和食STYLE

EATRAVELLER HIROE の女子美食旅 ㊵ 福岡「 Syn (シン) 」

さあ、旅に出ましょう~♪ どんなことが待ち受けているのでしょう。旅の始まりはいつもワクワク、どきどきと心躍る。そんな冒険心を呼び覚ますレストランSyn。今や福岡で、いや日本中から熱い注目を集めています。テーマは“Cuisine Voyages”。シェフ大野尚斗氏が世界中を飛び回り、その土地の感動をテイストに盛り込み、独自の世界観で表現しています。大野シェフの冒険の一端はBSフジの単独密着ドキュメンタリー「旅する侍キュイジニエ」(2020年)で放送されました。その時の経験と感動がSynの料理に息づいています。

「皮も剝けるんです!」とピーリングのプレゼンテーション。新次元体験のりんごの中身は自家製白豆餡とフォアグラ。口に含んだ瞬間に心地よい興奮が広がります。 世界を旅するSynのメニュー。この日の旅のアイテナリーは。。。 【デンマーク ~~ シカゴ(USA) ~~ イズミール(トルコ )~~ リマ(ペルー) ~~ 佐賀 ~~ カンボジア ~~ 金沢 ~~ 愛媛 ~~ ラオス ~~ 福岡 ~~ 火星 】 シカゴピザ、南米のセビーチェ、加賀蓮根とカチョカバロ、そして愛媛のジャージー牛。彼の旅の軌跡が一皿一皿に込められています。

ペルーへの思慕と追憶。レストラン「Central(セントラル)」での経験を聞きながらホッキ貝のセビーチェに舌鼓。現地の再現では酸味が強すぎるということでアレンジを加え、品良く仕上げていました。 (※「Central(セントラル)」は2023年度「世界のベストレストラン50」で1位を獲得したレストランです)

愛媛のジャージー牛にその乳牛のバターを塗って熟成させ、塊で焼き上げ、更にその牛が食べている藁で燻す。この手法は「Fäviken(ファヴィケン)」で会得したもの。2019年の秋に閉店が決まっていたスウェーデンFävikenの料理がどうしても食べたかった大野シェフ。閉店まで既に満席だったため「働けば食べられると思い飛び込んだ」という武勇伝を披露してくれました。履歴書を送り、直接電話をかけ、採用を勝ち取った。そんな突撃エピソードからもひたむきな熱意が伝わります。

ラオスの家庭料理ラープ。スパイシーでコラトゥーラ(魚醤) の風味が広がります。ジャージー牛の端肉をひき肉にして無駄なく使い切る。Syn独自のアジアンチックな味わいに昇華しています。

大野シェフのライフスタイルは試作試作の忙しい毎日。そんな慌ただしい合間を縫って、時に生産者さんを訪れ、食材への感謝や想いを伝えていきたいと言います。 Synは九州のみならず、全国からフーディーが引き寄せられ、福岡発世界へと大きく羽ばたいてく期待の星。料理を通じて世界各地の美食と出会えるSyn。あなたも旅するようにレストランを楽しんでみませんか?

評価基準
わざわざ度:わざわざ旅する価値があるか
食材への愛:生産者さんへのリスペクト、食材のポテンシャルをどこまで引き出せるか
地産地消度:地元で生産されたものをどれだけ消費しているか
唯一無二度:いわゆるオリジナリティ
リピしたい度:わざわざ行ってみて尚再び行ってみたいか

わざわざ度 ★★★★

食材への愛 ★★★★★

地産地消度 ★★★

唯一無二度 ★★★★

リピしたい度 ★★★★

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大野ひろえ

美食を求め旅するEATRAVELLER. その土地ならではの食材を使ったディスティネーションレストランからB級グルメまで幅広く巡ります。趣味は変態料理人探し。