タケムラダイの日本全国・美味しい冷食
第六回 亀じるし「ゆず香るみかん大福」
第六回 亀じるし「ゆず香るみかん大福」
丸ごと1個のみかんを包んだ爽やか大福
茨城県水戸市に170年以上の歴史を持つ老舗の製菓会社がある。
亀の姿をかたどったロゴマークがトレードマークの「亀印製菓(亀じるし)」だ。
嘉永5年(1852年)に亀じるしの創業者・林亀吉なる人物が梅干の製造を主とする漬物商を始めたのが発端なのだが、2代目へと代替わりをした際、漬物商のかたわらに始めた菓子の製造販売が軌道に乗り、戦後には菓子製造業のみに専念するようになった。
全国菓子博覧会において、3度の金賞受賞歴のある、漬けた赤しそで求肥と白あんを包んだ水戸銘菓「水戸の梅」はあまりにも有名。
今なお「水戸の梅」に代表されるような老舗ならではの和菓子を作り続けているのだが、一方で伝統という枠にとらわれない、ケーキやクッキーなどの洋菓子をも手がける柔軟性を兼ね備えており、非常に多彩な商品ラインナップを有しているのも大きな特徴となっている。
そんな中、私の心を鷲掴みにした冷凍スイーツが今回ご紹介する「ゆず香るみかん大福」だ。
1箱に6個の大福が入っているのだが、大福ひとつの中に丸ごと1個のみかんが包まれているため、大福の見た目としてはかなり大きめのサイズ感である。
冷蔵庫で10時間ほどかけて解凍をした後、包み紙を開け大福を取り出そうとすると、赤ん坊の耳たぶほどに柔らかい餅の感触が指の先から伝わってきた。
まずは一口とかぶり付くと、口の端から滴るほどのみずみずしいみかん果汁が溢れ出してくるではないか。
柔らかな餅とシロップに漬け込まれたみかんの間には、茨城県産のゆずの果汁と皮が練り込まれた白あんの層があり、その芳醇なゆずの香が第二波として口の中に心地よく広がっていく。
白あんの甘さは控えめにしており、みかん本来の酸味と甘みもしっかりと感じられるように仕上げているのも見事だ。
昨今、人気のフルーツ大福は1個500円以上する高級品が多い中、こちらは1個当たりの単価も税込378円と非常にリーズナブル。
口の中をすっきりさっぱりとさせたい食後のデザートとしても重宝するし、直径約6cmとボリュームもあるので、小腹が空いた際のおやつにも最適。
伝統の中に革新を包み込んだ、新感覚の大福を存分に楽しんで頂きたい。
タケムラダイのワンポイントアドバイス!
シャリシャリとしたシャーベット食感でみかんを楽しみたければ、半解凍状態で食すべし!
タケムラダイの冷食品評
美味しさ:自信をもってオススメできる商品のみ紹介するので基本的には星5。(星5超えがあるかも?)
入手のし易さ:数量限定品や季節限定品などは星が少なくなる。
デザイン性:パッケージや盛り付けなど、商品としての美しさ。
ボリューム感:成人男性基準での満腹度。
調理の手間:調理の手間が簡単であればあるほど星が多い。
【評価】
美味しさ ★★★★★
入手し易さ ★★
デザイン性 ★★★★
ボリューム感 ★★
調理の手間 ★★★★
今回紹介した冷凍食品
商品名:ゆず香る みかん大福
製造者:亀印製菓株式会社
価格:1箱(6個入り) 2,268円(税込)
購入できる場所:オンラインストア、茨城県内店舗など
オンラインストア:https://www.pietro-onlineshop.com/
店舗情報:https://www.kamejirushi.co.jp/shop.html
冷凍食品マイスター/電子レンジ料理研究家/フードコンサルタント
商品プロデュース業で多忙を極めていた際に、手軽で便利で美味しい冷凍食品と出会い、その魅力に取り憑かれる。毎日欠かさず、20年以上に渡って冷凍食品を食べ続ける筋金入りの冷凍食品マニアとして知られるようになり、テレビやラジオ、雑誌など多数のメディアに出演。現在は通算10000食以上の冷凍食品を食べた経験を活かし、冷凍食品のプロデュースやアレンジレシピの考案、食品メーカーや飲食店などのメニュー開発を手掛けるなど、料理研究家としての活動も多岐に及んでいる。
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