京駅から新幹線に乗ってわずか59分!あっという間に到着です。

レストランKAWASAKI、JR静岡駅から歩いて10分。

皆さんはハンターシェフってご存知でしょうか? 自分で獲物を狩り、その獲物を使ってジビエ料理を作る、狩猟免許を持つシェフのことなんです。シェフの河崎芳範さんは、惜しまれつつ2020年閉店したRestaurant Bio-s(レストランビオス:富士宮市)でシェフを務めたのち、2014年にレストランKAWASAKIを開業しました。河崎シェフは狩猟解禁期になると静岡県内のみならず北海道にまで出かけ、小さなヒヨドリから巨大な熊まで、数種の銃を使いこなし見事に仕留めています。

先輩から譲り受けた貴重な旧東ドイツ製のライフルの弾を見せていただきました。散弾銃や空気銃、自分で自ら火薬を詰めるタイプなど、さまざまな銃による弾の違いもご説明いただき、とっても興味深かったです。 5年前に河崎シェフのコンソメをいただく機会がありました。鹿、雉、鳩、鴨からなる澄んだスープ、凝縮された旨味にガツンと衝撃が走りました。今日もその日のジビエの組み合わせで様々なバリエーションが楽しめるパテやラーメンのスープをいただきました。訪れるたびのお楽しみ、一期一会ですね。

また、今日いただいた自家製の生ハムは5年間熟成でしたが、食糧庫には6年熟成や7年熟成のものもぶら下がっていました。

実は、河崎シェフの仕事と狩猟、そしてガストロノミーに焦点を当てた長編ドキュメンタリー映画が制作されています。密着撮影は既に始まっているのですが、狩猟解禁期になったら本格的に再び撮影される予定でだそう。

河崎芳範シェフの料理は、命をいただく究極の料理人の仕事です。その仕事やライフスタイルを通して、人間の営みや生命の尊さ、自然との共生、そして食べ物を楽しむ喜びについて考えていくこのドキュメンタリー映画『HunterChef KAWASAKI 〜一期一会の味わいを求めて〜』(仮題)。

静岡県島田市にあるラーメンルデッサンの増田稔明シェフも出演予定です。長年フランス料理の経験を積まれた増田シェフの作るラーメン、とっても美味しいのです。(私はホロホロ鶏のラーメンが好きです!!)他にも、孤高の猟師OTAさんや陶芸家の村上祐仁さん、フジヤマハンターズビールの深澤道男さん、猟師の名雪誠さん、NOBLUEの渡邉親さん、長谷川農産の長谷川光史さんも出演予定。完成予定は来年末です。

今からとっても楽しみ♪♪ 完成した暁には、いのいちばんに見に行きま〜〜す!

評価基準
わざわざ度:わざわざ旅する価値があるか
食材への愛:生産者さんへのリスペクト、食材のポテンシャルをどこまで引き出せるか
地産地消度:地元で生産されたものをどれだけ消費しているか
唯一無二度:いわゆるオリジナリティ
リピしたい度:わざわざ行ってみて尚再び行ってみたいか

わざわざ度 ★★★

食材への愛 ★★★★★

地産地消度 ★★★★

唯一無二度 ★★★★★

リピしたい度 ★★★★★

過去記事はこちらから

過去記事はこちらから

大野ひろえ

美食を求め旅するEATRAVELLER. その土地ならではの食材を使ったディスティネーションレストランからB級グルメまで幅広く巡ります。趣味は変態料理人探し。