【新連載】お出汁が決め手、簡単華やか! おもてなし料理 ①X’masのローストチキンを和風に‼
はじめまして、三好万記子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
今年は世界中で大変な年でしたが、あと1週間でクリスマス。今年は大切な人とお家でゆっくりお料理を作ってみるのもいいですね。
私は3年ほどフランスで暮らしていましたが、その生活の中で実感したのは「日本人は、海外の食文化を取り入れて、日本独自のものに変えていくのが本当に上手」ということ。 中華、フレンチ、イタリアン、エスニック・・・ここまで多種多様なお料理を普通の一般家庭でも作っている国民なんて、日本人の他にいません。そう考えると、そろそろクリスマスにも日本人独自の料理があってもいいんじゃないかな、と思っています。
今回は、クリスマスの定番メニュー「ローストチキン」を、出汁を効かせて和食にしてみたいと思います。私の教室でも、生徒さんたちのリクエスト多く、何度もお目見えするレシピです。Mein dish にSide dishをいくつか添えてメニューをご提案します。一通り作っていただけたら、その日の簡単おもてなし料理が自然とできあがりますよ。
Main dish
●「ローストチキン」
丸鶏1.2~1.5㎏ 1羽
塩 小さじ2
おろしにんにく 1片分
太白ごま油 大さじ2
甘栗の炊き込みご飯 1合
A しょうゆ 大さじ1
酒 大さじ1
はちみつ 大さじ1
きびとう 大さじ1
※丸鶏は室温に戻しておく。
1.丸鶏のおなかをペーパーでふき、塩小さじ1/2、こしょうをふり入れる。甘栗の炊き込みご飯を詰め、ようじでとめて足をタコ糸でしばる。
※ご飯は冷めていること。熱いと焼いていて爆発します。
2.丸鶏の表面に残りの塩とおろしにんにくをすりこみ、ごま油を回しかける。
3.200℃のオーブンで1時間~1時間10分焼く。ももに竹串をさして、透明の肉汁が出てきたら出来上がりです。
4.焼き上がったらすぐに鶏の表面にAを塗る。
~Maki’ tips~
フランスに限らずですが、欧米ではクリスマスがとても大切な行事になっていて、それに比べると、新年はそうでもないんです(笑)。年が明けてもまだクリスマスツリーが飾られているようなご家庭もあるぐらいです。ところが日本人はクリスマスが終わったとたん、ツリーもリースも片付けて、一気に家をお正月仕様にします。
さらにお節料理の準備となると大変です。それならクリスマスのお料理がそのままお節料理の準備になるような、そんな工夫があってもいいですよね。このローストチキンの骨は是非冷凍しておき、お正月料理の出汁にしましょう。美味しい出汁がとれますよ。
Side dish①
●サザエ
さらに「サザエのガーリックバター焼き」を添えると食卓がとても華やぎます。
①サザエをゆでて中を取りだし、カットしたサザエとガーリックバターを詰めます。
②230度のオーブンで10分から15分、焼き色がついたらできあがり。
これは、フレンチのエスカルゴ料理からヒントを得た「和フレンチ」なお料理です。女性にも男性にもウケの良いお料理。簡単ですが、見た目もオシャレです。
~Maki’ tips~
「和」と「フレンチ」などを融合させる場合は、和の食材を使って調味料にバターなどフレンチによく使われる調味料を使う方法と、逆の方法もあります。大切なのは、お料理に使う油、酢、お酒などの「統一感」です。
和風の味付けにしようと思うなら、例えば、オリーブ油は太白胡麻油や米油に、ワイン酢は米酢に、りんご酢、ワイン、ブランデーなどは日本酒に変えてみてください。フレンチも一気に和食に変わります。
Side dish②
●鯛のお刺身と柑橘類のサラダ
もう一品加えるなら、白身魚のお刺身にオレンジやグレープフルーツを合わせたサラダがおすすめです。
①ルビーグレープフルーツの皮をむいてベビーリーフの上に並べる。
②鯛のお刺身を見栄え良く散らす。
③柚子の絞り汁大さじ1、太白胡麻油大さじ2、オリーブ油大さじ2、醤油小さじ1、昆布出汁小さじ1、柚子の皮を削ったもの小さじ1をまぜたドレッシングをかける。
暖かいお部屋でお食事を楽しむ時、この一皿でテーブルが爽やかになり、優しい柑橘系の香りもお愉しみいただけると思います。
Sweets①
●デザートには温かい抹茶のモアルーショコラをどうぞ。
和食のクリスマスメニュー、いかがでしたか。和食でもクリスマス感をしっかり出したい場合、テーブルコーディネートにはクリスマスカラーの中でも「漆」をイメージさせる「黒」を基調にして、そのほかの雑貨たちを、シルバー、赤でまとめるとかっこいい「和風クリスマス」ができあがります。ぜひお試しください。
パリ「ル・コルドンブルー」で本格フレンチを習得。現在、自宅で料理サロン「ターブルドール」を主宰するかたわら、各種パーティの企画・ケータリングやカフェのプロデュースも行う。創作フレンチはもちろん、日本料理、アジア料理と幅広いメニューに定評がある。20年9月には、兵庫県芦屋市でレストラン「78Fuzuki Yaoka(文月八日)」を開業。