「焼⿃アンバサダー」が⾏く︕ 今宵はこの店へ ④焼鳥YAMATO(大阪・北新地)
ここでしか食べられない「唯一無二」のコース
大阪で焼鳥屋と言えば、美味しいお店はもちろんたくさんありますね。ミシュランの星を取っている市松さん、いし井さん等。
そんな中、こちらのお店は、私が知る限りですが日本で一番鶏に詳しくて拘りも半端ない大将がやってるお店です。
大将の川口さんは、実家が鶏肉の卸な事もありとにかく色々と鶏に詳しい方。弟さんがやっている心斎橋にある「かわぐち」も美味しいお店です。
そしてこちらは北新地と言うきらびやかなエリアにありますが、愚直に鶏の研究を続けられた正に職人の焼鳥が頂けるお店なのです!
焼鳥は「焼き」も大事ですが、焼くまでの作業も大事。脱羽も通常は鶏を熱湯に浸けてから脱羽機にかけて自動的にやります。ここの鶏は一部ハンドピッキングと言って熱湯には浸けずに手で脱毛していきます。この方が鶏の旨味が残るそうです。さらに長期間熟成もさせてます。
さて焼鳥の方はと言えば、コース料理はその名も「唯一無二のコース」13,200円(税込)。これが本当に唯一無二なんです。こんな焼鳥のコースは他で見たことがありません。
カナッペや生ハム、キャビアから始まり、照焼バーガー、松前漬け、鶏を柑橘果汁で酢〆してドライフルーツと共に頂く1品まで、まるで創作料理を食べているのかと思う程。
串物が始まると、先ほどのドライピッキングした鶏のオンパレード!
また、新解釈ねぎまと言う串があり、昔は旨味を補う為の玉ねぎやネギだったが、この串は旨味を引き出す為の辛味として挟んでいるそう。
追加で頼んだコプチャン、これはお尻の皮。他のお店では食べられない部位。肛門の周りらしいです。ホルモンみたいで、確かに小腸みたいな味と食感です。脂身のコク、旨味が堪りませんねぇ!
さらに追加したソリレスの食べ比べも面白い。真実のソリレスと偽りのソリレス。ソリレスと言えばそもそも希少部位なので、名前を知らない人もいるかもしれませんが。
あるフランスの料理本で、普段食べているソリレスは本当のソリレスではないとする説を唱えている人がいました。本物のソリレスは、偽物よりも内部の骨盤の窪みにある小さな豆粒位の物だそうです。
たまには焼鳥のウンチクに浸りながら、美味しい焼鳥を食べてみるのもいかがでしょうか?
【評価】
お酒の品揃え ★★★★
⽕⼊れ加減 ★★★★★
素材への拘り ★★★★★
料理のバリエーション ★★★★★

⽇本全国500 軒以上の焼⿃屋に訪問している焼⿃マニアです。さらに場合によっては海外へ⾏っても焼⿃を求めて⾏ってしまう。 何故美味しいのか︖どうしたら美味しくなるのか︖の理由を知りたくなってしまうんですよね。鶏の味って何がどう違うのか︖と疑問に思えば鶏の鶏舎に⾏き、使っている炭によって何が変わるのか︖と疑問に思えば備⻑炭の窯へ。 ⼀⾒とてもシンプルに⾒える焼⿃。でも知れば知るほど、その奥深さに感銘を受けます。
そしてお酒は焼⿃の最⾼のパートナー。特に⽇本酒との相性が良くて拘って飲んでいます。